INTERIOR 部屋を整えて、心地よく住まうために。

緑の景色とひと続きに感じるバスルーム。フィリックス・コンランとエミリー・スミス、奈良の小さな「森の家」ができるまで。#5June 02, 2026

Bathroom

足を伸ばしてちょうどいいコンパクトな浴槽。座る向きによりL字形窓から違う景色が見えるのも気に入っている。
足を伸ばしてちょうどいいコンパクトな浴槽。座る向きによりL字形窓から違う景色が見えるのも気に入っている。

周囲の自然と一体化する、くつろぎと癒やしの場。

 「イギリス人はシャワーで済ませる人が多いけれど、私たちはお風呂が大好き」とエミリーさんは目を輝かせる。そんな二人が作り上げたのは、周囲の森とひと続きに感じられるようなコーナー窓と緑のタイルの浴室だ。「ピンクの壁とグリーンのタイルは、桜と葉をイメージしたもの。タイルは、高級品やいろいろな国のものもたくさん見ましたが、日本製の手頃なものに落ち着きました」とフィリックスさん。浴槽の蛇口には庭の散水に使われるものを取り入れたのも、気が利いている。踏み台には岩を使い、祖父から受け継いだサイドテーブルに植物を生けるしつらえもまた、ナチュラルな印象を際立たせていた。そしてなんといっても見どころは、シャワーを設置した緩やかな曲線の壁。コンピューターで描いた図面ではなく、曲げた板に沿って壁を作ることで、フィリックスさんの理想とするカーブを作り出した。

 浴槽の向かいには洗面台があり、脇のドアを開ければ裏庭、そして川へ直行。夏は毎日川遊びをするエミリーさんのスタイルを受け止めている。

シャワーを設置した壁は日本の伝統工法とリンクしており、国や時代を超えてアイデアを重ねるこの家の象徴。
シャワーを設置した壁は日本の伝統工法とリンクしており、国や時代を超えてアイデアを重ねるこの家の象徴。
下駄は家を建てた際の端材でフィリックスさんが作ったもの。「見れば構造はすぐに理解できた」というからさすが。
下駄は家を建てた際の端材でフィリックスさんが作ったもの。「見れば構造はすぐに理解できた」というからさすが。
グリーンのタイルで仕上げ一体感を持たせた洗面台。鏡の内側に取り付けた照明は、開き具合で明るさを調整する仕組み。
グリーンのタイルで仕上げ一体感を持たせた洗面台。鏡の内側に取り付けた照明は、開き具合で明るさを調整する仕組み。

Felix Conran/フィリックス・コンラン家具デザイナー

1994年オーストラリア生まれ。 ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ在学中に起業。2018年には父と家具ブランド〈メーカー&サン〉を創業。Instagram@felixconran www.felixconran.com

Emily Smith/エミリー・スミスドキュメンタリープロデューサー

1993年イギリス生まれ。ロンドン大学キングス・カレッジを卒業後、ドキュメンタリー映画の制作に携わる。SNSで東吉野の生活を発信中。Instagram@down2forage 

photo : Haruhi Okuyama text : Mako Yamato cooperation : Kazuki Nakamori (OFFICE CAMP)

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