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選・文 / 本屋・生活綴方 / March 18, 2021 本屋が届けるベターライフブックス。『YANA』(GLiNG)

This Month Theme心の支えとなる言葉に出合える本。

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ジャグリング、という聞き慣れない分野の雑誌を偶然目にしたとき、知らないことは世の中にまだたくさんあり、旅に出ずとも世界と私の接点はいくらでもある、とその広さに思いを巡らした。ジャグリングの哲学や身体表現は、生活に役に立つものではないが、なにか物を考え、解き明かすための「とても大事なこと」が詰まっている。
一つの視点からだけでモノを見ず、身体を動かし常にアイデアを見つけ、自分の中へと深く探求することを恐れない。
ジャグラーから見てもこの雑誌『YANA』は新しいプラットフォームなのだそうだ。けれど雑誌を開けばその扉は皆に開かれていることが分かる。
You Are Not Alone.


選・文 / 本屋・生活綴方 / March 11, 2021 本屋が届けるベターライフブックス。『病と障害と、傍らにあった本』(里山社)

This Month Theme心の支えとなる言葉に出合える本。

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病名や障害の名前ではひとくくりにできない。心身のつらさのみならず、誰とも分かち合えない思いは、孤独という病をも引き起こしかねない。
孤独に陥りそうになったとき、外の世界と自分の内側をつなぐ「窓」となる本はあったのか。この本は病との向き合い方をただ書いた、というものではない。病がいまも進行して、毎秒闘っている方も居ることを念頭に置きつつ、ただ生きていることがこんなにも強くてすばらしいのだということを、心にずっしり感じられる。


選・文 / 本屋・生活綴方 / March 04, 2021 本屋が届けるベターライフブックス。『山びこ学校』無着成恭 編(岩波書店)

This Month Theme心の支えとなる言葉に出合える本。

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昭和23年、山形の寒村に赴任した新任教師が世に問うた、作文集「山びこ学校」。生活綴方とは、子どもが自分自身の生活の中で見て、聞いて、感じたことを自身の言葉で文章に表現することを言う。戦争直後のほんものの貧しさ、貧しくて人が死んでいくさまや、子どもが食べるのに困る様子は読むのに苦しい。しかし書いた綴方を出発点とし、「なんでも、なぜ? と考える人になろう」「いつでも、もっといい方法がないか、探そう」という理念と新しい共同性を獲得した事実は、今の暮らしに置き換えても、とても明るい支えになると思う。書くことで考え、観察し、気づくということは、私たちにも始められそうだ。


選・文 / 本屋・生活綴方 / February 25, 2021 本屋が届けるベターライフブックス。『読むことの風』アサノタカオ(サウダージ・ブックス)

This Month Theme心の支えとなる言葉に出合える本。

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著者がふと思い出したかのように、読んだ本やまつわる思い出、そのとき読んだ詩を挟んだ随筆集。心地よく読み進める先に「本を読むことが苦しみ」となった過去が語られる。身を切るような辛い別れがあり、生き方に挫折し、ひとつの文字も拾うことのできなかった日々があったと知る。そして本から遠く離れて、ようやく取り戻した読書の時間。
「わたしたちが読んでいる言葉は全て『固有の時間を生きるだれかのひとりのことば』だ。ひとりきりのさびしさを味わうことが読書でもある。そのさびしさと引き換えに、未知の世界へ繋がる喜びを得ているのだ」という部分は、改めて読書の役割について力付けられた気がした。


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東急東横線、妙蓮寺駅徒歩2分にある本屋とリソグラフのスタジオ。まちの本屋「石堂書店」の姉妹店として、詩歌やエッセイ、社会評論やノンフィクションを中心に品揃えをしている。店内では不定期で個展やトークイベントの開催も。
住所:神奈川県横浜市港北区菊名1−7−8
営業時間:12:00〜18:00(金土日月火)

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