TRAVEL あの町で。
小ぶりな丼を何杯でも。秘伝のタレが染み込んだ、台湾の国民食を巡る。August 12, 2026
2026年8月5日発売の別冊MOOK「&Taipei/台湾、街歩きガイド」より、『My灶』オーナー・昌 正浩(ツァン・ツェンハオ)さんが教えてくれた、台湾の人々が愛してやまない丼物を味わえる3軒を紹介します。

香滿園 シャンマンユエン/雙連
店の入れ替わりが激しい中山エリアで、3代にわたって変わらない味を届ける。小と大の2サイズから選べる魯肉飯が名物。魯肉は青ネギとエシャロットで炒めた豚肉に醤油と砂糖などを加えて4、5時間煮込み、一晩寝かせて味を染み込ませる。粒立ちの良いご飯は、米どころである台湾東部のもの。「週に1回は通う店。八角などの生薬を使っていないのでクセがなく食べやすいですよ」と昌さん。
▷台北市大同區萬全街8巷口 ☎02‒2557‒2229 6:30~14:00 土日休
梁記雞肉飯 リャンチーチーロウファン/松江南京
主食と小鉢を選ぶ定食スタイルで、主食は鶏肉飯か魯肉飯、あいがけの鶏魯飯(チールーファン)から。鶏肉飯は毎日仕入れる新鮮な鶏肉を茹で、手で丁寧に割き、秘伝の醤油ダレと鶏油(チーヨウ)をかけて。宜蘭(イーラン)産の硬めに炊いた米がしっとりとした鶏肉とよく合う。「あっさりしたものを食べたいときにぜひ。定食以外の副菜やスープも充実しています」
▷台北市中山區松江路90巷19號 ☎02‒2563‒4671 10:00~14:30 16:30~19:50 土日休 定食にセットの卵は目玉焼きか煮卵かを選べる。
珠記大橋頭油飯 ズーチーダーチャオトウヨウファン/大橋頭
60年以上前から地元の人たちに愛される名店。看板メニューの油飯は、大きなせいろでもち米を蒸しあげた台湾風おこわ。醤油のやさしい味付けで、揚げたエシャロットが豊かな風味を醸す。上にかかった魯肉が、もちもちとしたご飯と相性抜群。「台湾のもち米は形の丸いものと細長いものがあるのですが、ここは丸い品種を使ってて、軟らかいのが特徴。豚のつみれ入りスープもおすすめです」
▷台北市大同區民權西路186‒1號 ☎02‒2557‒6503 7:00~13:30 日休
丁寧に仕込まれた一杯の繊細な食感を味わう。
松江南京で魯肉飯(ルーロウファン)の名店『My灶(マイザオ)』を営む昌正浩さん。食通としても知られ、毎朝5時に起きて朝食を4〜5軒はしごするという。
「台湾と日本では丼物に対するイメージが異なり、牛丼のように単体で食べるものではなく、おかずと一緒に注文するもの。だから小ぶりなサイズが多く、朝から気軽に食べられます。6時半から魯肉飯を楽しめる『香滿園』は、毎日深夜2時半頃から仕込んだ新鮮な豚肉と自家製の酸菜(スワンツァイ)を使っているため、素材本来の旨味が口いっぱいに広がります」
そして、嘉義(チアイー)で生まれた鶏肉飯(チーロウファン)も台湾を代表する丼物のひとつ。台北で食べるなら、地域の人にも親しまれる『梁記雞肉飯』で。
「現地では七面鳥を使いますが、鶏の胸肉を使うのが台北流。鶏のだしが効いたやさしい味が人気で、いつも行列ができています」
昌さんが50年以上通う『珠記大橋頭油飯』の油飯(ヨウファン)も、ローカルに根付く味だ。
「ここのおこわは、噛むほどに醤油の味わいが口に広がります。お好みで甘辛い甜辣醬(テンラーチアン)をかけても。黄身が濃厚なアヒルの目玉焼きをのせると、より深みのある味に」
3店とも伝統の味を手頃な価格で提供する。
「シンプルな料理だからこそ、食材の新鮮さや丁寧な仕込みが重要。小さな碗の中に店主の想いが詰まっています」

昌 正浩(ツァン・ツェンハオ)『My灶』オーナー
台湾の家庭料理を堪能できる『My灶』を2011年に開いた。名物の魯肉飯60元)は、新鮮な食材選びにこだわり、雑味のないまろやかな味。
▷台北市中山區松江路100巷9之1號 ☎02‒2522‒2697 11時30分〜14時 17時30分〜21時30分 無休 予約はFacebookから。
photo : Yoshiko Watanabe coordination : Yaeko Kondo













































