流線形 クニモンド 瀧口
June 30, 2017 今月の選曲家 クニモンド瀧口
June.30 – July.06, 2017
Saturday Morning

「Lovin’ You」でお馴染みのミニー・リパートンですが、それ以前に発表した傑作が、この1stソロアルバムです。ヤン冨田さんのカバーをきっかけに聴いて以来の愛聴盤です。どことなくドリーミーで、琴線に触れる心地よさがあります。のちにアース・ウィンド&ファイアーを手がけるチャールズ・ステップニーがプロデュース、大半の楽曲が彼によるもの。モーリス・ホワイトやラムゼイ・ルイスなど、そうそうたるメンバーがバックを固めています。鳥のさえずりのような彼女の歌声が、土曜の朝の目覚めにちょうど良かったりします。
アルバム『Come to My Garden』収録。
アルバム『Come to My Garden』収録。
Sunday Night

昭和30年代に人気だった番組『夢であいましょう』。リアルタイムで観ていたわけではありませんが、この番組の時代背景や、出演者、スタッフに興味がありました。戦後の日本、高度経済成長の時期に、希望や夢を抱いて、この番組を観ていたんじゃないかと思います。そしてこの番組に登場する楽曲もとても素晴らしいものでした。永六輔、中村八大によるこの曲は、全然色褪せないスタンダードとして、今でもときめきます。明日から始まる一週間をがんばろう!という気持ちにさせてくれます。
アルバム『夢であいましょう 今月のうた 大全』収録。
アルバム『夢であいましょう 今月のうた 大全』収録。
『&Premium』特別編集
『&Music/土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ 』 好評発売中。

June 23, 2017 今月の選曲家 クニモンド瀧口
June.23 – June.29, 2017
Saturday Morning

ライザ・ミネリが主演した映画『くちづけ』の挿入歌として、サンドパイパーズによって歌われ、当時ヒットチャートを賑やかしていた曲。たくさんのカバーもリリースされて、その中でも異色なのがチェット・ベイカーによるものです。ジャズトランペット、ボーカルのイメージがある彼ですが、アルペジオのギターに乗せて歌い、イージー・リスニング感溢れる曲になっていて妙にハマっています。どことなく影がありそうで、何とも爽やかに歌うスタイルは、タイトル通り土曜の朝のテーマソングとしてちょうど良い感じです。
アルバム『Blood, Chet And Tears』収録。
アルバム『Blood, Chet And Tears』収録。
Sunday Night

ECM盤などで知られるジャズ・ピアニスト、スティーヴ・キューン。気怠くメランコリックな歌は、彼自身によるもの。哲学的な歌詞もグっときます。ECMレーベルにハマっていた時期があって、そこから知ったのがこのアルバムでした。ノルウェイのシンガー、カーリン・クローグと共演しているバージョンも素晴らしいのですが、僕はこのアンニュイな声と雰囲気が好きで、こちらを良く聴いてしまいます。シンプルな演奏にそっと寄り添うストリングスは、ゲイリー・マクファーランドによるアレンジ。日曜の夜、ちょうど良い曲です。
アルバム『Steve Kuhn』収録。
アルバム『Steve Kuhn』収録。
『&Premium』特別編集
『&Music/土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ 』 好評発売中。

June 16, 2017 今月の選曲家 クニモンド瀧口
June.16 – June.22, 2017
Saturday Morning

関東も梅雨入りをして、雨の日が続きます。雨降りの土曜日、そんな時ふと聴きたくなるのが、2015年に発表されたこの曲です。なんともドリーミーで、歌詞の世界観もとても素敵。最近の曲なのにどこか懐かしく、情緒豊かな作品で、聴いた瞬間に好きになりました。3拍子を刻むギターの音色が、まるで雨粒のようで、徐々に盛り上がる弦とコーラスが楽曲の世界を広げてくれます。最後に登場するサックスのせつない音色が、雨降りの休日に部屋でまどろむ2人をやさしく包み込みます。
アルバム『Portrait in Rock ‘n’ Roll』収録。
アルバム『Portrait in Rock ‘n’ Roll』収録。
Sunday Night

僕が小学生の頃は、フォークミュージックからニューミュージックの流れがあって、当時良く聴いていたのがオフコースでした。一部のブームもあって、武道館にコンサート観に行ったりしていました。中でもこのアルバムが好きで、良く聴いていた覚えがあります。大人になったある日、今回選んだ曲を無性に聴きたくなって、既に処分していたレコードを買いなおしました。3分足らずの短い曲なのですが、揺れ動く感情が表現されていて、やはり良い曲だったと改めて思いました。
アルバム『ワインの匂い』収録。
アルバム『ワインの匂い』収録。
『&Premium』特別編集
『&Music/土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ 』 好評発売中。

June 09, 2017 今月の選曲家 クニモンド瀧口
June.09 – June.15, 2017
Saturday Morning

20年ぐらい前に、一部の音楽好きの間でハワイアン・フォーク/AORが流行っていました。その時に、探していたのがこのアルバムです。一度見たら忘れない奇妙なジャケット、バンド名は忘れてもジャケは覚えていて購入できました。アコースティックギターにローズピアノ、男女混成ボーカルとヴィブラフォン、何とも心地よいサウンドは、ソフトロック好きにもおすすめです。当時はMDに録音して朝の通勤時によく聴いていました。ハワイの抜けた青空に思いを馳せながら、土曜日の爽やかな朝に似合う美しい曲です。
アルバム『Reflections Of The Inner』収録。
アルバム『Reflections Of The Inner』収録。
Sunday Night

僕が最も好きな女性シンガー、ローラ・ニーロ。このアルバム、いまだに1年に10回以上は聴いています。10代の終わり頃、先輩に「きっと好きだと思うよ」と渡されたのがきっかけ。1曲目「You Don’t Love Me When I Cry」を聴いて、感動して鳥肌が止まらなかった記憶があります。ジャンルを超えて、伸びやかに歌うローラ・ニーロ、こんなに琴線に触れる歌に出会えて本当に良かったと思いました。日曜の夜、このアルバムを聴いて、1970年代のアメリカ、そしてニューヨークの都会的な空気を、歌詞カードを見ながら想像するのでした。
アルバム『New York Tendaberry』収録。
アルバム『New York Tendaberry』収録。
『&Premium』特別編集
『&Music/土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ 』 好評発売中。

June 02, 2017 今月の選曲家 クニモンド瀧口
June.02 – June.08, 2017
Saturday Morning

もともとは「Some Small Hope」という曲がきっかけで聴く事になったヴァージニア・アストレイ。坂本龍一がプロデュース、デヴィッド・シルヴィアンがデュエットした事で当時話題になりました。今回選んだ曲は、鳥のさえずりと鐘の音で始まり、やがて穏やかなピアノとスキャットが広がる、まるで英国の庭園にいるような心地良さがあります。土曜の朝、レコードの針を落としてコーヒーを淹れる、そんな行動に至福の時を感じさせてくれる楽曲です。ジャケットが素敵なので、何枚も買って友達にプレゼントしました。
アルバム『From Gardens Where We Feel Secure』収録。
アルバム『From Gardens Where We Feel Secure』収録。
Sunday Night

僕が中学生の頃は、洋楽を聴く機会はラジオか、「ベストヒットUSA」というテレビ番組でした。この番組ではタイムマシーン(今日は何の日?)という、放送以前に流行っていた曲を紹介するコーナーがあり、その中で知ったのがリッキー・リー・ジョーンズの「恋するチャック」でした。ベレー帽を被ったリッキー・リーがとてもキュートで、ほどなくしてレコードを購入。中でも今回選んだ曲が大好きで、何度聴いてもグっとくる素晴らしい歌唱力と楽曲は、日曜日の夜、物思いにふける時にちょうど良かったりします。
アルバム『RICKIE LEE JONES』収録。
アルバム『RICKIE LEE JONES』収録。
『&Premium』特別編集
『&Music/土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ 』 好評発売中。

流線形 クニモンド 瀧口

個人プロジェクト流線形で3枚のアルバムをリリース。音楽プロデュース、楽曲提供、選曲などで活動。代表作品一十三十一『CityDive』。2017/7/5発売ナツ・サマー『Hello,future day』プロデュース。