INTERIOR 部屋を整えて、心地よく住まうために。

天窓から自然光が差し込む、春色に包まれたベッドルーム。フィリックス・コンランとエミリー・スミス、奈良の小さな「森の家」ができるまで。#6June 03, 2026

Bedroom

リビングにあるソファのオットマンが、和の空間に馴染んでいる。正座用の椅子を使ってここで瞑想をすることも。
リビングにあるソファのオットマンが、和の空間に馴染んでいる。正座用の椅子を使ってここで瞑想をすることも。

春の景色を写した、ディテールを愛でる空間。

 意外にも畳に布団というベッドルームは、優しいピンクの壁に鮮やかなグリーンの畳。バスルーム同様に桜が咲く春を思わせる。窓の外には畑から続いていく山の景色が広がり、室内にいながら自然を心ゆくまで感じられる空間となっている。布団に横になり、新たに取り付けた天窓から見る星空は「最高の眺め」と二人は口を揃える。

 吉野杉を使った壁収納は、エアコンを隠したルーバー、クローゼット、小さな引き出しなど役割を分けた収納スペース。畳の組み方をモチーフにデザインされており、6畳が壁に敷いてあるようなデザインだ。フィリックスさんが手がける床の木製タイルのサイズもまた、ちょうど畳1枚の12分の1。畳を基準に考えるデザインからは、日本に馴染みながらも暮らしに新しい息吹を与えたいと考える、フィリックスさんの思いが伝わる。

 バスルームとの境界である曲線を描く壁は珪藻土で塗られ、屋根の三角形へと繋がっていく。そこには独特のシャドウが生まれ、とりわけフィリックスさんのお気に入りのコーナーとなっている。

壁に付けた木のスイッチは枯山水をモチーフに、3Dプリンターを使いデザインしたもの。照明も吉野の木材で。
壁に付けた木のスイッチは枯山水をモチーフに、3Dプリンターを使いデザインしたもの。照明も吉野の木材で。
フィリックスさんによる吉野杉の木製タイルは3cmほどの厚みがあり、経年変化を楽しめるだけの強度があることも特徴。
フィリックスさんによる吉野杉の木製タイルは3cmほどの厚みがあり、経年変化を楽しめるだけの強度があることも特徴。
天窓から差し込む光で刻々と表情を変え、陰影が生まれる曲線の壁と屋根が出合うコーナー。バスルームと壁を共有する。
天窓から差し込む光で刻々と表情を変え、陰影が生まれる曲線の壁と屋根が出合うコーナー。バスルームと壁を共有する。

Felix Conran/フィリックス・コンラン家具デザイナー

1994年オーストラリア生まれ。 ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ在学中に起業。2018年には父と家具ブランド〈メーカー&サン〉を創業。Instagram@felixconran www.felixconran.com

Emily Smith/エミリー・スミスドキュメンタリープロデューサー

1993年イギリス生まれ。ロンドン大学キングス・カレッジを卒業後、ドキュメンタリー映画の制作に携わる。SNSで東吉野の生活を発信中。Instagram@down2forage 

photo : Haruhi Okuyama text : Mako Yamato cooperation : Kazuki Nakamori (OFFICE CAMP)

Pick Up 注目の記事

Latest Issue 最新号

Latest Issuepremium No. 151仕事と生き方。2026.05.20 — 980円