Music

音楽家 Meadowさんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.2March 08, 2024

March.08 – March.14, 2024

Saturday Morning

Title.
Ao-Tea-Roa
Artist.
Luar Na Lubre
スペイン・ガリシアからの風を感じながら、土曜の朝を軽快に! 遠くに想いを馳せたり、他の民族や国のことを想像したりすることはとても大事だしその感覚は平和的で宝物だなと思う。音楽はいつだってその感覚を教えてくれる。
「Ao-Tea-Roa」 キラキラと明るい三拍子のリズムが展開する中、笑いながら涙するようなちょっと切ないメロディとハーモニーが混じり合う。
春を感じる瞬間は、風の匂いが変わった時。洗濯物がよく乾きそうな朝の太陽とそんな風の匂いにぴったりな曲だと思う。
アルバム『Plenilunio』収録。

Sunday Night

Title.
Wanderer
Artist.
Caoimhín Ó Raghallaigh & Thomas Bartlett
アイルランドのフィドル奏者マーティン・ヘイズも参加するプロジェクト、The Gloamingの作品が出てから、CDを久しぶりに買い集めた。このプロジェクトのメンバーでもあるケヴィン・オ・ラハヤの弾くフィドルやノルウェーの民族楽器ハーディングフェーレ等その演奏が素晴らしくて、今度は彼の作品をたくさん聴いた。自分たちのライブのSEなどでもよくかけている。
かすれたような、ささやくように弦を擦る音から、力強い重音の響き。清貧な祈りのような響きと共に実験的な音作りからは、様々なあわいや自然界のあらゆる景色の現象的なイメージも感じる。同じくThe Gloamingのメンバーであるトーマス・バートレットのピアノも美しく、二人のサウンドはどちらが主役ともなく、寄せては返す波が重なり合うように心地よく絡み合う。
夜のはじまりを素晴らしい時間にしてくれる一曲。彼らのフィルターを通したトラディショナルもとても素敵。日曜の夜と言わず、一時期は毎晩聴いていたけれど。ずっと長く聴くであろう音たち。
アルバム『Caoimhín Ó Raghallaigh & Thomas Bartlett』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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音楽家 Meadow

baobab、「カテリーナ古楽器研究所」として活動するmaikaのソロプロジェクト。2021年始動。自身のヴォーカル、ピアノ、フィドルやヴィオラなどを軸に、抽象的かつ、風景の中を漂うような音世界が響く。水の漂いや光のプリズム、風にたなびく草原、自然に身を委ね包まれるような感覚、時にスモーキーさも含んだサウンドが流れる。2021.1st EP「eau」、2022.5 1stアルバム『オーソルフー』リリース。 2022.5.田辺玄、haruka nakamuraをはじめ、あだち麗三郎、松本未來など多様なアーティストをゲストに迎えた1stアルバム『オーソルフー』をリリース。2023.orbeとともに全国 19ヶ所、28公演のリリースツアーを開催。様々な作品、CM、劇判などにも携わる。 最新作、Meadow × Gen Tanabe名義でのコラボレーションアルバム『Two Lands』を 2024.2.17にCDとデジタルにてリリースした。Meadow(メドウ)とは、草原を意味し、またメドウガーデンとは、自然の生態系により近い庭づくりを意味する。家と外の世界を繋ぐような庭。

instagram.com/meadow__mw?igsh=m3b3b2psbww1dwsw&utm_source=qr

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