ねこと暮らす
小豆を食べるねこ。校正者・牟田都子のねことの暮らし #1August 02, 2026
小豆を食べるねこのいることは、幸田文の随筆で知った。「猫舌にあつい小豆はいけなかろうと、吹いてさましてやっていたら、彼女待ちきれず、私の持ったお椀の中へ両手を突込んでおさえこみ、そのまま食べはじめたのはあっぱれでした」(『幸田文全集 第二十一巻』岩波書店)。
10年以上前に保護団体からやってきたみたらしは、トライアル初日から人間にくっついてごろごろ言い、名前を呼べば返事をし、ボールを投げるとくわえて持ってくる。幸田文の表現を借りれば「上の部」のねこだ。エアコンをつけた部屋のドアを勝手に開けて行き来するのは、ちょっと困るけれど。
このみたらしが、じゃがいもやさつまいもをふかしていると飛んでくる。ぽくぽくした味が好みならもしやと、煮た小豆を小皿に取り分けてやったら、ぺろりとたいらげた。
幸田家の小豆好きのねこは「あんこ屋さんの飼っていたのを貰った」という。みたらしが保護される以前にどんな家で飼われていて、どのような事情で手放されたのかは、知るすべもない。せめてわが家では、好きなものを好きなだけ食べて過ごしてほしい。

牟田都子校正者
1977年、東京都生まれ。みたらし(茶白♂・推定13歳)、ユキチ(白♂・推定11歳)、文(キジトラ♀・0歳)と暮らす。著書に『文にあたる』『校正・校閲11の現場』、編著書に『贈り物の本』など。
photo : Hikita Chisato
校正者 牟田都子

1977年、東京都生まれ。みたらし(茶白♂・推定13歳)、ユキチ(白♂・推定11歳)、文(キジトラ♀・0歳)と暮らす。著書に『文にあたる』『校正・校閲11の現場』、編著書に『贈り物の本』など。







































