〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景
祇園祭に寄せた「縄」。【〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景 vol.27】July 11, 2026


京都で和菓子を制作する〈御菓子丸〉が、四季折々の寺社仏閣の風景を、独創的な菓子と文とで表現。京都の風景に思いを馳せたくなる、美しい一皿を紹介します。

京都の7月といえば、祇園祭。四条通を何げなく歩いていると、どこからともなくお囃子が聞こえ、今年も夏が来たと感じられる。
山鉾建てと呼ばれる行事は、祇園祭を象徴する鉾を建てること。例年7月10日から14日頃、18日から21日頃に行われ、部材を釘を用いず縄で固定する伝統技法で組み立て、そこに懸装品などを飾る。一基に用いる縄はおよそ5kg。その重さを知るとそれを扱うだけでも技術を要することは容易に想像できるが、そこにはさらに私たちの想像が及ばない技術がある。歴史のなかで受け継がれてきた「縄がらみ」といわれる手法で、熟練の職人の手にかかると縄はクッションとしての機能を持ち、鉾を動かしたときの衝撃や鉾の歪みをうまく吸収してくれるという。華やかな祗園祭の裏にはそうした技術が集結されているのだと断片的に知る。
縄が整然とする様を洲浜で表現した。きな粉、砂糖、水飴を程よい硬さに調整し、2本の細長い紐状にする。2本をねじねじと縄を編むように捻る。祗園祭の縄に実用性と美しさが両立するように、このお菓子も食べるととてもおいしい。
7月の1か月間にわたり、さまざまな祭事が繰り広げられる祇園祭。そのハイライトである山鉾巡行では17日の前祭に23基、24日の後祭に12基が京の街を巡る。
photo : Yoshiko Watanabe
*『アンドプレミアム』2026年8月号より。
和菓子作家 杉山早陽子
1983年三重県生まれ。老舗和菓子店での修業を経て、2006年から和菓子ユニット〈日菓〉として活躍。2014年から〈御菓子丸〉を主宰している。











































