FOOD 食の楽しみ。

素材の旨みを味わう。スタイリスト・林道雄さんが教えてくれた、キャベツの形をそのまま生かしたパスタ。June 02, 2026

少ない材料で手早く作れる。時間はかかるけれどシンプルな手順で仕上がる。&Premium127号(2024年5月20日発売号)「すぐ作りたくなる、手料理のアイデア」では、家庭料理ならではの気楽さとアイデアが詰まった、料理上手たちのひと皿を集めました。ここでは、スタイリスト・〈byH.〉デザイナー・林道雄さんが教えてくれた、キャベツを食べるパスタのレシピを紹介します。

料理の基本を大切に、アドリブで作るおもしろさ。

キャベツの形をそのまま生かした、見た目のユニークさにも食欲をそそられる。
キャベツの形をそのまま生かした、見た目のユニークさにも食欲をそそられる。

 「厳密にいうと、レシピは〝あってないようなもの〞」。林道雄さんがそう言い切るのは、確かな実感と理由があるから。「その日の体調によっても 味覚が変わるし、もっと言うと自分が生きている土地の気温や湿度など環境的なことによって、求める味は変わるはずで」。

 独自のものの見方を踏まえて披露してくれたのが、「キャベツを食べるパスタ」。素材の旨味をシンプルに味わうメニューゆえ、料理の基本をきっちり遂行する必要がある。

 「まずは、素材そのものの味を食べてみることが大事。それで、塩加減や味の着地点を舌でイメージするんです。ある料理人が『食材を触りすぎることは、おいしさに繋がるとは限らない』と言っていて、そこから僕は自分で発想したんです。春キャベツをおいしく食べるために、どうやって極力包丁を入れずに料理しようか、と。だから、キャベツは1回包丁を入れるだけ。にんにくは刻まず潰して弱火で火入れする。絶対に焦がさないようにオイルに香りをうつし、アンチョビの塩気を含んだ旨味をキャベツとパスタに絡める。寿司でいうところのキャベツがネタでパスタはシャリ」

 料理の基本を自分のものにするのに、実に最高な一皿である。

Recipe
キャベツを食べるパスタ

「パスタは1人分の量が一番おいしくできます。キャベツはスーパーで売っている1/4サイズを切らずにそのまま使うのもいい。形崩れしないように芯はあえて残して」
「パスタは1人分の量が一番おいしくできます。キャベツはスーパーで売っている1/4サイズを切らずにそのまま使うのもいい。形崩れしないように芯はあえて残して」
にんにくを焦がさないように、フライパンを軽く傾けるのがコツ。やさしく熱を通すことができる。
にんにくを焦がさないように、フライパンを軽く傾けるのがコツ。やさしく熱を通すことができる。
パスタを茹でる際、湯の塩加減の味見を。キャベツも鍋に投入し、茹でながらキャベツの甘味や旨味をパスタにうつす。
パスタを茹でる際、湯の塩加減の味見を。キャベツも鍋に投入し、茹でながらキャベツの甘味や旨味をパスタにうつす。
スプーンでオイルをかけて味をなじませる。
スプーンでオイルをかけて味をなじませる。
    材料(1人分)
    キャベツ…1/5個
    パスタ…100g
    にんにく…2かけ
    赤唐辛子…1本(半分にカットし種を取る)
    アンチョビ…2枚(みじん切り)
    パルミジャーノ・レッジャーノ…適量
    レモン…くし形切り1個
    オリーブオイル…適量
    塩…大さじ3
    黒胡椒…適量
    にんにくを包丁の腹で潰す。フライパンにオリーブオイルを入れにんにくと赤唐辛子を弱火にかける。鍋に湯を沸かし、塩を入れ沸騰したらパスタとキャベツを入れ一緒に茹でる。このタイミングでフライパンにアンチョビを加える。キャベツを5分程度茹でたら取り出し、フライパンに移す。同時ににんにくと唐辛子を取り出し、ここで初めて強火にし、キャベツをソテーする。少し焦げ目がつく程度に火を入れたら、いったん取り出す。パスタは表示時間より1~1分半早めに取り出し、フライパンに移してオリーブオイルを注ぎ足し、茹で汁(50mℓ)を入れオイルと絡ませる。パスタを皿に盛り付けキャベツをのせレモンを搾る。パルミジャーノ・レッジャーノ、黒胡椒をふりかけ、にんにくと赤唐辛子をのせたら完成。
料理の基本を大切に、アドリブで作るおもしろさ。

林道雄スタイリスト・〈byH.〉デザイナー

『BRUTUS』をはじめ、様々なメディアで独自のスタイリングを披露。2020年に自身のブランドを立ち上げスタイルを提案している。

photo : Naoya Matsumoto edit & text : Seika Yajima

Pick Up 注目の記事

Latest Issue 最新号

Latest Issuepremium No. 151仕事と生き方。2026.05.20 — 980円