&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート。
グリル料理と秋色のサイドメニュー。渡辺有子の料理教室3年目8月August 08, 2026
料理家の渡辺有子さんが先生に、ライターの吉田直子さんが生徒に。本誌で連載中の「&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート」がWebでも読めるようになりました。3年目8月のテーマは、「グリル料理と秋色のサイドメニュー」。3つのレシピを紹介します。

グリル料理と秋色のサイドメニュー。
先生:今日はスタートから歓声が聞こえてきそうだわ。直子さんから何度もリクエストされていたハンバーグを作るの。
生徒:わお!ついに夢が叶うんですね。
先生:まだ秋というには微妙な季節ではありますが、秋先取りで、サイドメニューにはサツマイモやマスカット、リンゴも使います。
生徒:秋、大盤振る舞いじゃないですか!
先生:しかも肉肉しい「牛赤身のハンバーグ」なの。さっそく作っていきましょうか。牛赤身の味を生かすため、今日のハンバーグには玉ネギも牛乳も入れないんです。塩を入れたひき肉をとにかくよく練る。卵は入れますよ。スパイスを効かせたいので、黒胡椒とカイエンペッパーも加えます。ナツメグ、ウスターソース、パン粉も加えて練り続けてね。
生徒:卵、先に溶くんですね。ボウルに割り入れて手でつぶしていました(笑)。そしてこのタイミングのウスターソースにびっくり。
先生:煮込みハンバーグと違って肉そのものにしっかり味をつけたいので、下味の段階でウスターソースを練り込むの。付け合わせのズッキーニは輪切りにしてから水にさらし、水気を拭いておいてね。さて、ここまで仕込んだら「菊とサツマイモのペースト」を作りましょう。ハンバーグのタネの入ったボウルは冷蔵庫に入れず、常温に置いておきますよ。
生徒:なにゆえ常温なのでしょう?
先生:こねる前のひき肉は冷蔵庫から出したばかりのものを使うと脂身が溶けなくていいの。でも、タネを冷やすと、焼き時間が長くなってジューシーに仕上がらないんです。
生徒:なるほど〜。
先生:サツマイモは皮を剥いて小さく切り、水にさらしておく。水から茹でて軟らかくなったらザルにあげ、鍋で粉ふきにしたらザルで漉します。続いて、お酢を入れたお湯の中で菊の花びらをさっと茹でて水にさらし、しぼってほぐしたものを準備しておきます。漉したサツマイモを鍋に入れて、バターと牛乳、サワークリームを加えて混ぜます。塩少々と菊の花を加えて混ぜたら完成です。
生徒:残った菊の花は冷凍保存しておくと便利でしたよね。私はよく、お刺身のツマに活用していました。
先生:さすが直子さんね。では「マスカットとリンゴのサラダ」にいきますよ。マスカットは縦半分と横半分に切り分けます。リンゴは5㎜幅に切ってヘベスの果汁をかけて色止めしましょう。
生徒:マスカットを縦横に切るワケは?
先生:切り方を変えると食感に変化がつくので、食べていて楽しいの。少ない材料で作るときは特にお勧めよ。さあ、もう一つのヘベスの皮を剥いて乱切りにしたら、ボウルにすべて入れますよ。オリーブオイル、粗塩、白胡椒、チャービルの葉を加えたら出来上がり。
生徒:いよいよハンバーグですね!
先生:はい。4等分にしたタネを片手から片手へ投げるようにして成形しましょう。熱したフライパンで、片面2分、もう片面は蓋をして3分焼きます。この時、表面をプレスする道具があったら載せ、なければヘラなどで押しながら焼くと上手に焼けますよ。焼けたらホイルに包んで2分。ズッキーニも両面焼いて粗塩をふります。クレソンを添えて、肉汁をかけて、さあ召し上がれ。
生徒:肉肉しいハンバーグ、定番にします!
1.牛赤身のハンバーグ
〈材料〉2人分
牛赤身ひき肉…480g
塩…小さじ1
卵… 1個
黒胡椒…小さじ1/4
カイエンペッパー…小さじ1/4
ナツメグ…小さじ1/2
ウスターソース…大さじ1と1/2
パン粉…20g
ズッキーニ…適量
オリーブオイル…適量
粗塩…適量
クレソン…適量
〈作り方〉
1.ボウルに牛赤身ひき肉を入れ、塩を加えてよく練る。溶いた卵、黒胡椒、カイエンペッパー、ナツメグ、ウスターソース、パン粉の順に加えて、その都度よく練る。4等分にし、手から手へ投げるようにして空気を抜きながら成形する。
2.ズッキーニは8㎜幅の輪切りにし、水にさらしてからペーパーで水気を拭く。
3.フライパンを中火に熱し、オリーブオイルをひいてハンバーグを焼く。片面2分、返して蓋をしてさらに3分、中火弱で焼く。表面をプレスしながら焼き、両面焼いたら、ホイルに包んで2分休ませる。ズッキーニは両面に焼き目がつくように焼いて粗塩をふる。
4.皿に3を盛り、クレソンを添える。焼いたときの肉汁を少々かける。
2.菊とサツマイモのペースト
〈材料〉2~3人分
サツマイモ…大1本(400g)
菊花…8個
バター…10g
サワークリーム…30g
牛乳…大さじ1
塩…少々
〈作り方〉
1.サツマイモは皮を剥いて縦半分に。2㎝の厚さに切って水にさらす。鍋に入れて水から茹でて、沸騰したら弱火で10分ほど、軟らかくなるまで茹でる。ザルにあげ、鍋に戻して粉ふきにしてから、ザルで漉す。
2.菊花は花びらを摘む。鍋にお湯(800㎖ほど)を沸かして、酢(大さじ1 )を入れ、菊の花びらをさっとくぐらせて取り出し、水にさらす。手のひらで挟むようにして水気をきり、ほぐしておく。
3.1を鍋に入れ、バターを加えて溶けたら、牛乳を加えて混ぜる。サワークリームを加えてさらに混ぜてなめらかにする。塩で味を調え、最後に2を加えてざっと混ぜる。
3.マスカットとリンゴのサラダ
〈材料〉2人分
マスカット…小20粒
リンゴ…1/2個
へベス(またはカボス)… 2個
オリーブオイル…大さじ1
粗塩…ふたつまみ
白胡椒…適量
チャービル…1~2本
〈作り方〉
1.マスカットは半量を縦半分、残りの半量を横半分に切る。リンゴは4等分のくし形切りにし、皮を剥いて芯を取り、横5㎜幅で切る。変色しないようにへベスの果汁1個分(小さじ2)をかけておく。もう1個のへベスは皮を剥いて乱切りにする。
2.ボウルに1を入れ、オリーブオイルをかけて混ぜ、粗塩、白胡椒をふり、チャービルの葉を加える。


渡辺有子先生
わたなべ・ゆうこ/東京都生まれ。料理家。スタジオ「FOOD FOR THOUGHT」にて、料理教室や食にまつわるイベントを開催。東京・代々木上原と西荻窪で、同名の器店をディレクション。作家ものの器や食まわりの商品を扱う。『料理と私』(晶文社)、『渡辺有子の家庭料理』(主婦と生活社)など著書多数。旬の素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評があり、いつまでも初心者気分でいつづける生徒・吉田直子にも、懇切丁寧に料理を教える。

吉田直子生徒
よしだ・なおこ/東京都生まれ。ライター。冠婚葬祭で使う小物とジュエリーのブランド〈シュオ〉のディレクター、ファッションブランドのプレスを務めるなど、フレキシブルに働く1 児の母。2019年、絵本『こっぷんとかっぷん』(絵・よこやまかんた/若芽舎)を刊行。2020年には蒼井優の著書『今日もかき氷【進化版】』(マガジンハウス)の編集を手がける。渡辺有子の料理教室で毎月記事をまとめているが、いまだに作るよりも食べることを好む。
photo : Wakana Baba text : Naoko Yoshida



















































