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雪を花に見立てる。日本の美しいことば。写真と文:カン・ハンナ(タレント・歌人)#3July 24, 2026
歌を詠み始めた時に感じたことの一つは、日本語には雪を花に見立てることばが多いということでした。いくつかの例を挙げてみますと、春に咲く牡丹の花のように大粒になってふわふわと降る雪のことを「牡丹雪」と呼び、香りのない雪のことを冬に咲く白い花に例える「不香の花」という言葉があってその表現の繊細さに感動した記憶があります。

また個人的に大好きなことばの一つである「風花」。晴れた日に風に乗って花びらが舞うように雪がちらつく現象を表現する日本語ですが、来日して一度しか見たことのないこの景色を目にした時に「確かにこれは雪とは思えない。風に乗って花びらが踊っているように見える」と感じ、寒い冬の日に自分の心にも花が咲くような気持ちとなりました。
それというのも、日本特有の文化である「見立て文化」は言葉にも根強く残っています。そしてその見立て文化としての言葉は、あるものを別のものや情景に見立てて新しい価値や情緒を生み出す日本の美意識の一つだと思います。だからこそ、そのままストレートに表現する言葉よりも見立てたもののほうが本物以上に感じさせる力があり、想像力を働かせる豊かさがあると感じます。
ところで、夏の季節に思い出させる「露草(ツユクサ)色」にも私は日本の美意識を感じます。ご存知の通り、露草色は澄んだ清涼感のある色合いを指しますが、夏の早朝に咲く「露草」の花の色を見立てた言葉。しかし、露草という花の名前の由来は、早朝に咲き、午後にはしぼんでしまう一日花であるため、朝露のように儚いという意味を持たせているのですが、鮮やかな色であるのにもかかわらず少し寂しさを感じるのは私だけなのでしょうか。

そして少し余談になりますが、韓国にも露草は道端や野原に自生しており、韓国語では「タルゲビ」と呼んでいます。そしてその名前の由来は「鶏のとさか」に似ている花ということで、そのまま名付けられました。実際にこちらも見立ての言葉ではありますが、とてもリアルというか、こんなに距離の近い国でありながらも同じ花を見て違う目線を持っているのが面白いなと思います。
タレント・歌人 カン・ハンナ


































