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吹きガラス、繰り返しの動作と忍耐、炉前の曲芸師。写真と文:笹本菜月(ガラス作家)#1August 07, 2026
2023年に学生生活を終え、ガラス作家になって丸3年が経つ。
アルバイトもしつつだけれど、作品を届けてお金をいただくこの生活も少しは板についてきたように思う。
私の作品のトレードマークはチェック柄である。布ではごく当たり前に見かける、普遍的で親しみのある模様だ。
一方で、そんなチェック柄をガラスで作るには、いくつかの工程を踏む。
まずは色とりどりのガラスの棒を作る。熱々に溶けたガラスに色を付けて引っ張り、細く長い一本の棒状にするのだ。糸を紡ぐようにそれを何度も繰り返す。そしてたくさんの色の棒を組み合わせて規則的に並べ、縦と横2層に重ねて吹き上げることでチェック柄のガラスが出来る。
作り方を聞かれるたびに途中で諦めて端折ってしまうのを口惜しく思いながらも、やっぱり言葉で説明するのは難しい。
日々制作をしていると、急にコツを掴める日がたまにあったりしておもしろく、続けてきてよかった......と思う。
今までの人生、途中で辞めてしまった事柄は数多あり(そろばん、水泳、英会話、ドラム、ギター、バトミントンetc)、もったいなかったなあと考えたりするが、まあガラス製作できるからいっか、と思うことにしている。
もし、しばらく休むことになって体がガラスの作り方を忘れてしまったらどうしよう、と怖くなるので、くれぐれも健康には気をつけたい。
私はレンタル制の工房で作っているので、いつも予約した時間に工房へ向かい黙々と制作に勤しんでいる。
1日に4時間ほど作業をするのだが、コップをいくつも吹く日もガラス棒を作るときと同様、同じ動作を繰り返す。
その間、特に夏は幾度となく頭の中で悪魔の囁きが聞こえてくる。
「暑いな......これ作ったら今日はもう終わりにしようかな......」「さっさと切り上げて涼しい部屋でアイス食べよう......」
1か月にいっぺんくらい負ける日もあるが、サボっても納期は迫りくるのでなんだかんだいつも最後まで続ける。
作ることは楽しいかと聞かれると、正直楽しくない瞬間のほうが多い。体力勝負、ひたすらに自分との戦い、忍耐の連続である。
例えるなら、「サウナのなかで出口までの長い一本道を、時折火の輪をくぐりながら一輪車でゆっくり走り続ける」みたいな。違うか。
とにかく地道に少しずつ、さながら熱の中を舞う曲芸師のごとく。

ガラス作家 笹本菜月









































