MUSIC 心地よい音楽を。

今月の選曲家 akikoJuly 27, 2018

June.27 – August.03, 2018

Saturday Morning

Title.
Aquarela Do Brasil
Artist.
Joao Gilberto, Caetano Veloso, Gilberto Gil, Maria Bethania
最後は超ベタだけれど、「ブラジルの水彩画」を。巷でよく流れているこの曲と原曲とのイメージにも、英語の歌詞とオリジナルのポルトガル語の歌詞の間にも、ギャップがありすぎると感じているのは私だけだろうか。それはある意味、初めて訪れた時に感じたリオとバイーアの空気の違いにも似ているかもしれない。観光地の宣伝ソングみたい、との酷評も少なくないが、この偉大なるブラジルの3大巨頭が歌う「ブラジル」には、歴史背景に裏打ちされた自国への愛がたくさん詰まっている。ブラジル色のブラジル。それは油絵ではない。水彩画なのだ。
アルバム『Brasil』 収録。

Sunday Night

Title.
Clair De Lune
Artist.
Alexis Weissenberg
太陽が陽で、月は陰。文字通り月には「冷ます」力があるということを、古代から人類は知っていた。5000年の歴史を持つインドの哲学アーユルヴェーダでは、夏の燃えすぎた「火」を冷ますのには月を見るのが効果的と考えられているし、日本には夏〜秋にかけてお月見の習慣も多い。同時に月は女性性とも結びつき、穏やかで優しく全てを包み込む包容力の象徴でもある。ある夏の夜、美しい月の光の下でドビュッシーを聴きながら思った。ドビュッシーがそこに見ていたのはただの月ではない、宇宙全体だったのだ、と。
アルバム『Clair De Lune』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ジャズ・シンガー akiko

2001年、名門ジャズレーベル「ヴァーヴ」初の日本人女性シンガーとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。既存のジャズの枠に捕われない幅広い音楽活動で人気を博し、現在までに23枚のアルバムを発表。パリ、ロンドン、ニューヨーク、リオデジャネイロ、オスロ、ニューオリンズなど海外でのレコーディングも多く、またヨーロッパでのツアーやジャズフェスティバルなど、国内外で活躍。一方、アパレル・ブランドとのコラボレーションで帽子やワンピースなどのアイテムを展開するなどファション方面でも活躍。また、定期的に声を使ったボイス・ワークショップや、子供のためのジャズワークショップを開催している。更に英国アーユルヴェーダカレッジ日本付属校認定アーユルヴェーダライフスタイリスト、日本ナチュラルヒーリングセンター認定アーユルヴェーダ・ホームケアドクター及びライフコンサルタントの資格を取得し、2013年からはアーユルヴェーダのワークショップやリトリートツアーなども開催している。デビュー15周年となる2016年には5枚組50曲入りのベストアルバム『Elemental Harmony』をリリース。2018年にはジャズ・スタンダードをテーマにしたエッセイ『ジャズを詠む』を出版。

akiko-jazz.com

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