MUSIC 心地よい音楽を。

’70年代の音響機器による、心地よい高音の響き。東京・中野『LOU』。August 24, 2026

カルチャーのあるカフェや喫茶店は、音楽との思いがけない出合いをもたらしてくれるかけがえのない存在です。店のスタッフが選んだ15枚のアルバムリストとともに、東京・中野『LOU』を紹介します。

東京・中野のカフェ『LOU』 | 音響は1970年代製〈Marantz〉のアンプ「Model 250」に、〈DYNACORD〉のプリアンプを組み合わせて使用。
音響は1970年代製〈Marantz〉のアンプ「Model 250」に、〈DYNACORD〉のプリアンプを組み合わせて使用。
東京・中野のカフェ『LOU』の外観 | 心地よいサウンドは、テラス席でも堪能できる。
心地よいサウンドは、テラス席でも堪能できる。

’70年代の音響機器による、心地よい高音の響き。

『PADDLERS COFFEE』の松島大介さんが、自身が生まれ育った中野にある実家を改装し、2021年にオープンさせた『LOU』。「〈POSTALCO〉のマイク・エーブルソンさん、友理さんにデザインを依頼し、2号店を作ることになりました。意見を交換するなか、イメージとしてルー・コートニー『I’m In Need Of Love』のジャケットが挙がってきたんです」。コーヒーマグを手に、NYの黄昏時を眺める。1974年の作品から着想を得て、店内の音響装置をすべて’70年代のものに統一したという。「大型の〈ALTEC〉製モニタースピーカーを入手したのが大きかった。いろいろな音楽をかけてみるなかで、管楽器やギターといった高音域の響きが、店内中に心地よく広がることがわかったんです。ジャズやアフリカンなど、世界中の音楽を楽しんでもらいたくて、毎日レコードを選んでいます」

ルー・コートニー『I’m In Need Of Love』のレコード | すべてはここから始まった、ルー・コートニー『I’m In Need Of Love』。
すべてはここから始まった、ルー・コートニー『I’m In Need Of Love』。
東京・中野の『LOU』のクラムチャウダーとフォカッチャとコーヒー | 寒い時季にはクラムチャウダー(¥1,400)とフォカッチャ(セット価格+¥200)、本日のコーヒー(¥600)。
寒い時季にはクラムチャウダー(¥1,400)とフォカッチャ(セット価格+¥200)、本日のコーヒー(¥600)。
東京・中野の『LOU』のオリジナルグッズ | エーブルソン友理さんがロゴデザインを手がけたオリジナルグッズ。
エーブルソン友理さんがロゴデザインを手がけたオリジナルグッズ。

『ルー』代表、松島大介が選ぶ、店を形づくるレコード15枚。

『3』Mapache

LAを拠点に活動するデュオ。インディーズならではの、不思議なサウンドが耳に残る。「『Big Love Records』おすすめの一枚。カントリーっぽさも、今はいい感じ」

『Stevie At The Beach』Stevie Wonder

天才少年と呼ばれたスティーヴィーが1964年に発表したサマーアルバム。「ザ・ビーチ・ボーイズにホーンセクションが加わたような作品。元気が出ます」

『空洞です』ゆらゆら帝国

「お客さまにお祝いで頂いた貴重な一枚。大切に針を落としています」
過不足のない3ピースのバンド演奏に、美しくも切ないメロディが耳に残って離れない。

『Ethiopian Modern Instrumentals Hits』V.A.

1970年代にフランスで発表されたエチオピア音楽のコンピレーション。「現地の音楽と、西洋のジャズが重なる、心地いい楽曲が集められています」

『Home Again』Michael Kiwanuka

在英ウガンダ移民のシンガー・ソングライターによるデビュー作。「シンプルで優しいメロディと、どこか切ない歌声を、フォークに近い演奏で聴かせてくれる」

『Wildly Idle(Humble Before The Void)』Hand Habits

アンバー・アーケードやワイズ・ブラッドなどの作品に参加する異才。「ギタリストとしてはもちろん、穏やかな声のヴォーカルが大好きです」

『Blush』Maya Hawke

2020年のデビュー作。優しいヴォーカルにピッタリの、ジャジーかつアコースティックな演奏。ノラ・ジョーンズを手がけたジェシー・ハリスがギターで参加している。

『Emahoy Tsege Mariam Gebru』Emahoy Tsege Mariam Gebru

エチオピアの修道女による、独特のピアノソロ。〈Mississippi Records〉が発掘し、世界中の音楽好きが衝撃を受けた一枚。

『Education & Recreation』Surprise Chef

現代のヴィンテージサウンドを数多く発表する〈Big Crown Records〉が誇る、メルボルン出身のファンクバンド。「軽快なピアノのメロディが最高」

『The Best Of』Rolando Alphanso

スカタライツやソウルブラザーズなど、ジャマイカの音楽には欠かせないサックス奏者のベスト。「『LOU』の音響では、レゲエやロックステディもよく鳴ります」

『Vulf Vault 001: Antwaun Stanley』Vulfpeck

エレクトリックな要素を交えながら、リズムを主体にした、いわゆるミニマルファンク。グルーヴィーすぎないギターのカッティングが印象的。

『This Is The Place: American Soul Music 1963-1974』V.A

ミシシッピに拠点を置き、良質ながら、知られざる音楽を発掘する〈Cairo Records〉のコンピ。「乾いた管楽器の音色がかっこいい」

『My Words Laugh Behind The Mask』Shuren The Fire

『My Words Laugh Behind The Mask』Shuren The Fireのレコード
『My Words Laugh Behind The Mask』Shuren The Fire 自らトラックメイクも行うラッパーが、2003年に発表した作品。「アナログ盤のみ収録のインスト盤が、ジャジーかつメロウ。最高です」

自らトラックメイクも行うラッパーが、2003年に発表した作品。「アナログ盤のみ収録のインスト盤が、ジャジーかつメロウ。最高です」

『In Celebration』Lou McGarity

『In Celebration』Lou McGarityのレコード
『In Celebration』Lou McGarity 鮮やかな色のジャケットが印象的なジャズトロンボーン奏者のリーダー作。「開店から間もない時期に、お客さんからプレゼントされた一枚。よく聴いています」

鮮やかな色のジャケットが印象的なジャズトロンボーン奏者のリーダー作。「開店から間もない時期に、お客さんからプレゼントされた一枚。よく聴いています」

『Six Feet Under』V.A.

『Six Feet Under』V.A.のレコード
『Six Feet Under』V.A. ポートランドに拠点を置く〈Mississippi Records〉が、’50年代のヒルビリーミュージックを編集したコンピ。「アメリカのルーツミュージックはお昼過ぎに聴くのがいいですね」

ポートランドに拠点を置く〈Mississippi Records〉が、’50年代のヒルビリーミュージックを編集したコンピ。「アメリカのルーツミュージックはお昼過ぎに聴くのがいいですね」

『LOU』東京・中野

東京・中野のカフェ『LOU』の外観 | 心地よいサウンドは、テラス席でも堪能できる。

東京都中野区中野5‒53‒4 ☎03‒3387‒0888 8:00~18:00 水休 10月から18時以降、同店内はタイ東北部イサーン地方の料理を提供する 『ORANGUTAN(オレンガタン)』に

photo : Ayumi Yamamoto edit & text : Katsumi Watanabe

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