FOOD 食の楽しみ。

本気のグラタンを作る。長尾智子さんのレシピで、湯気まで味わうごちそうに。October 11, 2026

生き方、住まいへのこだわり、もの選び、食のこと、装い、日々の習慣……。これまでさまざまな角度から掘り下げて特集してきたBetter Lifeを叶えるためのアイデアを一冊にまとめた2026年6月8日発売の別冊ムック「&Lifestyle /Better Life Guide 毎日を心地よくするヒント」から、料理家・長尾智子さんに教えてもらった「本気のグラタンを作る」を紹介します。

本気のグラタンを作る。ソースも具もひと手間かけて。 湯気まで味わう、ごちそう。この日の気分は「フランスの古い料理本に載っていた、ムラのある素朴な焼き上がり」。パン粉の香ばしさがたまらない。
この日の気分は「フランスの古い料理本に載っていた、ムラのある素朴な焼き上がり」。パン粉の香ばしさがたまらない。

ソースと焦げ目を堪能。大きく焼いて食卓の主役に。

 香ばしく焼けた表面に、ざくりとスプーンを立てる。そっとすくい上げた具から立ち上る湯気の香気に、思わず頬がほころぶ。オーブン料理の定番といえばグラタン。そしてそれは、とろりと優しいソースを味わう料理なのだと、あらためて知った。

「ベシャメルソースは小麦粉、バター、牛乳の比率が1対1対10が基本とされますが、今回は牛乳を増やして扱いやすいソースにしました。バターもほんの少し足すと、より風味が増します」

 具にしたハムとアンディーブは、長尾智子さんがベルギーで出合った取り合わせ。生で食べるイメージが強いアンディーブだが、丸ごと茹でてハムで巻き、グラタンにするのが定番らしい。食べやすい大きさに切り、食感の柔らかなじゃがいもの薄切りを合わせてこんがりと。パンと簡単なサラダを添えるだけで、献立が完成する。

「アンディーブの代わりに白菜、冬野菜ならカリフラワーやかぶもおいしい。カリフラワーは茹でて細かくしてもいいし、生のままスライスしてソースと合わせ、薄く平らなグラタンに仕立てるのも雰囲気がいいと思います」

 大きめに焼けばボリューム感のある主菜に。焦げ目もおいしさのうちなので、焼き上がりまで目を配ろう。テーブルに出せばきっと歓声が上がるはず。

かける手間もおいしさのもと。

本気のグラタンを作る。ソースも具もひと手間かけて。 湯気まで味わう、ごちそう。まずは小麦粉を炒める。少し弱めの中火で沸騰させながら混ぜると艶のあるソースになる。焦げないように手は休めずに。 | まずは小麦粉を炒める。少し弱めの中火で沸騰させながら混ぜると艶のあるソースになる。焦げないように手は休めずに。
まずは小麦粉を炒める。少し弱めの中火で沸騰させながら混ぜると艶のあるソースになる。焦げないように手は休めずに。
本気のグラタンを作る。ソースも具もひと手間かけて。 湯気まで味わう、ごちそう。炒め終わりは、全体がなじんでとろりとしてきた頃。火の通し方が足りないと粉っぽさが残るので、なめらかに仕上げる。 | 炒め終わりは、全体がなじんでとろりとしてきた頃。火の通し方が足りないと粉っぽさが残るので、なめらかに仕上げる。
炒め終わりは、全体がなじんでとろりとしてきた頃。火の通し方が足りないと粉っぽさが残るので、なめらかに仕上げる。
本気のグラタンを作る。ソースも具もひと手間かけて。 湯気まで味わう、ごちそう。鍋を火から外し、牛乳を2回に分けて注いだら、泡立て器で軽く混ぜ、弱めの中火にかけて木ベラで混ぜながら煮詰める。 | 鍋を火から外し、牛乳を2回に分けて注いだら、泡立て器で軽く混ぜ、弱めの中火にかけて木ベラで混ぜながら煮詰める。
鍋を火から外し、牛乳を2回に分けて注いだら、泡立て器で軽く混ぜ、弱めの中火にかけて木ベラで混ぜながら煮詰める。
本気のグラタンを作る。ソースも具もひと手間かけて。 湯気まで味わう、ごちそう。ほんのり効かせたいにんにくは2等分して加える。ナツメグはたっぷりと。実をすりおろすと、さらに香りが高く効果的。 | ほんのり効かせたいにんにくは2等分して加える。ナツメグはたっぷりと。実をすりおろすと、さらに香りが高く効果的。
ほんのり効かせたいにんにくは2等分して加える。ナツメグはたっぷりと。実をすりおろすと、さらに香りが高く効果的。
本気のグラタンを作る。ソースも具もひと手間かけて。 湯気まで味わう、ごちそう。ベシャメルソースは冷めると表面に膜が張るので、出来上がったら蓋をしておくと、膜ができにくくなる。 | ベシャメルソースは冷めると表面に膜が張るので、出来上がったら蓋をしておくと、膜ができにくくなる。
ベシャメルソースは冷めると表面に膜が張るので、出来上がったら蓋をしておくと、膜ができにくくなる。
本気のグラタンを作る。ソースも具もひと手間かけて。 湯気まで味わう、ごちそう。アンディーブは火を通すと緑色が退色するが、食感が柔らかくなりソースともよりなじみやすいので、軽く塩茹でする。 | アンディーブは火を通すと緑色が退色するが、食感が柔らかくなりソースともよりなじみやすいので、軽く塩茹でする。
アンディーブは火を通すと緑色が退色するが、食感が柔らかくなりソースともよりなじみやすいので、軽く塩茹でする。
本気のグラタンを作る。ソースも具もひと手間かけて。 湯気まで味わう、ごちそう。底にベシャメルソースを敷いておくと具が器にくっつきにくい。具にも先にソースを混ぜれば、さらにふんわりなじむ。 | 底にベシャメルソースを敷いておくと具が器にくっつきにくい。具にも先にソースを混ぜれば、さらにふんわりなじむ。
底にベシャメルソースを敷いておくと具が器にくっつきにくい。具にも先にソースを混ぜれば、さらにふんわりなじむ。
本気のグラタンを作る。ソースも具もひと手間かけて。 湯気まで味わう、ごちそう。塩気のアクセントにもなるハムは、ボンレスより適度に脂のあるロースを。広げずに折り畳んで散らし、食感を楽しむ。 | 塩気のアクセントにもなるハムは、ボンレスより適度に脂のあるロースを。広げずに折り畳んで散らし、食感を楽しむ。
塩気のアクセントにもなるハムは、ボンレスより適度に脂のあるロースを。広げずに折り畳んで散らし、食感を楽しむ。
本気のグラタンを作る。ソースも具もひと手間かけて。 湯気まで味わう、ごちそう。野菜とソースが主役なので、チーズの役割は風味づけ。すりおろしたパルミジャーノか粉チーズを薄くふりかける程度に。 | 野菜とソースが主役なので、チーズの役割は風味づけ。すりおろしたパルミジャーノか粉チーズを薄くふりかける程度に。
野菜とソースが主役なので、チーズの役割は風味づけ。すりおろしたパルミジャーノか粉チーズを薄くふりかける程度に。

「アンディーブとハムのグラタン」

ベシャメルソースは必要な量の2倍程度作って冷蔵しておくと、クリームや牛乳、だしなどでのばしてパスタソースに、シチューやスープに、クロックムッシュやマダムにと活躍必至。涼しい季節でも10日から2週間ほどで使い切ること。


    〈材料〉4人分

    アンディーブ… 2本 
    ロースハム…100g 
    じゃがいも…中2個 
    ナチュラルチーズ…40g 
    塩…少々 
    パン粉…大さじ2程度 

    [ベシャメルソース]
    A 薄力粉…30g 
    無塩バター…30g 
    牛乳…500㎖ 
    塩…少々 
    にんにく… 1かけ 
    ナツメグ(固形または粉末)…適量

    〈作り方〉
    1.Aでベシャメルソースを作る。鍋にバターを入れて弱火で溶かしたら、ふるっておいた薄力粉を加え、木べらで焦がさないように混ぜながらなめらかなソース状になるまで炒める。

    2.1の鍋を火からおろし、牛乳を注いで泡立て器で混ぜ合わせる。2等分したにんにくを入れて、再び中火にかけ、塩とナツメグを加えたら、絶えず混ぜながら煮詰めていく。鍋をこそげると筋が残るくらいにとろりとしてきたら火を止め、にんにくを取り除く。

    3.具も用意する。アンディーブは横に4~5等分し、芯に近いところは薄い輪切りにする。ハムは2㎝幅に切り、じゃがいもは皮をむいて2等分、端から3~4㎜の薄切りにして軽く水にさらす。

    4.鍋に湯を沸かし、まずじゃがいもを3分ほど茹で、ざるにあげて水気をきる。続いて同じ湯に塩を加え、アンディーブを湯通しする程度にさっと茹でて水気をきる。

    5.4のじゃがいもとアンディーブをボウルに入れ、ベシャメルソースの1/3量を加えてなじませる。オーブンを200℃に温める。

    6.耐熱容器にレードル2杯分ほどのベシャメルソースを敷き、5をのせてから上にハムを散らしてのせる。その上にチーズを散らしたら、残りのソースを全体にかけて具を覆う。

    7.パン粉を保存袋などに入れ、麺棒を押し付けるように転がして細かくし、6の上にふりかけてオーブンに入れる。

    8.グラタン皿の縁のソースがフツフツと沸き、表面に濃いめの焼き色がつくまで25~30分ほど焼く。

長尾智子 Tomoko Nagao料理家

素材と調理法への深い洞察をもって、季節ごとにさまざまなメニューを考案。著書に『料理の時間』(朝日新聞出版)、『ティーとアペロ』(柴田書店)などがある。また、スープや煮込み料理のある食卓を楽しむための、食器や調理器具などを取り扱うオンラインストア『SOUPs around the table』も主宰。

photo : Mie Morimoto text : Michiko Otani edit : Wakako Miyake

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