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わざわざ行きたい、旅の目的地となる本屋6軒。July 10, 2026

そこにしかない、本との出合いを求めて。山奥の森や無人駅の駅舎、広大な畑の中など、個性豊かな場所に佇む6軒の本屋を紹介します。&Premium152号(2026年8月号)「旅と、本と」より、「わざわざ行きたい、旅の目的地となる本屋」を紹介します。

北海道 長沼町
『小鳩書房』

わざわざ行きたくなる、旅の目的地となる本屋6軒。書店のある母屋は1950年に建てられた。「偶然にも岩波少年文庫の創刊と同じ年。改装されていた壁を剥がし、当初の状態に戻しました」。店へ向かう道中の田園風景も魅力のひとつ。
書店のある母屋は1950年に建てられた。「偶然にも岩波少年文庫の創刊と同じ年。改装されていた壁を剥がし、当初の状態に戻しました」。店へ向かう道中の田園風景も魅力のひとつ。

ハーブの香りとともに、記憶に残る体験を。

新千歳空港から車で約30分、一面に畑が広がる長沼町へ。ハーブ農家の柴田翔太さんが営むこの店は、隣接するハーブの小屋「香珀」で鍵を受け取るところから始まる。鍵を開けた先には、1200冊を超える岩波少年文庫が。「祖父の蔵書をきっかけに岩波少年文庫の世界に惹かれました。『懐かしい』と手に取る年配のお客さんから、初めて岩波を知る子どもまで、様々な人に親しんでもらっています」。北海道の壮大な自然とハーブの香りの中で選び取った本は、忘れられない一冊になるはず。

小鳩書房

北海道夕張郡長沼町東5線北18 香珀‒kohaku‒内 ☎なし 10:00~17:00 火水木金休

小鳩書房

栃木 矢板
『バロック ブックス』

わざわざ行きたくなる、旅の目的地となる本屋6軒。小屋のデッキを改装し、カフェスペースを増築。庭には、内田さんの母親が育てているチューリップやミニバラが咲く。年に一度、この場所でバイオリンの演奏会も開催される。
小屋のデッキを改装し、カフェスペースを増築。庭には、内田さんの母親が育てているチューリップやミニバラが咲く。年に一度、この場所でバイオリンの演奏会も開催される。

森の中にぽつんと佇む、好きが詰まった店。

栃木県矢板市の高原山の麓に立つのは、まるで山小屋のような味わい深い佇まいが目を引く本屋。店主の内田有香さんは、都内の書店で経験を積み独立。内田さんがもともと好きだったSFやアート、歴史などを中心とした新刊のほか、知人や地域の人々から持ち込まれた古本も扱う。店内では、那須塩原にあるコーヒースタンド『COFFEE ONTARIO』の豆を使ったコーヒーの提供も。「店で過ごすのはもちろん、買った本を手に近くの温泉宿でゆっくり過ごすのもおすすめです」

バロック ブックス

栃木県矢板市長井1840 ☎なし 10:00~17:00 不定休

バロック ブックス

岐阜 恵那
『庭文庫』

わざわざ行きたくなる、旅の目的地となる本屋6軒。
山々に囲まれ、目の前には木曽川が流れる。カフェも併設しているので、日帰りでもゆっくり過ごすことができる。「どの季節もいい景色が広がりますが、新緑の美しさは格別ですよ」

自然の中の古民家で、人と本に出会う。

築100年以上の古民家を改装し、〝泊まれる(古)本屋〞としてユニークな体験を提供している。「本を売るだけでなく、人や自然、本との多様な関係性が生まれる場所を意識しています。常連さんや展示をする方の好きな本を集めて棚を作ることもあり、扱うジャンルも変わり続けています」と店主の百瀬雄太さん・実希さん夫妻。宿泊客には事前に好みや気分を聞いて、それに合う本を選書するというサービスも。一人で訪れても、誰かと一緒でも、特別な思い出を作ってくれる場所だ。

庭文庫

岐阜県恵那市笠置町河合1462‒3 ☎なし 13:00~18:00 火水木休

庭文庫

山口 長門
『ロバの本屋』

わざわざ行きたくなる、旅の目的地となる本屋6軒。
店の一角では、お客さんと編み物を楽しむ〝編み会〞が行われることも。近くには山口県を代表する名湯の一つ・俵山温泉があり、レトロな町並みと湯治文化を満喫することができる。

古い牛舎を改装し、心休まる空間に。

約15年前に東京から山口へ移住した店主・いのまたせいこさんが、偶然見つけた牛舎を改装して書店に。家具製作の知識があったため、ほとんどDIYでリノベーションした。棚には、実用書やリトルプレスなど、様々な本が並ぶ。「地域の方々に広く利用してもらうためにテーマが偏らないようにしました。最近は手芸材料や道具なども多く並べています」。いのまたさんと親交のある作家による展示も定期的に開催。訪れるたび、本だけにとどまらない新たな発見がありそう。

ロバの本屋

岐阜県恵那市笠置町河合1462‒3 ☎なし 13:00~18:00 火水木休

ロバの本屋

熊本 南阿蘇村
『ひなた文庫』

わざわざ行きたくなる、旅の目的地となる本屋6軒。
「大自然が近くにあるからか、植物や鳥、虫の本が人気です」。南阿蘇村には、白川水源をはじめ幻想的で美しい水源がいくつもあり、毎年5月下旬頃にはホタルも見られるという。

小さな駅の待合室が、あたたかな書店に。

店を構えるのは、駅名の長さでも知られる「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」の駅舎の中。「初めてこの駅に入ったときに、木造建築の風合いと外から差し込む優しい光に魅了され、ここで本を読めたら最高だと思ったんです」と店主の中尾友治さん・恵美さん夫妻は話す。仕事や観光で駅を利用する人々が足を止めることも多く、扱う古本のジャンルも幅広い。「まるで小学校の図書館のような空間なので、列車を待つ間に読書したり、景色を眺めたり、のんびり過ごしてほしいです」

ひなた文庫

熊本県阿蘇郡南阿蘇村中松1220‒1 ☎なし 金土のみ11:00~16:00

ひなた文庫

沖縄 北谷
『ブックパーラー 砂辺書架』

わざわざ行きたくなる、旅の目的地となる本屋6軒。
バスの中には靴を脱いで上がるスタイル。「まるで友達の家に来たような感覚でリラックスしてもらいたくて」。2025年にリニューアルした『読谷村立図書館』に出店することも。

沖縄の歴史を繫ぐスクールバス。

北谷出身の店主・畠中沙幸さんが手がけるこの書店は、アメリカから輸入したスクールバスの中にある。「書店の少ないこの地域で店を始めることを考えていたとき、知人が引き取り手を探していたバスに一目惚れ。移動はせず、固定式の店舗として活用しています」。選書は絵本、洋書、沖縄本の3本柱。海外から訪れる客も多いという。「沖縄の本を置いていると年配のお客さんから歴史の話を聞かせてもらうことが多く、今後はそれを子どもたちへ伝えていこうと絵本の制作も進めています」

ブックパーラー 砂辺書架

沖縄県中頭郡北谷町砂辺45 ☎なし お昼~16:00 不定休

ブックパーラー砂辺書架

text : Momoka Oba

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