TRAVEL あの町で。
香り高い麺を気軽に。長く愛されてきた味を受け継ぐ人気店へ。August 11, 2026
2026年8月5日発売の別冊MOOK「&Taipei/台湾、街歩きガイド」より、作家・洪 愛珠(ホン・アイズー)さんが教えてくれた、並んででも食べたい麺料理を味わえる3軒を紹介します。

林家乾麵 リンチアガンミエン/中正紀念堂
中国・福建省から渡ってきた初代が、地元の味を輸入する形で約60年前にオープン。麺は福州乾麺の一種のみで、小、中、大のサイズから選ぶことができる。「真っ白な麺に細かく刻まれたネギがのっただけのシンプルな見た目ですが、碗の底のラードと醤油などを混ぜた特製ダレが細麺とよく絡んでクセになる味わいに」と、洪さん。
▷台北市中正區泉州街11號 ☎02‒2339‒7387 6:00~14:00 16:30~19:30 土日と7、8月は昼営業のみ 月休 麺の硬さはリクエスト可。
賣麵炎仔 マイミエンイエンツァイ/大橋頭
美食の街として知られる大稲埕(ダーダオツェン)エリアで、80年以上続く名店。もやしとニラが入った昔ながらの切仔麺を汁なし、汁ありの2種から選べる。汁ありのスープは、新鮮な豚肉や鶏肉からだしを取ったやさしい味。「小ぶりなサイズで軽食にもいい。副菜に茹でた豚のレバーやハツを選んで注文するのが定番。ここのホルモンは毎朝仕入れて冷凍せずに調理するから、軟らかくて臭みもないんです」
▷台北市大同區安西街106號 ☎02‒2557‒7087 7:00~14:30 無休
史大華 和平店 スーダーホワ フーピンディエン/六張犁
麺のバリエーションの多さに定評がある人気店。牛肉麺は3種のスープから選べて、辛口の麻辣(マーラー)、中辛の紅焼(ホンシャオ)、優しい味の清燉(チントゥン)が揃う。麺は煮崩れしにくい独自のレシピの細麺を使用。「牛肉麺以外にも、花椒(ホワチアオ)が効いた鶏肉の和え麺や、手作りのキャベツの漬物を使った四川(スーツワンパオツァイロウモーガンミエン)泡莱肉末乾麵もさっぱりとしておすすめですよ」
▷台北市大安區和平東路三段67巷4號 ☎02‒8732‒8168 11:30~15:00 17:00~21:00 土日休 徒歩約8分の距離に安和店もある。
ローカルに根付く多様な麺文化に出合う。
「朝と昼の間にさっと小腹を満たしたり。部屋着のまま路地裏の屋台で味わったり。台湾の人にとって麺料理は生活に根付いたもの」
そう語るのは、台湾の食文化にまつわるエッセイなどを手がける作家の洪愛珠さん。
「台湾で親しまれている麺料理は2種に分けられて、台湾で生まれたものと、約80年前に中国から渡ってきた外省人が持ち込んで発展したものがあります。中国・福建省由来の福州乾麺(フーチョウガンミエン)が楽しめる『林家乾麵』は、ラードベースの和え麺に黒酢や辣ラーチアオチアン椒醬をお好みでかけ食べるのが特徴。素朴ながらも麺がもちもちとした食感で、定期的に恋しくなる味です」
洪さんの地元近くの新北市蘆洲區(ルーチョウチュィ)で生まれた切仔麺(チエツァイミエン)を台北で味わうなら『賣麵炎仔』。
「新鮮な台湾産の黒豚を使っています。豚肉や鶏肉、豚の内臓などを一緒に煮込んだスープはコクがありながらもスッキリとした後味、朝から食べやすいですよ」
そして、外省人が台湾で発明し、今では国民食としてポピュラーな存在になっている牛肉麺(ニョウロウミエン)を食べるなら、『史大華』がおすすめ。
「ここはラー油も手作りで、仕込みの丁寧さがうかがえます。辛さの異なる牛肉麺のスープが3種もあり、どれもおいしく仕上げる店は珍しいんですよ。ぜひ食べ比べてみて、自分好みの味を探してみてほしいですね」

洪 愛珠(ホン・アイズー)作家
新北市出身。ロンドン芸術大学卒業。グラフィックデザイナーとしてキャリアを築きながら、2021年に書き始めた食にまつわるWebコラムが編集者の目に留まり、『老派少女購物路線』で作家としてデビュー。日本でも翻訳版として『オールド台湾食卓記』(筑摩書房)が刊行されている。
photo : Yoshiko Watanabe coordination : Mari Katakura














































