ねこと暮らす
ねこが、飼い主を選ぶ。エッセイスト・仁平綾のねことの暮らし#1November 01, 2026
よく「ねこが、飼い主を選ぶ」という。まったくそのとおりだと思う。
1回目はニューヨークで暮らしていたとき。友人夫婦から「飼い猫をゆずりたい」との相談を受け、夫と一緒に会いに行った。
メスのハチワレ猫は椅子の上に固く丸まって座り、ぶぜんとした表情。「こ、こわっ」が第一印象だった。友人夫婦とワインを飲み、ねこを見に来たことなど忘れかけていたときである。ねこが椅子から降りて、するり、そろり、尻尾を立ててこちらへ歩いてきた。お、心をやっと開いたか、とみなで笑いあった刹那、私と夫が座るソファに飛び乗り、夫の体に温かな横腹をぴたっと密着させて座ったのだ。えっ!? 一同唖然。「普段こんなことをするねこではない」と友人夫婦。夫は「か、かわいい…」と声をうわずらせ、あっさり術中にはまり、かくしてハチワレ猫のミチコは我が家の飼い猫になった。
2回目は京都に移住して、ミチコが天国へ旅立って少し経ってから。現在の飼い猫、エリザベス(通称ベスコ)と出合った保護猫の譲渡会である。
エッセイスト 仁平 綾

東京からNYに移住。9年間暮らした後、京都へ。著書に『京都はこわくない』(大和書房)ほか。2026年8月にカフェ&グローサリー『ROBYN』をオープン。








































