北欧で見つけた美しいデザインと、心地よい部屋づくりのヒント。

北欧デザインの「いま」を感じる3日間。初めての「3daysofdesign」滞在記。August 20, 2026

たくさんの北欧ブランドのショールームが立ち並ぶ、イベントの中心ともいえるエリア、Bredgadeにて。
たくさんの北欧ブランドのショールームが立ち並ぶ、イベントの中心ともいえるエリア、Bredgadeにて。

街全体がデザイン一色に染まる特別な時間。

初夏の爽やかな風が吹き抜ける6月、北欧インテリアとデザインの今が体感できる、デンマーク・コペンハーゲンで開催された「3daysofdesign」に編集部が初めて訪れました。街全体が巨大なデザインの舞台へと変わる3日間。最新の北欧デザインの熱気と暮らしのヒントを、現地で見て、肌で感じてきました。

今年で13年目を迎えた「3daysofdesign」。「Make This Moment Matter」というテーマを掲げた今年は、世界の37の国と地域から出展者が参加し、来場者は昨年の約6万人から、12万人以上へと大きな盛り上がりを見せたそう。東京ドームのような大型見本市会場で行われる一般的な家具の見本市とは異なり、舞台はコペンハーゲンの「街そのもの」。各ブランドのショップやショールームはもちろんのこと、歴史ある歴史的建造物や普段は入れない建築スタジオ、運河沿いのリノベーション倉庫まで、さまざまな場所で約600の展示が行われていました。地下鉄や24時間動いていたり、レンタサイクルが定番の移動手段として親しまれていたりと、交通もとても発達しているコペンハーゲン。潮風を感じながら、次の会場へ向かう道中そのものがアクティビティ。デザインを見るだけでなく、北欧の街並みや人々の豊かな日常を肌で感じられるイベントというのも新鮮でした。

色鮮やかな建物が並ぶ「ニューハウン」街並み。
色鮮やかな建物が並ぶ「ニューハウン」街並み。

進化する名作プロダクトと、国境を超える日本のものづくり。

各ブランドのショールームやさまざまなエキシビションを見て印象的だったのは、北欧デザインのアイコンとも言える名作家具や照明が現代の文脈でアップデートされていた点。〈カール・ハンセン&サン〉や〈フレデリシア〉といった歴史あるブランドでは、タイムレスな意匠を守りつつ、現代の住空間に馴染む新しい素材やカラーで新作を発表するなど、サステナビリティへの明確な意思が示されていました。と同時に、若手・新人デザイナーを支援するプラットフォーム「Ukurant」の展示が見応え十分だったり、「3daysofdesign」と同時期に開催されている独立系のエキシビション「other circle」にも多くの人が集まったりと、まさにデザインの今を体感できるイベントでした。

そして、カリモク家具が手がける〈MAS〉や〈Karimoku Case〉、初めての「3daysofdesign」参加となった〈A-POC ABLE ISSEY MIYAKE〉をはじめとした、たくさんの日本発のブランドや個人の作り手が、世界中から集まったデザイン関係者から高く評価されているのも心に残りました。北欧と日本の手仕事が響き合う展示を目にして、素材の質感や経年変化を愛し、長く使い続けることを考えた「ものづくりの哲学」において、両者に深い共通点があることも実感しました。

日本各地のものづくりから生まれた5つのブランドが集まった〈MAS〉の展示『Japanmade Vol.1』。
日本各地のものづくりから生まれた5つのブランドが集まった〈MAS〉の展示『Japanmade Vol.1』。
IMG_4455 | 制作プロセスや完成に至るまでの試行錯誤にスポットをあて、新たな作り手のクラフトマンシップを見せた「Ukurant」の展示。
制作プロセスや完成に至るまでの試行錯誤にスポットをあて、新たな作り手のクラフトマンシップを見せた「Ukurant」の展示。
普段は一般公開されていない、建築家・ビャルケ・インゲルスが率いる「BIG」も訪れることができました。
普段は一般公開されていない、建築家・ビャルケ・インゲルスが率いる「BIG」も訪れることができました。
街のいたるところに「3daysofdesign」に参加していることを示す風船が。ふらっと立ち寄った展示で思わぬ出合いがあるのも魅力。
街のいたるところに「3daysofdesign」に参加していることを示す風船が。ふらっと立ち寄った展示で思わぬ出合いがあるのも魅力。
同時期に開催されていた「other circle」で。岐阜でものづくりを行うステンレスプロダクトブランド 〈FATE INDUSTRIES〉。
同時期に開催されていた「other circle」で。岐阜でものづくりを行うステンレスプロダクトブランド 〈FATE INDUSTRIES〉。
イベントを回る途中で立ち寄ったグルントヴィ教会。コーア・クリントの「チャーチチェア」がずらりと並んだ圧巻の光景。
イベントを回る途中で立ち寄ったグルントヴィ教会。コーア・クリントの「チャーチチェア」がずらりと並んだ圧巻の光景。

編集部として初めて参加した「3daysofdesign」。ショールームや街角で生まれる、デザイナーや現地の人々との交流を通して、ただプロダクトを並べた「展示会」ではなく、人々が集い、豊かな時間とアイデアを分け合う、プラットフォームのようなイベントでした。モノとしてのデザインの先にある“心地よい暮らしの景色”について深く考えた3日間でもありました。

2026年8月20日発売号の特集「わたしの部屋ができるまで」では、デンマーク・コペンハーゲンとフィンランド・ヘルシンキに暮らす日本人とその家族の住まいを訪ねて、自分らしい部屋づくりについて考えたほか、「3daysofdesign」に参加したブランドのレポート記事を掲載。また、このサイトのコラム「北欧で見つけた美しいデザインと、心地よい部屋づくりのヒント」では、北欧生まれのプロダクトが持つ機能美や、それを日本の住まいへスマートに取り入れるためのアイデアを、これから紹介していきます。

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