MUSIC 心地よい音楽を。

ギタリスト 笹久保伸さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.4June 26, 2026

June.19– June.25

Saturday Morning

Title.
Odeon
Artist.
Hercules Gomes
 現代ブラジルの名手エルクレス・ゴメスの演奏でブラジル古典音楽の名曲「Odeon」を選曲しました。梅雨の朝に良いかなと思いますが、いかがでしょうか。
 この音楽はショーロ(ブラジルの音楽スタイルの一つ)なのかな、と思ったらブラジルのタンゴだそうです(ショーロと何が違うのだろう……)。アルゼンチンのタンゴとはまた雰囲気が違いますね。軽快だけど哀愁的な旋律が特徴で、即興的で気持ちいいです。
 作曲者はエルネスト・ナザレー、あえてここでは有名な「Odeon」を選曲しましたが無限に名曲があります。演奏しているエルクレス・ゴメスはブラジル古典音楽を完璧に弾くピアニストで、まるで古典音楽の現代版お手本のような演奏をしますが、独自の世界も兼ね備えた素晴らしい奏者です。彼の『Bremen Solo』というアルバムがあり、とても美しいです。
アルバム『Pianismo』収録。

Sunday Night

土曜の朝と日曜の夜の音楽。
Title.
Un Sueño en la Floresta
Artist.
Agustin Barrios
 アグスティン・バリオス(1885〜1944)はパラグアイ出身のクラシックギタリストで作曲家です。
 エイトル・ヴィラ=ロボスのように作曲家としてギター曲を残した人もいれば、バリオスのようにギタープレイヤーとしてギターに特化した作品を残した人もいます。
 南米にはギターの名手がたくさんいて、音楽家ではない一般人のギターレベルが非常に高くて驚かされます。バリオスの作品は世界中のクラシックギタリストたちの大変重要なレパートリーで、南米らしさと西洋的な要素の融合があります。フォルクローレ的(アンデスの民族音楽)な要素とクラシックが混ざったギター音楽の先駆者であり彼自身もギターの名人でした。おそらくクラシックギターの演奏を録音した最初期のギタリストの一人だと思います。
 有名な「大聖堂」や「ワルツ第3番「ワルツ第4番」など名曲は多々ありますが、梅雨の日曜の夜のために「森に夢みる」を選曲しました。トレモロという技巧を駆使した曲で名曲です。今日選んだのはクラシックギターの名手デイヴィッド・ラッセルの演奏です。
アルバム『Music of Barrios』収録。

edit : Seika Yajima


ギタリスト 笹久保伸

笹久保伸
現代音楽とアンデス音楽を演奏するギタリストとして南米やヨーロッパで演奏。2004年〜2008年にペルーでアンデスの村々を周りながら現地の音楽を学び、帰国後は自身のルーツにフォーカスした活動を展開。2026年現在までに8ミリフィルム映画4作品と写真集3冊と45枚のアルバムをレコード、CD、カセットでリリースしている。

x.com/shinsasakubo

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