MUSIC 心地よい音楽を。
音楽家 Meadowさんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.4March 22, 2024
March.22 – March.28, 2024
Saturday Morning
ソロプロジェクトMeadow名義で初のアルバムを作ったのが2022年。長年続けているbaobabとしての音楽活動とはまた違った視点で、よりパーソナルな音づくりの断片を形にしました。その作品でも録音やサウンドづくりで大いに関わってくれたギタリストでありエンジニアの田辺玄とは、様々なシーンで制作を重ねていて、2月には昨年から一年かけてつくった共作アルバム「Two Lands」をリリース。楽曲制作・アレンジ・演奏など、互いの得意分野による分業感と未知なる実験的な音づくりでアルバムが構成されています。「Two Lands」に収録されている「green grass」を一曲ご紹介。
緑の草原に風が吹くとき、柔らかな草が凪いで、まるで海原のよう。そこを一隻の船が進む。船の上はとても賑やか。
「夢とは自分だけが観る一本の映画である」。自分のノートの端っこにこんなメモがあったのだけれどどの本に書いていたのだろうか。バラバラな断片的な映像が一つの物語を作る。草原の中で見た夢を、様々な音像で表現した一曲。これからやってくる緑眩しい季節。あたたかな朝に窓の外の風を部屋に取り込みながらぜひ。
アルバム『Two Lands』収録。
緑の草原に風が吹くとき、柔らかな草が凪いで、まるで海原のよう。そこを一隻の船が進む。船の上はとても賑やか。
「夢とは自分だけが観る一本の映画である」。自分のノートの端っこにこんなメモがあったのだけれどどの本に書いていたのだろうか。バラバラな断片的な映像が一つの物語を作る。草原の中で見た夢を、様々な音像で表現した一曲。これからやってくる緑眩しい季節。あたたかな朝に窓の外の風を部屋に取り込みながらぜひ。
アルバム『Two Lands』収録。
Sunday Night
中世・ルネサンスの古楽。イギリスのフォーク。クリスマスに聴くナット・キング・コールのカセットテープ。アジアやアフリカ、中東や東欧のあらゆる国の民族音楽。幼き頃父親に聞かされて「？」だったスティーブ・ライヒやジョン・ケージの音楽。ウィリアム・ギロックのピアノ曲。三波春夫の「会津磐梯山」。ビートルズ。そこから出会っていくポップス、ロック、ヒップホップ、R&B。アシッドフォークやエレクトリックな音。違うジャンルの音楽に一種の共通性を見出すのも好きだった。父親が古楽器の研究復元製作家というマニアックな職種だったゆえに決して豊かな生活ではなかったけれど、幼い頃から様々な音に触れられたことは何にも変え難い贈り物。色々並べ立てたけれど、ふとナット・キング・コールの「Mona Lisa」を聴いてみたら、一気に記憶が原風景へと旅をした。幼い頃住んでいた米軍ハウスのリビング、旅の夜道の車の中。いろんなシーンで聴いた。そして父親のことも思い出している。生きていると色んなことがあるけれど、音のある景色は豊かな記憶となる。自分のルーツに思い巡らせながら世界中の愛ある素晴らしい音楽たちに感謝する夜。
アルバム『Unforgettable』収録。
アルバム『Unforgettable』収録。
音楽家 Meadow
baobab、「カテリーナ古楽器研究所」として活動するmaikaのソロプロジェクト。2021年始動。自身のヴォーカル、ピアノ、フィドルやヴィオラなどを軸に、抽象的かつ、風景の中を漂うような音世界が響く。水の漂いや光のプリズム、風にたなびく草原、自然に身を委ね包まれるような感覚、時にスモーキーさも含んだサウンドが流れる。2021.1st EP「eau」、2022.5 1stアルバム『オーソルフー』リリース。 2022.5.田辺玄、haruka nakamuraをはじめ、あだち麗三郎、松本未來など多様なアーティストをゲストに迎えた1stアルバム『オーソルフー』をリリース。2023.orbeとともに全国 19ヶ所、28公演のリリースツアーを開催。様々な作品、CM、劇判などにも携わる。 最新作、Meadow × Gen Tanabe名義でのコラボレーションアルバム『Two Lands』を 2024.2.17にCDとデジタルにてリリースした。Meadow(メドウ)とは、草原を意味し、またメドウガーデンとは、自然の生態系により近い庭づくりを意味する。家と外の世界を繋ぐような庭。
