長田佳子の季節のハーブを愉しむお菓子。

February 20, 2022 おやつの定番にしたい「シナモンのブリュレ」 長田佳子の季節のハーブを愉しむお菓子 vol.23

自然からのいただきものであるハーブの力を取り入れて、心と体に優しく寄り添う「レメディ」のようなお菓子を作る〈foodremedies〉として活動する菓子研究家の長田佳子さん。砂糖にはない甘さやほのかに感じる苦味、鼻をくすぐるいい香り——。ハーブはそのときの心と体の状態によって、五感で感じ取るものが繊細に変化する奥深さを秘めた暮らしに役立つ植物です。そんな季節のハーブを使った長田さんオリジナルのお菓子のレシピを紹介するこの連載。第23回は「シナモンのブリュレ」をお届けします。

 

This Month's Herbal Sweets

「シナモンのブリュレ」

_DSC8316
 

カラメルをスプーンでザクザク割って食べる楽しいひとときを。

レストランやカフェのデザートの定番メニューになっていることが多いフランスの焼き菓子、クレームブリュレ。日本語にすると〝焦がしたクリーム〞。

お店によくある馴染みのあるデザートなので、今までにいろんなタイプのクレームブリュレに出合ってきた人も多いかもしれません。このお菓子は、日常にある材料で失敗がなく作れて、それでいて食べる楽しさが格別な一品です。作り方はとってもシンプル。だからこそ、一度レシピを覚えたら、好みの味を追求する面白さを秘めています。

まずは、牛乳、生クリームを鍋で温め、シナモンで香りづけを。全卵と黄卵ときび砂糖をよく混ぜたものに加えてカスタードソースを作り、耐熱容器に流し込みましょう(表面のカラメル作りにも砂糖を使うので、ここで使用する砂糖は、控えめにするのがおすすめ)。

あとは、オーブンで蒸して固めるだけでなめらかな質感のカスタードプリンが完成。シナモンを使うことで卵の生臭さが和らぎ、ほのかに甘い香りが漂います。

仕上げにカスタードプリンの上にきび砂糖をふりかけ、バーナーであぶって砂糖をキャラメリゼ。ふりかける量は、厚めにするときれいな仕上がりになるはず。バーナーを持っていない人は、大きめのスプーンの背を火であぶって砂糖にジュッと押し付けて。少し時間はかかるけれど、家にある道具だけで手軽に作れます。

パリパリとしたカラメルの表面をスプーンでザクザク割る行為は、なんだか楽しくて、クセになるもの。プリンのなめらかな口どけとカラメルの香ばしさの重なりはじんわりとした幸せを感じさせてくれるはず。ぜひ、さっぱりしたハーブティーとともに心を休めてください。

シナモン<br /><br />
クスノキ科の常緑高木。若い枝を切り、樹皮を細長い形にはぎ取り、束にして発酵。表面のコルク質をはぎ取り乾燥させて細管状にしたものをシナモンスティックと呼ぶ。シナモンの歴史は古く、古代ローマ時代から利用され、体を温める作用や気持ちを落ち着かせる作用が期待できます。スパイシーな味と香りが特徴でハーブティー、コーヒー、紅茶とブレンドするのがおすすめ。
シナモン

クスノキ科の常緑高木。若い枝を切り、樹皮を細長い形にはぎ取り、束にして発酵。表面のコルク質をはぎ取り乾燥させて細管状にしたものをシナモンスティックと呼ぶ。シナモンの歴史は古く、古代ローマ時代から利用され、体を温める作用や気持ちを落ち着かせる作用が期待できます。スパイシーな味と香りが特徴でハーブティー、コーヒー、紅茶とブレンドするのがおすすめ。
 

レシピ 7×12cmの型 2個分 

・牛乳 280ml
・生クリーム 50ml
・全卵 1個
・卵黄 1個
・きび砂糖 30g
・シナモン1本

[デコレーション]
きび砂糖 適量 

 

How to cook

1.鍋に牛乳と生クリーム、シナモンを入れ、弱火でじっくり沸騰させて、火を止める。
1.鍋に牛乳と生クリーム、シナモンを入れ、弱火でじっくり沸騰させて、火を止める。
2.ボウルに全卵と黄卵ときび砂糖を入れ砂糖のざらざらがなくなるまでよく混ぜ、「1」を加えてさらによく混ぜる。
2.ボウルに全卵と黄卵ときび砂糖を入れ砂糖のざらざらがなくなるまでよく混ぜ、「1」を加えてさらによく混ぜる。
3.濾しながら容器に移し、湯煎を張ったバットに入れる。キッチンペーパーで表面の膜を取り、150℃のオーブンで30分を目安に焼く。焼き上がったら粗熱を取り、冷蔵庫でしっかり冷やす。
3.濾しながら容器に移し、湯煎を張ったバットに入れる。キッチンペーパーで表面の膜を取り、150℃のオーブンで30分を目安に焼く。焼き上がったら粗熱を取り、冷蔵庫でしっかり冷やす。
4.表面にきび砂糖をふり、ガスバーナーをあてて焼き上げる。(大きめのスプーンの背中を火であぶり、その熱を使って生地を焼き上げてみても)。
4.表面にきび砂糖をふり、ガスバーナーをあてて焼き上げる。(大きめのスプーンの背中を火であぶり、その熱を使って生地を焼き上げてみても)。
 
_DSC8324

photo:Hiroko Matsubara edit & text:Seika Yajima
ハーブ:まるふく農園 キッチンクロス提供:FLUFFY AND TENDERLY
器:ヨーロッパアンティーク


菓子研究家 長田 佳子

レストラン、パティスリーなどでの修業を経て、YAECAフード部門「PLAIN BAKERY」でメニュー開発、お菓子の製造を担う。2015年に独立。〈foodremedies〉という屋号でハーブやスパイスなどを使ったまるでアロマが広がるような、体に素直に響くお菓子を研究している。著書に『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)、『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)などがある。2021年7月より登録制による動画配信のお菓子教室を開催。

foodremedies.jp

Latest Issue心を揺さぶる、アートの力。2022.06.20 — 880円