LIFESTYLE ベターライフな暮らしのこと。
伝統サウナ「ピルティス」で心身を浄化。心が整う、リトアニアのウェルネスな暮らし#1September 22, 2026
ヨーロッパの東、バルト海沿岸に位置するリトアニア。北海道の8割ほどの面積に約3000もの湖が点在し、「森と湖の国」として知られている。街で出会う人々も穏やかで、心身ともに健やかな暮らしぶりが窺える。今回、編集部がリトアニアに訪れた目的は、ウェルネスについて学ぶこと。古来より自然療法を大切にし、今でも心身を整える伝統的なスタイルがあるという。
"生まれ変わりの儀式"とも言われる「ピルティス」を体験。
そのひとつは、伝統サウナ「ピルティス」。普通のサウナとは違い、心身と魂を浄化する”生まれ変わりの儀式“として浸透している。リトアニアの人々は、サウナがある小さな小屋を借り、そこにプロのサウナ師を呼んで、半日から1日かけて、トリートメントを受ける。いわば、ケータリングサウナ!? のような形態。友人や家族、また大切なお客さんが来る時におもてなしとして、サウナに入りながら、ゆったりとした1日を過ごすそう。
まずは、60〜70℃くらいに設定されたサウナ室へ。熱くなったストーンにビルテさんがハーブの香りを含ませた水をかけて最初の蒸気が上がると、天井に手のひらを向けて全員で挨拶をする。そして、柄杓に入った水に指をつけて、自分の願いごとを口にして祈る。なんだかおまじないの儀式に参加しているよう。みんなの願いごとを楽しく聞いた後は、今朝、森で摘んできたばかりだというフレッシュな白樺やミント、柏の葉などを束ねたブーケ・ウィスクをはたくことによってサウナ室全体が香りのいい蒸気に包まれると、まさに身を清められている感覚。
最初は同行者と一緒に複数人で入るので、種類が違う植物の葉をまとめたウィスクが順番に回ってくる。香りがそれぞれ違う葉に顔をうずめたり、自分の体や頭をパタパタと叩いたりすることで、まるで森林浴をしているような気分に。呼吸もどんどん深くなっていき、体が軽くなっていく。最後にハーブのエッセンシャルオイルを調合した水で顔を洗って、一旦、休憩に。小屋の外に出て、体をクールダウンさせるので、サウナの水風呂が苦手な人でも安心。
エステであり、ヒーリング効果も!? 自然と繋がる、唯一無二のサウナ文化。
休憩が終わると、今度は個人でのトリートメントが始まる。体験者の誰もが「新巻鮭になったような気分」と話すアロマオイルや果実を混ぜた塩スクラブや、ウィスクで体を叩いたり撫でたりして全身の血行を促すウィスキングを受ける。ハチミツや琥珀のパウダーなどを使うこともあるという。
終わった後、芝生で大の字になって涼んでいると、隣にいたビルテさんが「大地とつながっている感覚がしない?」と聞いてきた。そう言われてみれば、「土に寝転ぶのは何年ぶりだろう?」と思いながら、雨上がりの少し冷んやりした芝生に身を委ね、心の底からリフレッシュ。普段、自然に触れることが少ない都会暮らしで曇ってしまった魂が浄化され、童心に戻ったような感覚があった。エステでもマッサージでもない、かといってヒーリング的なスピリチュアル感が強いわけでもない、不思議な体験。あくまでも、自然の力を全身で感じ、自分の心と向き合う時間を持つためのサウナなのだ。これまでサウナが苦手と思っていたけれど、「ピルティス」なら、この先、何度でも受けたい。友人たちとおやつを食べておしゃべりしながら、サウナ小屋にこもってみたい。リトアニアの人たちが健やかでチャーミングな秘密は、自然と繋がる時間を大切にしているからなのだろうと確信した。



















































