FOOD 食の楽しみ。

ピンクに輝く塩田で誕生!「カマルグの塩」の秘密を探る、南フランスの旅へ。August 31, 2026 /〔PR〕

カマルグ地方 塩田 ©︎Ville d'Aigues-Mortes 
©︎Ville d'Aigues-Mortes 

まろやかな旨味が特徴で、世界中で愛される名品「カマルグの塩」は、南フランスのカマルグの塩田が源。その歴史は古く、塩の採取は古代ローマ時代にさかのぼるほど。なかでも最高峰とされるフルール・ド・セル(塩の花)は、今も伝統的な収穫法を守り、手作業で作られている。今回は、19世紀創業の〈サラン〉が所有するカマルグの塩田を訪ね、その魅力を体験した。

カマルグの塩 フルール・ド・セル「ル・ソニエ・ド・カマルグ」。
こちらがカマルグの塩、フルール・ド・セル「ル・ソニエ・ド・カマルグ」。

中世の面影を残す城壁の街、エーグ=モルトを歩く。

南仏・モンペリエから車で約40分。ローヌ川河口の三角州、カマルグ湿原の潟湖(せきこ)に面するエーグ=モルトは、かつて港町として栄えた街。エーグ=モルトは、地名の由来(Aigues-Mortes=死んだ水・よどんだ水)でもある広大な湿地帯と塩田に囲まれていたため、戦争による破壊を免れ、13世紀に作られた旧市街を囲む城壁は、現在も完成当時の姿をとどめたまま。
こぢんまりとした街には、城壁に組み込まれたコンスタンス塔、中心部のサン・ルイ広場、13世紀に建てられたノートルダム・デ・サブロン教会など、見どころも多い。かわいらしい雑貨店や心地よいテラス席のあるレストランが軒を連ね、歩くだけでも心が弾む。

中世の城壁に守られたエグ・モルトの旧市街。港町として栄えたこの場所には、散策したくなる穏やかな空気が今も息づいている。
中世の城壁に守られたエグ・モルトの旧市街。港町として栄えたこの場所には、散策したくなる穏やかな空気が今も息づいている。
整然と区画された旧市街の中心にあるサン・ルイ広場。街の建設を命じたフランス王ルイ9世の像が立ち、カフェや店が並ぶ憩いの場として親しまれている。
整然と区画された旧市街の中心にあるサン・ルイ広場。街の建設を命じたフランス王ルイ9世の像が立ち、カフェや店が並ぶ憩いの場として親しまれている。

塩職人のノウハウと伝統を後世に受け継ぐ。

海水表面に現れる結晶のみを丁寧に収穫するフルール・ド・セル(フランス語で塩の花の意)は、最高峰の逸品。特にカマルグ産は、2024年にEUよりPGI(地理的表示保護)の認定を獲得し、風土と伝統技術の価値が厳格な基準のもとで正式に保護されている。

「水分が蒸発していくことで、塩分が結晶化し、輝くようなフルール・ド・セルが出来上がります。収穫は7~8月に手作業で行います」とソニエ(塩職人)のアラン・バルテロさん。
「水分が蒸発していくことで、塩分が結晶化し、輝くようなフルール・ド・セルが出来上がります。収穫は7~8月に手作業で行います」とソニエ(塩職人)のアラン・バルテロさん。
カマルグ塩田で採取されたフルール・ド・セル。
カマルグ塩田で採取されたフルール・ド・セル。

カマルグの塩はソニエと呼ばれる塩職人たちが受け継いできた技により作られている。毎年4月から行われる塩づくりは、地中海に直接つながっている水路で海水を塩田に引き込むことからスタート。海水を異なる池から循環させ、濃度を増していく。塩田ごとの濃度を測り、調整していくのもソニエの技のひとつだ。

年間の収穫量は800トン。シャベルを手に収穫する工程は、かなりの重労働のため、収穫作業は涼しい朝6時から昼頃までに限られる。たっぷりと塩が載ったシャベルを持ってみると、かなり重く、持ち上げるのがやっと。これを6週間、毎日続けることで、ようやくフルール・ド・セルが採取される。

40年以上のキャリアを持つソニエ(塩職人)のリュック・ヴェルヌさん。「塩づくりは決して簡単ではありませんが、大変だと思ったことはありません。広大な自然の静けさの中、鳥のさえずりを聞きながら働く。最高の仕事です」
40年以上のキャリアを持つソニエ(塩職人)のリュック・ヴェルヌさん。「塩づくりは決して簡単ではありませんが、大変だと思ったことはありません。広大な自然の静けさの中、鳥のさえずりを聞きながら働く。最高の仕事です」
夕方になると、塩の山の向こうに沈む太陽が塩田の水面に映り込み、幻想的な風景が広がる。まるで砂丘のように見える山は、すべて地中海の海水から作られた粗塩でできており、ラクダのコブのように見えることから、現地では「キャメル」と呼ばれる。
夕方になると、塩の山の向こうに沈む太陽が塩田の水面に映り込み、幻想的な風景が広がる。まるで砂丘のように見える山は、すべて地中海の海水から作られた粗塩でできており、ラクダのコブのように見えることから、現地では「キャメル」と呼ばれる。

塩田内の塩分濃度が高まると、微細藻類「ドゥナリエラ・サリナ」の繁殖が促され、塩田を特徴づける、美しいピンク色に変わる。収穫直後のフルール・ド・セルは、海水と同じくややピンクがかっているが、10か月かけて水抜きし、乾燥させることで、純白に近い白になるそうだ。

素材の味を引き立てる、「カマルグの塩」を最後の仕上げに!

大粒の結晶に、しっとりとした湿度を纏うカマルグの塩、フルール・ド・セル。口に含むと一粒ずつゆるやかに溶け出し、まろやかな塩味が舌の上で心地よく広がる。カリッとした繊細な食感に続いて訪れるのは、ミネラルたっぷりの奥深い旨味だ。ひとふりするだけで、いつもの料理がぐっと洗練された味わいに変化する。
素材を引き立てる使い方は、最後の仕上げにパラリとあしらうこと。結晶の形がそのまま残り、料理の表面を美しく照らしてくれる。本場・カマルグ地方では、地産の雄牛フィレ肉のステーキの仕上げや、伝統の羊乳チーズ「トリダン」にオリーブオイルと合わせて味わうスタイルなどが親しまれている。

白身魚のセビーチェ ライムとルバーブのマリネ、フルール・ド・セル添え。あっさりした魚と酸味のあるソースに、フルール・ド・セルのミネラル感がアクセントを添える。
白身魚のセビーチェ ライムとルバーブのマリネ、フルール・ド・セル添え。あっさりした魚と酸味のあるソースに、フルール・ド・セルのミネラル感がアクセントを添える。
カマルグ地方の羊乳のフレッシュチーズ、トリダン。モッツァレラに似た食感と爽やかな酸味のあるチーズを、地元ではオリーブオイルとフルール・ド・セルをかけていただく。
カマルグ地方の羊乳のフレッシュチーズ、トリダン。モッツァレラに似た食感と爽やかな酸味のあるチーズを、地元ではオリーブオイルとフルール・ド・セルをかけていただく。

爽やかなフェンネルのサラダもおすすめ。薄切りにしたフェンネルの株に、塩、オリーブオイル、レモン果汁、クミンを和えて30分冷蔵庫に入れ、馴染ませ、仕上げに追い塩をひとふりすれば、完成。豊かな自然で育まれる、カマルグの塩。日本なら〈ディーン アンド デルーカ〉の店舗やオンラインストアなどで購入することができる。この夏の料理の仕上げに、ぜひ試してみては。

Informationカマルグの塩 フルール・ド・セル「ル・ソニエ・ド・カマルグ」

カマルグの塩 フルール・ド・セル「ル・ソニエ・ド・カマルグ」

独特の歯ごたえと風味を持つ、少し湿った結晶が特徴。舌の上でゆっくりと溶けて、料理の味をやさしく引き立てる。香りの良いプロバンスハーブ入りもあり、魚や肉のグリルにぴったり。各125g ¥1,550 *編集部調べ

text : Miyuki Kido

⚫︎問合せ/アルカン

Pick Up 注目の記事

Latest Issue 最新号

Latest Issuepremium No. 154わたしの部屋ができるまで。2026.08.20 — 980円