&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート。
初夏の和定食は旨味たっぷり後味さっぱり。渡辺有子の料理教室3年目5月May 09, 2026
料理家の渡辺有子さんが先生に、ライターの吉田直子さんが生徒に。本誌で連載中の「&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート」がWebでも読めるようになりました。3年目5月のテーマは、「旬の定食は旨味たっぷり後味さっぱり」。3つのレシピを紹介します。

旬の定食は旨味たっぷり後味さっぱり。
先生:緑に溢れた良い季節になりましたね。私の大好きな空豆も甘くておいしい。
生徒:4月のスナップエンドウに続き、まず最初に空豆の美しい剥き方が知りたいです。いつも適当なので自信が持てずにいます。
先生: 直子さんてば、豆の扱いに弱いわね。今日の教室で教えますから元気を出して。
生徒:本日のお品書きはなんでしょう!?
先生:食べる気満々ね。今日は旬の食材を使った定食のメニューを考えてきましたよ。
生徒:有子先生の定食、おいしそう〜。
先生:さぁ作っていきますよ。「新ショウガのごはん空豆あんかけ」から進めましょう。まず米を洗って30分ほどザルにあげておきます。これで吸水も完了です。米は前の晩に準備しておいてもいいですよ。新ショウガは長さ2㎝の千切りに。空豆は10秒ほど茹でてから薄皮を剥きます。こうすると生のままより簡単に剥けるの。
生徒:剥き始めはどこでしょう?
先生:空豆のへこんだところに爪を立てて、ぷっくり膨らんだ黒っぽい筋のほうに向かって剥くと上手にできますよ。
生徒:けっこう力入れるんですね。あっ、ほんとにスルッと剥けました!
先生:続いて鍋に米、水、昆布、塩を入れて混ぜ、新ショウガを加えてフタをして強火にかけます。鍋がふいてきたら弱火で14分、火を止めて10分蒸らしましょう。ここまで済んだら「揚げゴボウの赤だし」を準備します。ゴボウは皮をこそぎ落とし、ピーラーで薄く削ぎます。水に放してアク抜きし、ザルにあげ、ペーパーで水気を拭いてください。
生徒:ゴボウを揚げるの担当します!
先生:低めの中温でじっくり揚げることで、水分が抜けてカリッとなるんです。ゴボウのまわりに泡が出なくなったら取り出して油をきりましょう。鍋に水といりこを入れて、20分ほど置いてから中弱火にかけます。アクを取りながらふつふつするまで火を入れます。
生徒:ゴボウは早めに揚げていいんですね?
先生:出汁を注ぐのを直前にすれば大丈夫なの。さて、「セロリとたくあんのさっと炒め」を作りましょう。セロリは筋を取り、茎は長めに斜め薄切りに。葉は1㎝幅に刻みます。たくあんは5㎝長さに切って、2㎜幅の細切りにします。フライパンに胡麻油を熱し、セロリの茎をさっと炒めてから、たくあんとセロリの葉を加えてさらに炒め、味醂、粗塩で味を調えて、白胡麻をふったら完成です。
生徒:なんて簡単でおいしそうなのだ〜。
先生:冷蔵庫で4〜5日は持ちますよ。それではご飯を仕上げましょう。鍋にカツオ出汁を沸かして空豆を加えます。1分30秒経ったら、薄口醤油と塩を入れて、倍量の水で溶いた片栗粉でとろみをつけます。ご飯の上に熱々の餡をかけ、木の芽を叩いて餡の上に散らしてくださいね。
生徒:グリーンが美しい!
先生:最後に赤だしを仕上げます。豚バラ肉を1㎝幅に切って、胡麻油をよく熱した鍋で炒めます。いりこ出汁を漉しながら注いで沸いてきたら味醂を加えましょう。この味醂が味の決め手よ。赤味噌は溶けにくいので、ボウルに入れて少量の出汁を加えて溶いてから鍋に加えてね。器に赤味噌を溶いた出汁を注ぎ、ゴボウの素揚げをたっぷりのせます。
生徒:毎日でも食べたい定食です〜。
1.新ショウガのごはん空豆あんかけ
〈材料〉2〜3人分
新ショウガ… 3かけ(40g)
米… 2合
空豆… 6本
水…360㎖
昆布… 2㎝角2枚
塩…小さじ1と1/4
カツオ出汁…300㎖
薄口醤油…小さじ1/2
片栗粉…大さじ1
木の芽…適量
〈作り方〉
1.米は洗って30分ほどザルにあげておく。新ショウガは長さ2㎝の千切りにする。空豆は10秒ほどさっと茹でてザルに取り、薄皮を剥く。
2.鍋に米、水、昆布、塩小さじ1 を入れてざっと混ぜ、新ショウガを加えてフタをして強火にかける。ふいたら弱火で14分、火を止めて10分蒸らす。
3.別の鍋にカツオ出汁を沸かし、空豆を加える。1分30秒経ったら、薄口醤油、塩小さじ1/4を加えて、倍量の水で溶いた片栗粉を加えてとろみをつける。
4.器に炊き上がった2を盛り、3の餡をかける。木の芽を叩いて、香りを出してから散らす。
2.セロリとたくあんのさっと炒め
〈材料〉作りやすい分量
セロリ… 2本
たくあん…50g
味醂…小さじ2
粗塩…小さじ1/4
胡麻油…小さじ2
白胡麻…小さじ2
〈作り方〉
1.セロリは筋を取って茎は長めに斜め薄切りにし、葉は1/2本分を1㎝幅に刻む。たくあんは5㎝長さに切り、2㎜幅の細切りにする。
2.フライパンに胡麻油を熱し、セロリの茎をさっと炒め、たくあんとセロリの葉を加えてさらにさっと炒め、味醂、粗塩で味を調え、白胡麻をふる。
3.揚げゴボウの赤だし
〈材料〉2〜3人分
新ゴボウ… 1本
豚バラ肉(薄切り)…60g
いりこ… 6g(7~8本)
水…700㎖
赤味噌…大さじ2
味醂…小さじ1
胡麻油…小さじ1/2
揚げ油…適量
〈作り方〉
1.ゴボウはピーラーで薄く削ぎ、水に放してアクを抜く。ザルにあげ、ペーパーで水気をしっかり拭く。
2.低めの中温の油に、ゴボウを入れて水分が抜けてカリッとなるまで、ゆっくり揚げていく。ゴボウのまわりに泡が出なくなったら取り出し、油をよくきる。
3.鍋に分量の水といりこを入れ、20分ほど置いてから中弱火にかける。アクを取りながらふつふつしてくるまで火を入れる。
4.豚バラ肉は1㎝幅に切り、別の鍋に胡麻油をよく熱し、豚肉を炒める。3のいりこ出汁を漉しながら注ぎ、沸いてきたら味醂を加える。
5.赤味噌はボウルに入れ、少量の4を加えて溶いて、鍋に加える。
6.器に赤味噌を溶いた出汁を注ぎ、ゴボウの素揚げをたっぷりのせる。


渡辺有子先生
わたなべ・ゆうこ/東京都生まれ。料理家。スタジオ「FOOD FOR THOUGHT」にて、料理教室や食にまつわるイベントを開催。東京・代々木上原と西荻窪で、同名の器店をディレクション。作家ものの器や食まわりの商品を扱う。『料理と私』(晶文社)、『渡辺有子の家庭料理』(主婦と生活社)など著書多数。旬の素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評があり、いつまでも初心者気分でいつづける生徒・吉田直子にも、懇切丁寧に料理を教える。

吉田直子生徒
よしだ・なおこ/東京都生まれ。ライター。冠婚葬祭で使う小物とジュエリーのブランド〈シュオ〉のディレクター、ファッションブランドのプレスを務めるなど、フレキシブルに働く1 児の母。2019年、絵本『こっぷんとかっぷん』(絵・よこやまかんた/若芽舎)を刊行。2020年には蒼井優の著書『今日もかき氷【進化版】』(マガジンハウス)の編集を手がける。渡辺有子の料理教室で毎月記事をまとめているが、いまだに作るよりも食べることを好む。
photo : Wakana Baba text : Naoko Yoshida
















































