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本とつまみ。『イスラム飲酒紀行』から着想を得た、シュクシャカ。写真と文:桑原亮子 (料理家) #3June 22, 2026

みなさんは、給食を食べながら本に夢中になって、牛乳を本に倒してしまったことはあるだろうか? ちなみに私は何度もある。そのたびに担任の先生から怒られた。

漫画も大好きで、『なかよし』や『りぼん』、『週刊少年ジャンプ』の発売日が待ち遠しくてしょうがなかったし、お小遣いをはたいてお気に入りの漫画雑誌を買うことも楽しみのひとつだった。ちなみに漫画雑誌を組み立てて作る、漫画ベッド(ちびまる子ちゃんが作っていた、重ねた漫画に布団を被せたもの)に挑戦したのもこのころだったな。

年を重ねた今、片手に携えているのは牛乳からお酒に変わったけど、積み上がっている未読の本のページをめくるのが唯一の趣味と言ってもいいかもしれない。 好きな作家さんは何人もいるのだが、特に料理教室や友人に勧めているのが、高野秀行さんという方の作品だ。

高野さんはデビュー以来、世界の辺境を舞台に執筆活動を続けている。 誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書くのがモットーのようだ。アフリカに納豆を探しに行った本もあった。

最近、『イスラム飲酒紀行』(講談社)という本を読んだ。 この本は酒をこよなく愛する高野さんが、イラン、アフガニスタン、シリア、ソマリランド、パキスタンなどいわゆる、「酒が禁じられているイスラム圏」を旅しながら、そこで見た飲酒事情や飲酒文化、酒から見える風景など描いたルポタージュである。

この本、そもそものテーマにたくさんの矛盾を抱えている。 酒が好きならば、酒を飲むことが禁じられていない国に行けばいいのに、わざわざ禁酒国家に行って、たらふく酒を飲もうなんて普通の人間が考えることではない。

ただ、禁酒国家の飲酒事情から透けて見える世界もある。その多方面からの視点の鋭さに「へえ~」って関心をさせられながらも、各国で出会う愛すべき酒飲みたちとのコミュニケーションがとても生々しく、大笑いしながら思わず酒が進んでしまう一冊。 ちなみに私は、「酔っ払い砂漠のオアシス」という章がお気に入りです。

何だかこの本を読んでいると、中東っぽいおつまみが食べたくなって 、「シャクシュカ」という料理を作った。少しピリ辛で、なんとも酒が進むはず。

シュクシャカ

本とつまみ。『イスラム飲酒紀行』から着想を得た、シュクシャカ。写真と文:桑原亮子 (料理家) #3

    〈材料〉2人分

    トマト缶詰(ホールトマト)...1缶
    玉ねぎ...1/4個分
    ニンニク...1片
    ピーマン...1個
    青唐辛子(あれば)...1本
    油...大さじ2
    卵...3個
    ハリッサ...小さじ2
    ビネガー...小さじ1
    クミンパウダー...小さじ1
    塩...小さじ1/2
    胡椒...少々

    〈作り方〉
    1. ホールトマト缶を潰しておく。

    2.フライパンに油を入れて、みじん切りにしたニンニクを香りが出るまで炒める。みじん切りにした玉ねぎを入れてさらに炒める。

    3.トマト缶を入れて、最初は強火に、煮立ったら弱火にして、1/2くらいの量になるまで煮詰める。

    4.クミンパウダー、ハリッサ、ビネガーを加える。青唐辛子と1cm角に切ったピーマンを入れてさっと加熱する。

    5.塩と胡椒で味を整えて、卵を割り入れる。卵が好みの固さになるまで加熱する。


料理家 桑原亮子

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1982年生まれ。『SPICEUP』主宰。通訳・翻訳業を経て、料理好きが高じて友人と料理教室『SPICEUP』を立ち上げる。2023年には東京・富ケ谷にもアトリエをオープン。現在、大阪と東京の2拠点生活を送る。著者に、『予約の取れない料理教室 SPICEUPの作りたくなる日々のごはん』(主婦と生活社)、レシピエッセイ本『レモンをひと絞り、スパイスひとさじで変わる毎日の料理』(グラフィック社)など。新刊『予約の取れない料理教室 SPICEUPの作りたくなる日々のつまみ』(主婦と生活社)が2026年6月に発売に。

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