〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景
神護寺に寄せた「緑光」。【〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景 vol.26】June 13, 2026


京都で和菓子を制作する〈御菓子丸〉が、四季折々の寺社仏閣の風景を、独創的な菓子と文とで表現。京都の風景に思いを馳せたくなる、美しい一皿を紹介します。

京都の中心地から30分ほど車を走らせた高雄山の中腹に立つ真言宗神護寺。本尊の国宝・薬師如来像をはじめ、平安から鎌倉にかけての数多くの寺宝や、日本三名鐘のひとつとされる国宝の梵鐘を今に伝える。平安京造営に功績のあった和気清麻呂が、781年に建立したと伝わっている。
山の上にあるお寺までは坂を下り、上り、少々ハードな道のりだが、新緑の季節は青紅葉が光を受け、眩しいほどの若葉色に身を包まれて、とても心地よい。紅葉を表した和菓子の菓銘に「高雄」の地名がよく用いられるが、それほどこの辺りの紅葉が、人々にとって印象的なのだろう。
山の中にあるお寺は、ひっそりと静かに佇む。市中を離れ、新緑を浴びた心は鎮まり、仏像の前に立つと、さらに心が洗われるような感覚になる。
本堂の格子から見える外の若葉が一層美しく、この景色をお菓子に写し取った。黒糖の水羊羹と木々の香りを移した寒天を交互に重ねる。口に含むと重みのある黒糖と爽やかな香りが調和し、それは本堂の格子越しに見た、みずみずしい景色の味わいとなった。
寺宝の伝源頼朝像らの神護寺三像も名高い。
▽『神護寺』京都市右京区梅ヶ畑高雄町5 ☎075‒861‒1769 拝観9時〜16時 無休 拝観料1000円
photo : Yoshiko Watanabe
*『アンドプレミアム』2026年7月号より。
和菓子作家 杉山早陽子
1983年三重県生まれ。老舗和菓子店での修業を経て、2006年から和菓子ユニット〈日菓〉として活躍。2014年から〈御菓子丸〉を主宰している。







































