川村 明子 – 文筆家 | & Premium (アンド プレミアム)

文筆家 川村 明子


August 25, 2021 こってりプルド・ポーク×夏野菜満載のカポナータ。
甘みと塩気が絶妙なオープンサンド。真似をしたくなる、サンドイッチ Vol.8

サンドイッチをこよなく愛するパリ在住の文筆家、川村明子さん。『&Premium』本誌の連載「パリのサンドイッチ調査隊」では、パリ中のサンドイッチを紹介しています。
ここでは、本誌で語り切れなかった連載のこぼれ話をお届けします。
今回は、本誌No94に登場した『トラム』で惜しくも紹介できなかったサンドイッチの話を。

具材を分析した精巧なスケッチを毎回ご紹介。今回登場するのは、プルド・ポークのタルティーヌ。
具材を分析した精巧なスケッチを毎回ご紹介。今回登場するのは、プルド・ポークのタルティーヌ。

忘れられない、あの夏のクロック・ムッシュー。

たしか2003年だったと思う。カフェに行けば、猛暑で「冷蔵庫がまともに機能しない」と、サービス係の嘆きを毎度耳にした夏、私はチェキを持ってクロック・ムッシューの食べ比べに精を出していた。そのときによく見かけたのは、老舗パン屋『ポワラーヌ』のパン・ド・カンパーニュを売りにしたタルティーヌ(=オープンサンド)だった。当時フランスでは、食パンといえば、すでにスライスされ、袋詰めでスーパーの棚に並ぶ工場生産品が主流で、カフェで出される食パンを使ったクロック・ムッシューには、スーパーの売り場でも鼻につく、袋詰めパン独特の酸味を感じた。どこのカフェにもクロック・ムッシューはあれど、おいしいクロック・ムッシューはとても少ない。その夏から長らくそう思っていた。

リピート必須のクロック・ムッシューに出合ったのは、2013年の夏。デパート『ボン・マルシェ』から徒歩で7、8分のところにオープンしたカフェ『トラマ』でだ。食パンで作られるクロック・ムッシューでおいしい店のものは、どれも薄切りだったのに、ここでは1.5cmほどの厚みにスライスされていた。それに、弾力のある生地で噛みごたえもある。聞けば、卸し専門のブーランジュリー『プージョラン』のもので、ベシャメルソースを挟まず、チーズの風味が濃厚な、けれどくどさの無いクロック・ムッシューは、チーズとハムとパンがトリプル主役のようなおいしさだった。ところが『カフェ・トラマ』は閉店してしまい、私は嘆いた。

それから2年を経て、今年の4月。カフェ『トラマ』は、6区から5区へと場所を移し、本屋さんを併設した『トラム』として、生まれ変わった。オーナーのマリオンとポールは健在で、厨房では、『トラマ』時代と同じように、かつてひとつ星レストランのオーナーシェフだったマリオンのパパが腕を振るう。そして、常連客たちの期待に応じ、メニューもほぼ同じで復活、大好きだったクロック・ムッシューも名を連ねていた。(こちらについては、ぜひ本誌をご覧ください)。

本誌No94で紹介したクロック・ムッシュー。この焼き色には抗えない。
本誌No94で紹介したクロック・ムッシュー。この焼き色には抗えない。
『トラム』オーナーのマリオンとポール。「今日の服、二人で合わせてきたの?」と私が聞いたことで、ほぼシンクロしていることに気づいた二人。息はピッタリ。
『トラム』オーナーのマリオンとポール。「今日の服、二人で合わせてきたの?」と私が聞いたことで、ほぼシンクロしていることに気づいた二人。息はピッタリ。
移転した先は、映画『ミッドナイト・イン・パリ』で重要な舞台となっている教会(とその階段)から50メートルほどのところ。
移転した先は、映画『ミッドナイト・イン・パリ』で重要な舞台となっている教会(とその階段)から50メートルほどのところ。

そう、メニューはほとんど以前と変わらぬままだったのだが、ひとつ、新顔が混じっていた。プルド・ポークのタルティーヌ。

この連載のVol.3でも紹介したけれど、プルド・ポークは、"料理サンドイッチ"を出す店でちらほら見かける具材だ。ただ、思い浮かぶものはホットドッグのような形態か、食パンタイプのソフトなパンで挟んだサンドイッチで、タルティーヌ(=オープンサンド)はまだ見たことがなかった。「おそらくハード系のパンが土台だよなぁ」と想像して、早く確かめたい気持ちになった。メニューには、野菜のコンフィも併記されている。軽やかな仕上がりの料理が多いこの店で、こってりの一皿ならば、それは食べてみたい!とさらに興味が湧いた。

10種類以上の夏野菜がのった、「プルド・ポークのオープンサンド」

甘くこってりな味付けのプルド・ポークに夏野菜満載のカポナータの組み合わせで、ボリュームたっぷりな見た目に反し軽やかな食べ心地のタルティーヌ。
甘くこってりな味付けのプルド・ポークに夏野菜満載のカポナータの組み合わせで、ボリュームたっぷりな見た目に反し軽やかな食べ心地のタルティーヌ。

そして、爽やかな夏の風が気持ちいい7月のある日、食べに出かけた。
出てきたタルティーヌはボリューム感満載で、パッと見ただけでも10種を優に超える素材が見て取れた。添えてあるものと思っていた野菜のコンフィは、タルティーヌの具材として盛られているようだ。宝の山を崩さぬまいとするかの慎重さで、フォークの先で少しずつ肉の繊維をほぐしながら切り取りやすそうな一角を探り、ナイフを当てた。パンの表皮の香ばしさが伝わってくる。

ひと口目にまず、できる限り全部の具を、満遍なく頬張りたい!その一心でひと口大に切ったパンの上に盛り付け、かぶりついた。と、予期せぬ味の広がりに、改めて具の山をフォークで探る。ナス、ピーマン、玉ねぎ、松の実に、緑と黒のオリーブ。フランス語で「野菜のコンフィ」と書かれていたのはカポナータだった。甘みのしっかりついたプルド・ポークが、カポナータと合わさることでいきなり夏の味になっていた。さらに、オリーブの塩気が、こってり味をきりっと引き締め、全体的にさっぱりとした印象に変換させている。

他にも何か、南仏を思わせる味を感じて、今度は舌で探り当てようと口の中に意識を集中した。アンチョビが潜んでいる気がするなぁ……。控えめに、ところどころハーブにかかっているピストゥソース(ニンニクとバジル、オリーブオイルをあわせて作る)に入っているのかも、と、ちょうど厨房から出てきたシェフに聞いてみると、そうだと言う。本当にほんの少しだけ加えている、と。

甘さと酸っぱさが同じくらいの強さでとても食べやすい赤タマネギのピクルスと、酸味がプチっと弾けるスグリの実の存在も大きかったと思う。ハード系の、生地が白くないパンが土台だったことも、おなかへの負担を軽くしていたのだろう。最初、出てきた皿を見たときには、「これは相当おなかいっぱいになるぞ」と少し身構えたのに、実際の食後感は、クロック・ムッシューよりもずっと軽くて驚いてしまった。それで、思わず、食べるつもりのなかったデザートも注文したほどだ。

前はクロック・ムッシューを目当てに出かけていたけれど、夏のバカンスが明け、最初の再訪は、このタルティーヌを頼むかもしれないなぁと今から迷っている。

カウンターの上に設えたランプシェードは、前の店『カフェ・トラマ』で付けていたものと同じモデルにした。「常連さんたちが、場所は変わったけれど、馴染みの店に“帰ってきた”ような気分になれるように」
カウンターの上に設えたランプシェードは、前の店『カフェ・トラマ』で付けていたものと同じモデルにした。「常連さんたちが、場所は変わったけれど、馴染みの店に“帰ってきた”ような気分になれるように」
ケーキも全て、マリオンのパパが焼いている。芋ようかんを少し柔らかくしたような質感の栗の粉のケーキ、fondant chataigneが私は大好きです。
ケーキも全て、マリオンのパパが焼いている。芋ようかんを少し柔らかくしたような質感の栗の粉のケーキ、fondant chataigneが私は大好きです。

『Tram』

47 rue de la Montagne Sainte Geneviève 75005 ☎︎01-87-03-94-86 9:00~19:30 日月休 クロック・ムッシューはサラダ付き。
47 rue de la Montagne Sainte Geneviève 75005 ☎︎01-87-03-94-86 9:00~19:30 日月休 クロック・ムッシューはサラダ付き。


August 04, 2021 すべての具材は店主の手作り、幻の「バイン・ミー」。真似をしたくなる、サンドイッチ Vol.7

サンドイッチをこよなく愛するパリ在住の文筆家、川村明子さん。『&Premium』本誌の連載「パリのサンドイッチ調査隊」では、パリ中のサンドイッチを紹介しています。
ここでは、本誌で語り切れなかった連載のこぼれ話をお届けします。
今回は、本誌No93に登場した『ミン・チー』で惜しくも紹介できなかったサンドイッチの話を。

具材を分析した精巧なスケッチを毎回ご紹介。今回登場するのは、ポップアップショップを開くやいなや、即完売のバイン・ミー。
具材を分析した精巧なスケッチを毎回ご紹介。今回登場するのは、ポップアップショップを開くやいなや、即完売のバイン・ミー。

自家製の豚肉でんぶや野菜のペーストが全体の味の決め手。

いやぁ、びっくりした。あんまりおいしくて、一口食べて飲み込んでは、肘をつき手の甲でおでこを支える格好になって、考え込んでしまった。
というのも、そのおいしさの出所が、どうじっくり味わってみても、さっぱりわからなかったのだ。どれひとつとして、パキッとわかりやすい味のものはなかった。どれもが、その内側においしさを秘めたままでいるような、そんな味だった。

4月の終わりに買いに行った、数日間限定で販売された『ミン・チー』のベトナム風サンドイッチ、バイン・ミー。レストランの営業が許可されていなかった期間に、ひとりの料理人がすべての具材を一から作ったそのバイン・ミーは、2月にも一度売られて、12時から発売なのに、12時に行くともう完売、という幻のサンドイッチになっていた。多数のリクエストにより、2度目の限定発売が企画され、今度は、インスタで告知をして、DMで注文、ペイパルで前払いというシステムになった。

2月に、2度買いに行って2度とも逃した私は、今度こそ食べてみたかった。それで、告知の投稿を見るや、すぐさま注文したのである。肉入りと、ヴィーガンの2種類あったから、両方買った。

サンドイッチに調味料やソースはかかっていなかった。肉入り、ヴィーガンともに、肉汁と野菜汁をそれぞれソースとしてかけているだけで、あとは自家製の豚肉でんぶや野菜のペーストが全体の味を決める元になっていた。

パンは、あるパン屋さんに特注したらしい。生地がふっくらとして、形もぷっくらしたそのバゲットは、手作りバイン・ミーに見事に合っていた。

あんまりおいしくて、そのおいしさの在り処を見つけたくて、すごく考えながら食べていたら、考え込みすぎていたようだ。半分ずつ食べて残りは朝ごはんにしようと思っていたのに、一気に二つ食べてしまった。気付いたら、なかった。

サンドイッチは個数限定で注文を受付、当日は受け渡しのみ。肉入りバージョンには豚のスタンプ。
サンドイッチは個数限定で注文を受付、当日は受け渡しのみ。肉入りバージョンには豚のスタンプ。
本誌で紹介したのは、肉入りバージョン。五香粉の甘い香りに包まれたサンドイッチ。
本誌で紹介したのは、肉入りバージョン。五香粉の甘い香りに包まれたサンドイッチ。

ダイレクトに”おいしい”が直撃してくる!

翌週、また注文した。その日が最終日だった。味わえる最後のチャンス。

初めて食べたときに「こんなおいしさは初めてだよ!」と驚いたものに、2度目も同じような感動を得られるとは限らない。

けれど、このバイン・ミーには、1度目以上に「めちゃめちゃおいしい!」と心が踊った。その感動は、凝りが酷すぎて「1度目のマッサージでは届いて欲しいところまで実は届いていなかったんだ!」と2度目にマッサージを受けたときに発覚したような感じに似ていた。

1度目はそのおいしさの正体も在り処も分からなくて、探っていくうちに食べ終わってしまった。2度目は、まず何も考えずに噛り付いたら、ダイレクトに“おいしい”が直撃してきて、興奮した。

幻のバイン・ミーは3週間のポップアップでカムバックしたのだけれど、販売されるのは木曜から土曜の3日だけで、実質9日間という、かなりの限定発売ぶりだった。でも、聞いて納得した。ともかく、仕込みに手間と時間がかかる。

肉バージョンに挟む豚ばら肉は、数日間塩漬けしたものを蒸してから、五香粉を加えたマリネ液で24時間マリネする。でんぶは、豚のヒレ肉をマリネしてから、焼き色がつかないようにごく弱火でじっくりゆっくりと火を入れ、それをほぐす。3キロのヒレ肉で、サンドイッチ150個分のでんぶができる。

ヴィーガンのバイン・ミー。自家製の野菜ペーストが全体の味を決める元。
ヴィーガンのバイン・ミー。自家製の野菜ペーストが全体の味を決める元。

ヴィーガンサンドの湯葉のパテは、乾燥の湯葉を水で戻し、塩・コショウ・砂糖で味付けをしてロール状で1時間休ませてから、バナナの葉で巻いて2時間半蒸す。

店主のミン・チーさんは、ベトナム人の両親のもとフランスで生まれ育った。両親はベトナム料理店を営み、20年ほど前、店の裏に仏教の寺院が建立され、ヴィーガンはそこで学んだという。今回のヴィーガン・バイン・ミーも、その、寺院での学びをもとに考えられたものだから、具材を調理するのに、ニンニクなど刺激の強いものを加えていない。唐辛子のピクルスは、サンドイッチを受け取る時に、オプションで追加できるように用意していた。

取材をお願いしたらレシピを丁寧に教えてくれて、何がなんだかわからないけれどともかくおいしいレバーペーストに見える茶色のペーストの正体がわかった。玉ねぎ、豆腐、しいたけ、マッシュルーム、ピーナッツ、カシューナッツ、醤油、塩、コショウ、砂糖、大豆クリーム、グレープシードオイル。色の秘密はカカオパウダーだった。

あんなにも、滋味深いサンドイッチは味わったことがないんじゃないかなぁ。いつかまた、食べられることを切に願っている。

ヴィーガンサンドの切り口。一番下のレバーペーストに見えるものがともかくおいしかった。
ヴィーガンサンドの切り口。一番下のレバーペーストに見えるものがともかくおいしかった。
店主のミン・チーさん。ポップアップ開催時に働いていたイタリア料理店『faggio』の総菜店の窓越しに。店主自身が受け渡しをして、お客からの質問に答えていた。今は同オーナー経営のバー『Bambino』の厨房で腕をふるっている。
店主のミン・チーさん。ポップアップ開催時に働いていたイタリア料理店『faggio』の総菜店の窓越しに。店主自身が受け渡しをして、お客からの質問に答えていた。今は同オーナー経営のバー『Bambino』の厨房で腕をふるっている。

『Minh-Tri』

レストランを経営していたベトナム人の両親をもつ料理人Minh-Triさんのポップアップサンドイッチ店。今後も出現可能性あり。
レストランを経営していたベトナム人の両親をもつ料理人Minh-Triさんのポップアップサンドイッチ店。今後も出現可能性あり。Instagram(@minhtdinh)でチェックを。

June 24, 2021 切っても、折っても、丸めてもおいしい!魅惑のナンサンド。真似をしたくなる、サンドイッチ Vol.6

サンドイッチをこよなく愛するパリ在住の文筆家、川村明子さん。『&Premium』本誌の連載「パリのサンドイッチ調査隊」では、パリ中のサンドイッチを紹介しています。
ここでは、本誌で語り切れなかった連載のこぼれ話をお届けします。
今回は、本誌No92に登場した『ナニー』で、惜しくも掲載できなかったサンドイッチのお話を。

 
具材を分析した精巧なスケッチを毎回ご紹介。今回登場するのはナンサンドイッチ!
具材を分析した精巧なスケッチを毎回ご紹介。今回登場するのはナンサンドイッチ!

初日から100人以上が並ぶ、売り切れ御免の大人気「ナンサンド」店。

今年2月から5月の初めまで、彗星の如く現れては消える、ポップアップショップのサンドイッチを立て続けに味わった。期間限定で販売されるそれらは、美味しいと分かるや、瞬く間にSNSで評判になり、開始翌日には長蛇の列が出来る現象まで生まれた。
中でも、道行く人々が「なにごとだ?」と立ち止まるほどの行列で、その様子がまたインスタグラムのストーリーズで拡散されることによって、さらなる評判を得たのが『ナニー』だった。

『ナニー』は、偶発的に誕生したという。きっかけは、家でのごはん。本業は写真家、そこから、ブログ→ケータリング→旅の写真→ホテルやアルコール類の広告写真を手掛け、現在は”食のクリエーション・スタジオ”を謳うユニット「The Social Food」のマチューとシャーリー。そして、シェフ・シルヴァンの3人で、ある夜、食卓を囲んでいた。
パンがなくて、その代わりにと、シルヴァンがナン生地を作ってフライパンで焼き始め、そのときあった食材をのせたり巻いたりしたら、すごくおいしかった。楽しくなって、翌日改めて「色々試そう!」と何種類もの具材で試作してみると、可能性がどんどん広がることがわかった。それにやっぱりおいしくて楽しい。それで、“これを販売しよう!”と、思い立ったら吉日。すぐに実現することにしたそうだ。オンライン注文でのデリバリーツールは使わず、直接買いに来られる人だけに……と、1日40個のつもりで始めた。ところが、「The Social Food」のSNSアカウントで告知をして迎えた初日。予想をはるかに上回り、100人を超える人が並んだのだ。

私は、そういったイベントだとか新規オープンだとかに、のっけから飛びつかない。”これは、自分の好きな感じかなぁ?”と少し様子を見る。だけど、毎日アップされる、仕入れによって変わる具材と、その試作品の完成図を連日見ていたら、何やらえらいおいしそうで。おまけに、仕入れた素材は使い切ったら終わりだから翌日にはなくなる、とあって気持ちが急き立てられた。その上、開催は13日間と短い。早々に行くべくスケジュールを調整し、初『ナニー』に臨んだ。

 
『Nanny』のポスターが貼り出されたポップアップショップ。店の前には行列が。
『Nanny』のポスターが貼り出されたポップアップショップ。店の前には行列が。

箱を開けると、そこには、小躍りしたくなるほどきれいなナンサンドが!

開店前に配られる整理券は、購入希望個数分渡される。すぐ近くで働く料理人の知人とシェアする約束をして、3種類食べてみたいと、3枚のチケットをもらった。なのに、なのに……。
全4種類の具材から何をチョイスするかは、注文の順番が回ってきたところで、決める。いよいよ、次の次、とワクワクが高まっていたそのときに、告げられた。「シイタケは、売り切れました〜!」。シイタケは食べてみたい具材のひとつだった。なのに、目の前で、去って行った。

この日は結局、仔羊の挽き肉にミント蜂蜜ヨーグルトソースを合わせた「Naany Agneau」と、グリーンピースに小ぶりのアーティーチョーク、そしてグリーンアスパラにカラブリア風ペーストを合わせた「Naany Green」の2つを食べてみることにした。
注文をして外で待ち、数分後、箱を受け取って、移動する前にその場でぱかっ。箱を開けた。

・・・・・・うわぁぁぁ!!!きれい〜〜〜!
写真で何度も見ていたのに、目の前に現れたそれに小躍りしたくなった(盛り付けが崩れるのを恐れて、小躍りはかろうじて制した)。

急いで知人の仕事場へ向かい、逸る気持ちを落ち着けつつ、いざ一口。
料理人の彼女と並んで座り、互いにしばし無言で、それぞれ中身を探るように食べた。「Naany Agneau」、ソースがすごくおいしい。仔羊を挽き肉にしてサンドイッチの具にすると、こんなにも印象が変わるのか、と目を見張った。牛そぼろのごとく、サフランライスの上にたくさんのハーブや玉ねぎと散らして、混ぜごはんにしても美味しそうだ。
それに、「Nanny Green」の生地に塗られた赤いペースト。ピーナッツと思われる粒々のほかは正体が掴めない。でも、やたらとおいしい。

「これ、また食べたい」。レストランの営業停止期間を利用して開催された、このポップアップショップ。もう別の機会はないかもしれない。食べとかなくちゃ。

 
最初に食べた、仔羊挽き肉+ヨーグルトソース。シナモンなど甘みを放つスパイス数種と キャラメリゼした仔羊肉は、お米と合わせてもきっと美味しい。

最初に食べた、仔羊挽き肉+ヨーグルトソース。シナモンなど甘みを放つスパイス数種と キャラメリゼした仔羊肉は、お米と合わせてもきっと美味しい。

オレンジ色のカラブリア風ペーストが絶品だった「Nanny Green」。正体は、ロースト&スモークした赤ピーマンにピーナッツとアーモンド、それに唐辛子を加え、オリーヴオイルを注いでミックスしたもの。

オレンジ色のカラブリア風ペーストが絶品だった「Nanny Green」。正体は、ロースト&スモークした赤ピーマンにピーナッツとアーモンド、それに唐辛子を加え、オリーヴオイルを注いでミックスしたもの。

コチュジャンと柑橘が合わさった、タコ・ナンサンド。

 

そうして、その2日後、再度私はサンドイッチを待つ列に加わった。並びながら、またもドキドキした。サンドイッチは、もはやエンターテイメントな気さえした。この日は幸い、逃したシイタケのリベンジに成功し、新たに登場したタコ・ナンサンドも買えた。私が注文し、支払いを終えるとスタッフが外に出て、「タコは売り切れました〜」と叫んだ。どうやら最後を、ゲットしたらしかった。

家に持ち帰り、やってみたかった食べ方を試した。“ロール状にしたら味が違うんじゃないか”。2日前に食べ終わったあと、そう思ったのだ。果たして、ロール状のほうが、美味しく感じた。よりジューシーで、特に、生地に塗られたペーストの香りが際立った。卵が少し潰れることで、具材全部をつなぎ合わせる役割を担い、それにより生まれた一体感が新たなおいしさとして口の中も、気持ちも満たした。

 
おばあちゃんのレシピをアレンジしたという、アイオリソースが決め手のタコ・ナンサンド。
おばあちゃんのレシピをアレンジしたという、アイオリソースが決め手のタコ・ナンサンド。
 

スペインとの国境に近い、フランス南部ペルピニャンに住むシャーリーのおばあさんのレシピをベースにアレンジした、タコ・ナンサンドに塗られたスイート&スパイシーアイオリソースが、これまた後を引いた。コチュジャンと柑橘が加わり、これだけを舐めていたい味だった。「The Social Food」の2人は、それぞれの名前の頭文字を合わせ、Matshi(=Mathieu+Shirley)というソースを作っている。シャーリーは唐辛子が大好きで、それにペルピニャンの柑橘農家の産物を活用したくて、開発したオリジナルソースだ。各果物が届いた分だけでソースを作るから、これもやはり数量限定で、このポップアップで発売された金柑入りは即完売。

『ナニー』の各サンドイッチに、爽やかな甘さと辛みを加えていたのはこのマチソースだ。ラベルのデザインも魅力的で、迷わず購入した。それからというもの、パスタにも、お肉や魚を焼いたときにも、数滴かけて、大活躍だ。これまでタバスコか柚子胡椒を添えていたところに、新たな選択肢が加わった。

ナイフで切るだけでも、一口サイズに折っても、はたまた丸めて食べるのもアリで、その都度表情を変える『ナニー』のナンサンドに出合って、またまたサンドイッチの奥深さに引き込まれた。

 
ちなみに、まず丸めて食べてみたのは本誌で紹介したシイタケ・ナンサンド。シイタケってこんなにおいしく食べられるか!とびっくり。これは、シイタケが嫌いな人も、これを食べたらきっと好きになるよ!と思った。

ちなみに、まず丸めて食べてみたのは本誌で紹介したシイタケ・ナンサンド。シイタケってこんなにおいしく食べられるか!とびっくり。これは、シイタケが嫌いな人も、これを食べたらきっと好きになるよ!と思った。

Matshiソース。これは金柑入り。ともかくラベルが可愛くて、どうにかシミをつけずにキープしたいと毎度気をつけている。タバスコとも柚子こしょうとも、豆板醤ともハリッサとも異なる、新たな辛味ソースの出現。

Matshiソース。これは金柑入り。ともかくラベルが可愛くて、どうにかシミをつけずにキープしたいと毎度気をつけている。タバスコとも柚子こしょうとも、豆板醤ともハリッサとも異なる、新たな辛味ソースの出現。

『Nanny』

写真家ユニット「The Social Food」のマチューとシャーリー、それにレストラン『Caché』と『Amagat』のシェフを務めるシルヴァンの3人で立ち上げた『Naany』。photo : ©︎ the social food + sylvain roucayrol
写真家ユニット「The Social Food」のマチューとシャーリー、それにレストラン『Caché』と『Amagat』のシェフを務めるシルヴァンの3人で立ち上げた『Naany』。この夏もまた開催予定、とか。続報はInstagram(@naanyparis) でチェックを! photo : ©︎ the social food + sylvain roucayrol

May 27, 2021 春の味覚は行者ニンニクのペーストで。旬を詰めたベジサンド。真似をしたくなる、サンドイッチ Vol.5

サンドイッチをこよなく愛するパリ在住の文筆家、川村明子さん。『&Premium』本誌の連載「パリのサンドイッチ調査隊」では、パリ中のサンドイッチを紹介しています。
ここでは、本誌で語り切れなかった連載のこぼれ話をお届けします。
今回は、本誌No91に登場した『ミショー』で、惜しくも掲載できなかったサンドイッチのお話を。

 
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具材を分析した精巧なスケッチを毎回ご紹介。今回メインで紹介するのはルッコラやトマトのコンフィが入った「春のベジサンド」。

"ポップアップ型サンドイッチ店"の登場。

『&Premium』本誌で、サンドイッチの連載を始めてから2年半。その間に、サンドイッチの販売カウンターもあるビストロの煮込み料理を挟む日替わりサンドイッチ(本誌No64、『ル・プティ・ヴァンドーム』) や、レストランを経営していたシェフがパン屋に転向した店のサンドイッチ(本誌No85、『サン・ブーランジュリー』)など、調理された具を挟む食べ応え抜群のソウルフードたる味わいをいくつも紹介してきた。そして当連載のVol.3では、それらがさらに進化した“料理サンドイッチ”の出現について触れた。

さて、今回。訪れたのは、オペラ座からほど近い場所に出現したポップアップのサンドイッチ店『ミショー』。インスタグラムにアップされた投稿を見て、書かれていた住所に行ってみると、そこはレストラン『La Fontaine Gaillon』の厨房通用口だった。折りたたみ式の小さなテーブルで扉を抑え、開け放している。そのテーブルには野菜の仕入れで使われる木箱を裏返し、上にiPadを立てて即席注文カウンターを設えていた。扉の脇は、額に入れられたゲンズブールの写真、ランタン、ダイヤル式の電話やスケートボード、ショートボードに鉢植えなどでデコレーションがなされ、ちょっと陽気な雰囲気だ。
この場所でサンドイッチを作っていたジュリアン・セバグは、ギャルリー・ラファイエットの屋上レストラン『トルトゥーガ』をはじめ、4軒の店を任されるシェフである。『La Fontaine Gaillon』のスタッフではない、というところが面白い。レストランの営業ができない期間に厨房を使わないかと『La Fontaine Gaillon』から話があり、ポップアップの開催が決まったという。

 
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写真家ユニット「The Social Food」のマチューとシャーリー、それにレストラン『Caché』と『Amagat』のシェフを務めるシルヴァンの3人で立ち上げた『Naany』。この夏もまた開催予定、とか。続報は Instagram(@naanyparis) でチェックを!

「トマトのコンフィ、ルッコラ、オリーブ......。春のベジサンド」

レストランの営業が再開されるまで、という期間限定の店で販売されたのは、牛肉のシチュー、ローストチキン、そしてベジタリアンの3種のサンドイッチ。レヴァント(東部地中海沿岸)地方のパン屋さん『Babka Zana』のハッラー(hallat=ユダヤ教徒が安息日に食べるパン。乳製品を加えずに作られる)を使い、ボリューム満点、華やかな姿をすでに投稿で見ていた。
初めて買いに行った日。ベジタリアンサンドの具はカリフラワーだった。迷った挙句、牛シチューとローストチキンの2つを買った。どちらも、脇役たちの面子と配役が新鮮で、“これはベジタリアンも食べてみたい。同時に取材依頼もしよう”と1日置いて出向いた。そうしたら、その場で取材をすることになり、そして、ベジサンドはその名も“Spring”の春バージョンに変わっていた。
期せずして、登場早々に味わえることとなったそのベジサンドは、ルッコラがめいっぱい挟まれ、トマトのコンフィと小粒のオリーヴで、春というよりは夏を思わせた。家に帰るまでに寄る場所があり歩き回ったからか、道中でちょっとパンが崩れてしまったようで、その割れ目で切って食べることにした。初日、大きさに驚いてサンドイッチの全長を測ったのだ。27cmあった。ひとつ丸ごとを手にして頬張るには、だいぶ大きい。

 
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いざナイフを入れ、切り離そうとしたら、外からは見えていなかったストラッチャテッラ(ブッラータチーズのとろーっとした部分)がびよーんと出てきた。おぉ〜!真っ白なチーズとハーブのペーストに彩られたパン生地が美しい。目を奪われたその箇所の味を確かめたくて、手前からではなく、いちばん奥の、味が染み込んでいそうなところにかじりついた。ペーストからにじみ出ているのか、後からかけてもいるのか、オリーヴオイルがたっぷりで、パンの内側全体が湿っている印象だ。でも、オイリーかというとそうではなく、透き通った味わいで、もたつき感もない。昨年の夏に作ったというトマトのコンフィは甘みと酸味を併せ持ち、カラマタ・オリーヴは手で潰して種を抜き取っているのだろう、ちぎったような感じの少し潰れてくたっとした身が、他の具と馴染んでいる。鮮やかなグリーンは、春にほんの2、3週間だけ出回る行者にんにくをペーストにしたもので、それが、ルッコラ、トマト、オリーヴと馴染みある具材のサンドイッチを、ひと味違うものに仕上げていた。惜しみなく加えられた松の実と、オレガノの香りにも誘われて、コート・ダジュールの海岸沿いに行きたくなった。

 
ナイフを入れたら、中からストラッチャテッラが出てきた。旬ものだけを使いたいから、春のトマトは使わない。

ナイフを入れたら、中からストラッチャテッラが出てきた。旬ものだけを使いたいから、春のトマトは使わない。

本誌で紹介したローストチキンのサンドイッチ。鶏を丸ごとローストする際に、胴の内側にレモンを詰めていて、その香りが心地よいアクセントとして効いていた。

本誌で紹介したローストチキンのサンドイッチ。鶏を丸ごとローストする際に、胴の内側にレモンを詰めていて、その香りが心地よいアクセントとして効いていた。

牛シチューのサンドイッチ。ユダヤ教では乳製品とお肉を一緒に食べないそう。だから牛シチューにもルー(同量の小麦粉とバターを炒めて、ソースのつなぎとするもの)は使わず、パンにバターも塗らない。それが、とても美味しかった。

牛シチューのサンドイッチ。ユダヤ教では乳製品とお肉を一緒に食べないそう。だから牛シチューにもルー(同量の小麦粉とバターを炒めて、ソースのつなぎとするもの)は使わず、パンにバターも塗らない。それが、とても美味しかった。

 

それにしても考え込んでしまったのは、パンの威力。とても弾力のある、噛んで美味しいパンで、サンドイッチの味わいの中に、弾力から得る食感が多分に含まれるように思った。ものすごくコシの強いうどんみたいだ。結局、ポップアップ開催中に3回食べた。
一見、自分ですぐにでも出来そうなのに、昨夏の旬をぎゅっと取り置いたトマトのコンフィの風味は、今の季節に生み出せないし、そして行者にんにくの時季だってあっという間に過ぎ去ってしまった。作れないじゃん!と、してやられた感になんだか嬉しくなりながら、こんな風に季節を感じて、名残惜しくなったサンドイッチはこれまでにあったかなぁ、とまたひとつ新たなサンドイッチの記憶が胸に刻まれたことをまた嬉しく思った。
今回書ききれなかった牛シチューサンドについては、ポッドキャスト「今日のおいしい」でお話しします。

『Micho』

Micho
次回の『Micho』は、ジュリアンがシェフを務める4軒目の店『Forest』にて近日中に開催。パリ市立近代美術館(11 Avenue du Président Wilson, 75116 )に5月25日にオープンしたばかりのテラスレストランだ。詳細はInstagram(@juliensebbag)にて。


May 11, 2021 濃厚生クリームにクミンが香る、スモークニシンのライ麦パンサンド。真似をしたくなる、サンドイッチ Vol.4

サンドイッチをこよなく愛するパリ在住の文筆家、川村明子さん。『&Premium』本誌の連載「パリのサンドイッチ調査隊」では、パリ中のサンドイッチを紹介しています。
ここでは、本誌で語り切れなかった連載のこぼれ話をお届けします。
今回は、本誌No90に登場した『テン・ベルズ・ブレッド』で、惜しくも掲載できなかったサンドイッチのお話を。

スケッチ
具材を分析した精巧なスケッチを毎回ご紹介。今回登場するサンドイッチのページには「アジの干物をサンドイッチにしてもおいしいんじゃないか?」なんてメモ書きも。

「スモークニシンのライ麦パンサンド」

サンドイッチを包みから取り出そうとしたら、おむすびみたいな匂いがして思わず手元を確かめた。それは間違いようもなくパンで挟んだサンドイッチなのだけれど、放たれている匂いは、干物そのものだった。これはなかなかの衝撃だ。鼻に近づけると、ピクルスから来るのだろう、酢の匂いも加わり、酢飯に焼いた干物を載せたかのような印象だ。
一体どういうことだろう?もしやこれは和風仕立てなのか?
そう、未知の世界に誘い込まれた。期待と、「これ、好きかな…?」という若干の疑念が入り混じるのを自覚して、それを断ち切るようにひと口。
途端に、意識が外国へひとっ飛びした。ターメリックとクミンを入れて漬けたピクルスの存在感に、控えめな酸味を伴ったクレーム・フレッシュはクリームチーズと見紛う濃度で、ライ麦粉パンのちょっとねっとりとした生地は噛むごとに粘り気が出そうな気さえする。食べる前には明らかに主役と思われたニシンは、干物のような塩気と燻製香、それに干した魚特有の締まった身の食感で、それだけを味わえば、確かに主張が強い。だけれど、ピクルスの甘みと酸味とクミンの香りにちょっとピリッと喉を刺激するマスタードシードが、W主役の勢いで現れて、最後にクレーム・フレッシュの脂肪分が全体をひょいっと丸く包んで、全部を連れ去っていった。
もうひと口、と気持ち新たにかじりつくと、改めてニシンのキリッとした塩気に目の覚める思いで、そこに覆いかぶさるようにピクルスを彩る構成員たちが再び顔を出す。そしてそこで気がついた。後ろ手に控え、それぞれの主張を吸収するライ麦パンが大きな仕事をしているぞ、ということに。

ニシン サンドイッチ クレームフレッシュ たまねぎのピクルス

白い生地のパンだったら、それぞれの尖った部分を受け止めきれないのではないだろうか。ちょいと強めな酸っぱさとスパイスの風味と脂っこさに塩気が、行き場を見つけられないまま暴れちゃったかもしれない。これは、この黒いパンだからこそ、成り立つように思った。
パンをペラっとめくって、じっと見つめ、アジの干物をサンドイッチにするなんて考えたことなかったけれど……と想像した。クリームチーズを塗って、なんなら塩気が強めのバターでも良いのかもしれない、それにお新香の残りとアジの干物をほぐして、全粒粉やシード入りのパンで挟んだら美味しいのかもしれないなぁ。そば粉のパンが手に入るなら、それも良さそうだ。

ショーケースにずらりと並ぶ、
色とりどりのサンドイッチ。

『テン・ベルズ・ブレッド』は、コーヒーショップ『テン・ベルズ』が4年前にオープンしたパン屋さんだ。立ち上げメンバー3人は、『テン・ベルズ』をオープンする前、パリの別の場所で『バル・カフェ』というカフェ・レストランを経営していた。バル・カフェの週末ブランチは、それは美味しくて美しく楽しいものだった。ことさらスコーンが美味で、私は大ファンだった。
そんなわけで、料理を提供していたユニットがパン屋をはじめ、そのサンドイッチが種類豊富になるのは、自然な成り行きかもしれない。

テン・ベルズ・ブレッド

『テン・ベルズ・ブレッド』のショーケースにはランチタイムを直前に、色とりどりのサンドイッチが勢ぞろいする。具材によって使われるパンは異なり、それぞれのサンドイッチは半分に切って中身が見える状態で並んでいて、ハーフ・ポーションでも購入できる。
本誌で紹介したハムカツサンドには食パンだったけれど、その後に登場したチキンカツサンドはチャバタで作っていて、ハードでより香ばしくそしてキリッとした仕上がりで、同じカツサンドでも印象は全く違うものになっていた。そんなパンチある肉系サンドを半分に、野菜だけのサンドイッチもハーフ・ポーションで一つなんて組み合わせ方もできるのが嬉しい。カツサンドをはじめとした“スペシャル”と謳ったサンドイッチは、週に3回具材を変えるそうだ。

本誌No90で紹介した、ハムカツサンド。フランス語でハムを表す単語”ジャンボン”は豚のもも肉(後ろ脚、膝上の部位)を指す。もも肉を塩漬けにして茹でた食品も同じく”ジャンボン”(=ハム)と呼ばれる。ハムカツは薄いもの、という思い込みを覆すボリューム感に肉文化の違いを実感。
本誌No90で紹介した、ハムカツサンド。フランス語でハムを表す単語”ジャンボン”は豚のもも肉(後ろ脚、膝上の部位)を指す。もも肉を塩漬けにして茹でた食品も同じく”ジャンボン”(=ハム)と呼ばれる。ハムカツは薄いもの、という思い込みを覆すボリューム感に肉文化の違いを実感。
”スペシャルサンド”の一つとして登場したチキンカツサンド。ベビーほうれん草に紅芯大根がぎっしり。香ばしいカツとパンの硬派な仕上がりのアクセントに、オリジナルレシピのチリジャムが潜んでいる。
”スペシャルサンド”の一つとして登場したチキンカツサンド。ベビーほうれん草に紅芯大根がぎっしり。香ばしいカツとパンの硬派な仕上がりのアクセントに、オリジナルレシピのチリジャムが潜んでいる。
ライ麦パンで、フムスとルッコラに人参のローストを挟んだ野菜サンド。ニンニクを効かせたフムスがソースの役割も果たしていた。フォカッチャで作るベジサンドもある。
ライ麦パンで、フムスとルッコラに人参のローストを挟んだ野菜サンド。ニンニクを効かせたフムスがソースの役割も果たしていた。フォカッチャで作るベジサンドもある。

一方で、月曜日はノー・ミート・デイとして、ベジタリアンサンドだけを販売する。週に1回くらいお肉を食べない日があってもいいんじゃない?という提案をしたくてのルーティン。
他にも、フランスでは商品化されない乳清を生産者から譲り受け、水の代わりとしてライ麦パンに加えたり、パン粉はフォカッチャの切り落とし生地で作る。売れ残ったパンはフード・ウェイスト一掃を促進する慈善団体に引き取ってもらい、店ではゼロ・フード・ウェイストを実践するなど、美味しくて楽しい上に地域と環境への取り組みにも積極的で、そんなところにも惹かれ、以前にも増して頻繁に買いに行くようになった。

何度行っても、サンドイッチがきれいに並ぶショーケースを見ると、心が踊る。「今日はあれにしようかな」なんて目処をつけていくのに、毎回目移りしてしまう。その時間がまた楽しい。15時を過ぎると、サンドイッチのショーケースは空っぽで、ヴィエノワズリーもほぼ売り切れる。週末は特に、12時を過ぎるやいなや人気の具材は売れてしまうから、張り切って出かけた方がいい。

『Ten Bells Bread』


April 21, 2021 リンゴのピクルスが隠れていた!プルド・ポークのサンドイッチ。真似をしたくなる、サンドイッチ Vol.3

サンドイッチをこよなく愛するパリ在住の文筆家、川村明子さん。『&Premium』本誌の連載「パリのサンドイッチ調査隊」では、パリ中のサンドイッチを紹介しています。
ここでは、本誌で語り切れなかった連載のこぼれ話をお届けします。
今回は、本誌No89に登場した『コロロヴァ』で、惜しくも掲載できなかったサンドイッチのお話を。

スケッチ
具材を分析した精巧なスケッチを毎回ご紹介。今回登場するプルド・ポークのサンドイッチのページには「シェフはブルドッグソースが大好きらしい」なんてメモ書きが。

"料理サンドイッチ”の出現。

すごい時代になったな、と思う。サンドイッチの概念がここまで変化するとは予想だにしなかった。ほんの2年前は、どこのパン屋のバゲットを使い、ハムはどこどこから仕入れ、チーズは何ヶ月熟成で、なんて話をしていたのだ。それがいつしか”料理サンドイッチ”なるものが台頭し始め、さらには店で自家製のパンを焼くことが珍しくないところまで来てしまった。そんな事態を加速させる社会的背景があったことは確かだが、それにしても、である。軽食を表す言葉、「カス・クルート(casse-croûte)」を象徴するクラシックなサンドイッチも根強い一方で、レストランで食事を楽しめない今、ひと皿の料理を食べたかのような満足感を得る、手間をかけ工夫を凝らしたサンドイッチの出現が引きも切らない。

パティスリーだって、
サンドイッチを作るのだ。

前回この連載に登場した『モコロコ』は、パティシエールの奥様のレシピで食パンやバンを焼いている。そして今回、本誌No89でも紹介した『コロロヴァ』はパティスリーで、以前からブリオッシュなどヴィエノワズリーは商品として作っていた。
パティスリーがサンドイッチを作ることの強みは、何と言っても、そこだろう。自分たちの作りたいサンドイッチに合うパンを探す必要はなく、もともと自分たちで作っているものを具材に合わせて調整する技術を持っていること。
本誌に掲載した、バターナッツかぼちゃのフライを挟んだサンドイッチは、ピーナッツが潜むサクッサクの衣に包まれたバターナッツが何ともジューシーで、衣の熱で溶けたヤギ乳のチーズの塩気がキリッとアクセントを放っていた。
そして、几帳面に重ねられた水っぽさを感じさせないサラダほうれん草がぎゅっと集中した青々しさで全体を引き締める。最後に不意打ちで現れた洋梨の、艶やかで爽やかな甘みと口どけ感に儚さまで感じるという、そのバランスの取れた味と食感の構成はまさにアントルメ(=ケーキ)で、他ではどこでも食べたことのない味だった。

本誌で紹介した『コロロヴァ』のバターナッツ・ドイッチ。かぼちゃと洋梨の組み合わせがたまらない。
本誌で紹介した『コロロヴァ』のバターナッツ・ドイッチ。かぼちゃと洋梨の組み合わせがたまらない。
パティスリーでもある『コロロヴァ』。午後2時にオンラインで注文したものをピックアップしに行ったら、すでにケーキはほぼ売り切れていた!
パティスリーでもある『コロロヴァ』。午後2時にオンラインで注文したものをピックアップしに行ったら、すでにケーキはほぼ売り切れていた!

「プルドポークのサンドイッチ」

実はもう一つ、具材としては他店でも見ることのあるプルド・ポークのサンドイッチもあったのだ。これには、長方形に成形したパン・ブリオッシェ(食パン生地が少しブリオッシュ寄りになったパン)を使っているのだが、これがまたもちもちしていてとても美味しい。それに、プルド・ポークと言ったら、濃厚な味付けが肉の中に浸み込んでいて、噛むごとにジュワッと出てくる液に、早々と満腹感を覚えることが多いのに、全くくどさを感じなかった。ミックスしたスパイスで肉をマリネしてからじっくり火を通すのではなく、焼き目をつけてから野菜のブイヨンで5〜6時間じっくり煮込んでいるそうで、それでだろうか。さっぱりしている。バーベキューソースの代わりとなる自家製ソースには、リンゴのコンポートと水を足さずに作るキャラメルを加えて、とろみを出しているというが、こちらもそのさじ加減はお手のものだろう。そしてこのサンドイッチも、いちばん下にリンゴのピクルスが隠れていた。この甘酸っぱさがまた抜群に効いており、一度リンゴピクルス入りを食べてしまったら、もう元には戻れない、舌にその存在を刻み込む隠し球だった。

ちらっと見えるのがりんごのピクルス 青ネギ ブリオッシュ風パン 豚肩ロース肉 赤キャベツのピクルス 
プルド・ポークのサンドイッチ。豚肩ロース肉に焼き目をつけてから野菜のブイヨンで5〜6時間じっくり煮込んでいる。ちなみにポークは表面に見えている茶色の全部!

週末だけ営業をしていたのが、4月に入ってからは、水〜金曜日もオープンするようになり、新たにスコッチエッグもメニューに加わっていた。きっと衣にまた何か隠し味が仕込まれているのではないかなぁ。近々買いに行こうと思っている。

『Colorova』

『The Bells Bread』


March 25, 2021 アーティチョークをソースに。甲いかをグリルしたロールサンド。真似をしたくなる、サンドイッチ Vol.2

サンドイッチをこよなく愛するパリ在住の文筆家、川村明子さん。『&Premium』本誌の連載「パリのサンドイッチ調査隊」では、パリ中のサンドイッチを紹介しています。
ここでは、本誌で語り切れなかった連載のこぼれ話をお届けします。
今回は、本誌No88に登場した『モコロコ』で、惜しくも掲載できなかったサンドイッチのお話を。

サンドイッチの具材をひとつひとつ書き込んだ精密なスケッチ。
サンドイッチの具材をひとつひとつ書き込んだ精密なスケッチ。

サンドイッチの概念が覆された!

すごく美味しいけれど、でもなぁ……と、連載で紹介することを渋るサンドイッチがある。ロールサンドイッチだ。なぜか。写真が難しいからだ。どうやってもその美味しさを伝えられる写真が撮れる自信がない。本誌の連載では、サンドイッチの写真は形に沿って切り抜き、具材を指し示しているが、ロールサンドはこれもまた難しい。中身の見える面積が極めて少ない。
それが、このウェブ連載を始めたことでいよいよ晴れの舞台に立つ日がやってきた。
本誌No88で掲載した『モコロコ』は、バンズで作るバーガータイプとロールサンドをサンドイッチとしてメニューに掲げいて、紹介したいけれど……と長らく躊躇っていた1軒だった。
ある日、食パンでのサンドイッチが登場したことを知り、すぐに買いに行った。それが今月号に掲載のハルーミ・グリルド・サンドイッチなのだが、実は同じくその日のメニューにあったロールサンドがまた、他ではどこにも見つからないだろう独自路線の逸品で、ひと口ふた口と食べたところで、鼻から大きく息を吐き、うつむいたまましばらく顔を上げられないほどに考え込んだ。2つともが、「結構サンドイッチは食べ込んでいるよ!」と自負し始めていた私の、サンドイッチの概念を覆した。

「甲イカのロールサンド」

一品料理としても成り立つ具材が”包まれている”ことによって、プラスアルファの美味しさが生み出されている。
一品料理としても成り立つ具材が”包まれている”ことによって、プラスアルファの美味しさが生み出されている。

Today’s specialのロールサンドは、甲イカのグリルに、トレビス、アーティチョーク、赤玉ねぎ、そしてケッパーとタヒニ(中東のごまクリーム)が具材と書かれていた。けれど食べてみると、どこにもアーティチョークは見当たらない。
どこにいるかと思えば、実のところ、全体に散らばっていた。ソースになっていたのだ。アーティチョークの根幹(花托部分)をグリルし、ドライトマト、揚げニンニク、パセリ、ケッパーと合わせ、そこにレモン汁と酢を加え撹拌した、それだけでサラダとして成り立つような材料のソース。
本誌で紹介した食パンサンドの方も、一見してわかる具ではなく全体に散りばめられたピンクベージュのソースが主役に思えたが、このロールサンドもしかり。
もちろん、一見してわかる具の方も抜かり無い。イカは火が入りすぎないよう、1枚のままグリルし、焼き色が付いてから切り込みを入れる。Pain de sucre (チコリの仲間で、白菜のような形の葉野菜)はさっと焼き、対してトレビスは1時間ほど前に塩とレモン、オリーヴオイルで味付けをして、火を通していないけれど、少し火を通したかのような食感に仕立てる。

サンドイッチ用のパンは全て自家製。ランチ営業終了後、次々と焼きあがるバンズ。是非とも朝ごはん用に買いたいところだけれど、残念ながらパンだけの販売は考えていないそう。
サンドイッチ用のパンは全て自家製。ランチ営業終了後、次々と焼きあがるバンズ。是非とも朝ごはん用に買いたいところだけれど、残念ながらパンだけの販売は考えていないそう。
本誌No88で掲載した『モコロコ』の「ハルーミ・グリルド・チーズ」。一見してわかる具ではなく全体に散らばったピンクベージュのソースが主役に思えた。
本誌No88で掲載した『モコロコ』の「ハルーミ・グリルド・チーズ」。一見してわかる具ではなく全体に散らばったピンクベージュのソースが主役に思えた。

『モコロコ』は『モコナッツ』という、店主であり厨房で腕を振るうオマーの出身地、レバント地方(東部地中海沿岸地域)の料理を出す小さなレストランの姉妹店だ。故にサンドイッチにもその味わいが反映されているのだが、それだけじゃない。
オマーの料理を引き立てるパンを作るのは、奥様の日本人パティシエ、モコさんだ。オマーは日本の食パンが大好きらしい。本誌で紹介した食パンサンドは、日曜のお昼に家でよく作っているもので、だから家族の味だという。
ある時、ラストオーダーぎりぎりの時間に買いに行ったら「アキコ、このまま家に帰るの?」と聞かれ、そうだと答えると、奥で食べていっていいよ、とひっそり店内で食べさせてくれた。私がだいぶ遠くに住んでいることを思っての計らいで、もう入り口を閉めた店内でありがたく頂いたのだけれど、そうしたら、とてつもなくいい匂いが漂い始め、焼きあがったバンズが次々とカウンターに並べ始められた。
そのバンズを使った新メニューで、トリッパサンドが数日前に登場し、昨日食べに行った。フィレンツェ風トリッパの煮込みにグリーンソースを合わせたこのサンドイッチもまた、なんて形容したらいいんだろうか…と途方に暮れる美味しさで、またいつか、これに関しても、書けたらいいなぁと思います。

『Mokoloco』 74 rue de Charonne 75011 ☎️09-80-81-82-85 11:30〜15:00 日休 サンドイッチは3~4種類。ラインナップは頻繁に変わる。
『Mokoloco』 74 rue de Charonne 75011 ☎️09-80-81-82-85 11:30〜15:00 日休 サンドイッチは3〜4種類。ラインナップは頻繁に変わる。


March 01, 2021 スパイスとハーブの風味が弾ける、ローストカリフラワーのベジサンド。真似をしたくなる、サンドイッチ Vol.1

サンドイッチをこよなく愛するパリ在住の文筆家、川村明子さん。『&Premium』本誌の連載「パリのサンドイッチ調査隊」では、パリ中のサンドイッチを紹介しています。
ここでは、本誌で語り切れなかった連載のこぼれ話をお届けします。
初回は、本誌No87に登場した『ペニー・レイン』で、惜しくも掲載できなかったサンドイッチのお話を。

サンドイッチの具材をひとつひとつ書き込んだ精密なスケッチ。
サンドイッチの具材をひとつひとつ書き込んだ精密なスケッチ。

ますます、サンドイッチに魅せられて。

『&Premium』本誌で、パリ中のサンドイッチを紹介する連載「パリのサンドイッチ調査隊」をはじめて早2年。パリのサンドイッチ事情は、当初、思いもしていなかった展開を見せ、それに比例して、私のサンドイッチへの探究心もずんずんと奥地へ足を踏み入れている。

最初に作った取材候補店リストには、ブーランジュリーも数軒挙げていた。それが、連載開始と呼応するかのように一軒また一軒とサンドイッチ専門店が出現し、そのほとんどが注文を受けてから作る店で、さらには、店主がもともと料理人だったりする。メニューに名を連ねるサンドイッチは、定番ものだけではない。そうなると、あれもこれもと試したい。
でも、連載で紹介できるのは一つだけ。その一つを選ぶために、えらく悩む。具材のバリエーションが豊かで、文字だけのメモじゃ抜け落ちるところが出てくるから、食べながらスケッチする。そのスケッチを持って取材に行くと、「ここにこんな手がかけられていたんだ!」と、シェフのひと手間を新たに知ることになり、さらに悩ましい。最終的に選んだ一つは、必ずしも、美味しい!と軍配が上がった方ではない。こっちをまず食べてみて!と勧めたいサンドイッチが「来週でメニューから消える」と言われたら、私は、もう一方を記事にする。そして心の内で、“いやぁ、でもなぁ、これも食べて欲しいよなぁ…”と誌面には載らないサンドイッチへの未練を呟くのだ。そんな諦めきれぬ思いや、サンドイッチもだけれど店主が本当に感じが良くてそれさえも味、なんて思う店で交わした会話だとか、本誌では書ききれなかったエピソードを、ここで綴りたいと思います。

「カリフラワーのベジサンド」

ローストしたカリフラワーが存在感を放つベジサンド。

本誌No87では、2020年夏に10区にオープンしたサンドイッチ屋さん「ペニー・レイン」のシーフードサンドを紹介。でも実はもう一つ候補がいたのだ。ローストしたカリフラワーが存在感を放つベジサンド。食べると、見た目からは計り知れない味が飛び出してきた。主役の脇を固める布陣には、ニンジンとセロリ、フェンネルの甘みあるピクルスに、小さなキュウリのピクルスはキリッと甘みがなく、火を通していない黄色味がかったカリフラワーもいてオリエンタルな香りがした。
聞けば、カレーパウダーとフェヌグリークにターメリックを加えピクルスにしているらしい。そう、ピクルスだけで3種類。そこにパセリ、ディル、ミント、クレソンが気前よく押し込まれ、奥にはタヒニ(ねりごま)ソースとニンニククリームがたっぷり。緑の甘唐辛子も潜んでいる。

切ってみると具は溢れんばかり。
切ってみると具は溢れんばかり。
本誌で紹介したシーフードサンド“ティノス”。
本誌で紹介したシーフードサンド“ティノス”。

フレッシュな食感と酢の酸味、スパイスとハーブの風味が口の中で弾け、食べ進むたびに元気になるような気がした。3日と経たずリピートしたくなって、再訪し、今度はハドック入りのサンドイッチも買ってみた。これがまた、ひと口ごとに新たな味が顔を覗かせ、あれよあれよと食べ終えてしまった。困ったな、どっちにしよう。共通して言えることは、どちらもフォークが必要だった。具だくさんで、その一つ一つの味わいを確かめるように、奥に潜んだソースを絡めて食べたくなる。それと、細長いピタパンの役割。すべての具を受け止め器としての機能を持ちつつ、ちぎってソースにディップしながら食べるのも美味しくて、最後、ソースが染み込んだところは、丼の底に残ったタレの染み込んだごはんを思わせた。最後に味のついていないパンのかけらを残してしまうような事態には到底ならないサンドイッチ。
見るからに鮮やかなハーブは、注文が入ってからオイルとレモン、塩で軽く和えるらしい。他にもちょっと仕上げをする。だから、受け取りに少し待つ。そして本当は、作りたてをその場で食べるのがいちばんおいしい、と言われた。まだ一度も、イートインは叶っていない。できるようになる頃には、新しいメニューが登場しているのだろう。その日を楽しみに......。

『Penny Lane』 
『Penny Lane』  18 rue du Faubourg Poissonnière 75010 ☎️なし 12:00〜14:30 土日休 ベジサンドもめくるめく味の展開で食べこたえ抜群。


文筆家 川村 明子

パリ在住。本誌にて「パリのサンドイッチ調査隊」連載中。サンドイッチ探求はもはやライフワーク。著書に『パリのパン屋さん』(新潮社)、『日曜日は、プーレ・ロティ』(CCCメディアハウス)などがある。Instagramは@mlleakiko

Latest Issue暮らしの中の、大人のスタンダード。2021.09.18 — 880円