北欧で見つけた美しいデザインと、心地よい部屋づくりのヒント。

〈フレデリシア〉の受け継がれるクラフトマンシップ。【3daysofdesign 2026レポート】August 21, 2026 /〔PR〕

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天板とキャスターをあしらったモーエンス・コッホの名作「MKブックケース」の上には、復刻したナナ・ディッツェルの「Trisse」。ブランドの歴史を振り返る「Fredericia: A Chronicle of Danish Design」は、コペンハーゲンのショールームで11月まで開催中。

進化を続けるデザインと受け継がれる価値観。

1911年創業のデンマークの家具ブランド〈フレデリシア〉。ボーエ・モーエンセンやハンス・J・ウェグナー、ナナ・ディッツェルら巨匠による名作に加え、ジャスパー・モリソン、セシリエ・マンツといった現代のトップデザイナー、さらにアップカミングな若手デザイナーによる製品で、デンマークデザインの伝統を守りながら、進化を続けている存在だ。

6月にコペンハーゲンで開催された「3daysofdesign」の目玉は、ナナ・ディッツェルが60年代にデザインした《Trisse》の復刻。デンマーク語で「糸巻き」を意味する「Trisse」シリーズは多様なサイズ展開で、子供から大人までスツールやサイドテーブルとして多用途に使える自由度の高い設計だ。オークの無垢材で再登場したこのプロダクトは、彫刻的な美しさを備えていて、単体でも大小組み合わせても楽しいデザイン。

コペンハーゲン在住のインダストリアルデザイナー、セシリエ・マンツのチェアとテーブルからなる「Post」シリーズには、ゆったりと座れるラウンジチェアも加わった。余計なものを削ぎ落とし、本質的に焦点を当てた彼女らしいミニマルなラウンジチェア。日本では10月から展開予定。

美しい街並みを望むコペンハーゲンのショールームに、大小の「Trisse」が並んだラウンジが出現。
美しい街並みを望むコペンハーゲンのショールームに、大小の「Trisse」が並んだラウンジが出現。
ベースが「Trisse」を思わせるコートスタンド「ND09」は、ナナ・ディッツェルが1963年にデザインしたもの。
ベースが「Trisse」を思わせるコートスタンド「ND09」は、ナナ・ディッツェルが1963年にデザインしたもの。
ショールームが過去に郵便局として利用されたことから名付けられた、セシリエ・マンツの「Post」シリーズの新作として、ラウンジチェアが登場。
ショールームが過去に郵便局として利用されたことから名付けられた、セシリエ・マンツの「Post」シリーズの新作として、ラウンジチェアが登場。
バーバー・オズガビーによる「Plan」チェアには、木製、布張りなど様々なバージョンがあり、素材や色の組み合わせで自分らしい一脚が見つかる。写真のブルーは今年新たに加わった新色モデル。イベント期間中のショールームにて。
バーバー・オズガビーによる「Plan」チェアには、木製、布張りなど様々なバージョンがあり、素材や色の組み合わせで自分らしい一脚が見つかる。写真のブルーは今年新たに加わった新色モデル。イベント期間中のショールームにて。
2024年に登場したジャスパー・モリソンがデザインした「Jota」ソファと、マリア・ブルーンによる「Islet」コーヒーテーブル。
2024年に登場したジャスパー・モリソンがデザインした「Jota」ソファと、マリア・ブルーンによる「Islet」コーヒーテーブル。

ショールームでは新作発表やコレクション展示のほか、100年以上にわたる〈フレデリシア〉の歩みを振り返るエキシビション「Fredericia: A Chronicle of Danish Design」も開催。4月にトリエンナーレ・ミラノで発表されたものが、本国ではさらに充実したものとなっていた。デニッシュモダン黄金期を形づくった名作から現代の製品まで〈フレデリシア〉の歴史を辿ることで、デンマークデザインを形作る技術や知識、価値観や考え方までもが自然と見えてくる仕組みだ。デザインの背景にあるデザイナーのドローイングやインスピレーション源など貴重なアーカイブも公開され、展示は11月までショールームで見ることができる。

家族経営による〈フレデリシア〉の現在を担うのは、2024年に3代目CEOに就任したラスムス・グラヴァーセンさん。デザイン責任者のデザイナー、マリア・ブルーンさんとともに、新たな時代を築いている。

「デンマークデザインとは、クラフトマンシップや歴史、伝統だけではありません。現代を代表する優れたデザイナーたちとの協働も、その重要な要素です」と語るラスムスさん。マリアさんは「現代の私たちの生活は、家族の形や暮らし方もひと昔前とは異なります。過去が現在を形作る一方で、現在もまた過去の価値を更新していく。私たち世代の感覚で、過去のプロダクトも新たに捉え直すことで新たな価値が見つかります。そんな”過去と現在の対話”が〈フレデリシア〉の本質です」と語り、「家具はライフステージに合わせて買い替えるものではなく、暮らしに合わせて育てていくもの」と続ける。

例えば「Trisse」は、現地では子どもが教会で洗礼を受けたときのプレゼントの定番であり、小さい頃は遊具やテーブルとして使い、その後スツールやサイドテーブルとして、人生を通して使い続けられることも伝統の一部だと教えてくれた。

現在はデンマーク人のみならず、さまざまな国のデザイナーとも協業している彼ら。「新しいデザイナーに求めることは、歴史を恐れず、自分の個性をもっていて、ブランドに挑戦を与えてくれること。長い時間をかけて関係を構築し、最終的には〈フレデリシア〉のDNAに溶け込むプロダクトになるまで議論を重ねます」とラスムスさん。昨年秋に東京・外苑前にショールームがオープンしたことで、日本でもさらに知名度が上がっているが、日本で支持を集める理由については、デンマークも他のヨーロッパに比べて部屋が比較的小さいこと、家具に実用性や多用途を求めることなど、共通点が多いからではないかと分析する。

4月にトリエンナーレ・ミラノで開催された展覧会が、より規模を大きく、充実したものになってコペンハーゲンへ巡回。
4月にトリエンナーレ・ミラノで開催された展覧会が、より規模を大きく、充実したものになってコペンハーゲンへ巡回。
ジャスパー・モリソンの「Jota」ソファ。展示のための引き出し付きの什器は、マリア・ブルーンがデザインしたもの。
ジャスパー・モリソンの「Jota」ソファ。展示のための引き出し付きの什器は、マリア・ブルーンがデザインしたもの。
製品のすぐ下の引き出しには、ドローイングや模型、プロトタイプなど関連資料が展示され、デザインの背景がわかる仕組み。写真はヒューゴ・パッソスの「Gomo」シリーズ。
製品のすぐ下の引き出しには、ドローイングや模型、プロトタイプなど関連資料が展示され、デザインの背景がわかる仕組み。写真はヒューゴ・パッソスの「Gomo」シリーズ。
ナナ・ディッツェルのコーナーには現在の「トリニダードチェア」の元となった木製モデルも。手前は1989年にデザインされ、昨年復刻された「Bench for Two」
ナナ・ディッツェルのコーナーには現在の「トリニダードチェア」の元となった木製モデルも。手前は1989年にデザインされ、昨年復刻された「Bench for Two」
現行品の武内経至の「Setoスツール」に加え、ナナ・ディッツェルの「Sonar」チェア、セシリエ・マンツの「Micadoテーブル」など、現在は製造されていない貴重なアーカイヴも。
現行品の武内経至の「Setoスツール」に加え、ナナ・ディッツェルの「Sonar」チェア、セシリエ・マンツの「Micadoテーブル」など、現在は製造されていない貴重なアーカイヴも。
3代目CEOのラスムス・グラヴァーセンさんとブランドのデザイン責任者を務めるデザイナーのマリア・ブルーンさん。
3代目CEOのラスムス・グラヴァーセンさんとブランドのデザイン責任者を務めるデザイナーのマリア・ブルーンさん。

2人は日々の暮らしのなかで、お気に入りの家具とどのように過ごしているのだろうか?

ラスムスさんは「家族から受け継ぎ、子どもの頃から使っているボーエ・モーエンセンの『Hunting Chair』に座ると、床に近い視点になることで気持ちが切り替わりリラックスできるんです」といい、マリアさんは「私自身がデザインした『Islet』コーヒーテーブルは、子どもと大人が同じ目線になることができて、ヒエラルキーがなくなり、家族の時間が豊かになると感じます。レゴなど散らかったおもちゃをサッと隠すのにも便利ですし(笑)」と語る。

ブランドの未来は「新しい製品を作ること」よりも「価値観を継承すること」が重要だと2人は口を揃える。単なる機能を超えて、感情や暮らし、人との関係性にも影響を与える家具という存在について、〈フレデリシア〉のプロダクトの数々が教えてくれた。

Brand InformationFredericia

1911年創業のデンマークの老舗家具ブランド。ボーエ・モーエンセンとの協働を礎に、デンマーク家具の伝統と職人技を継承してきた。木工家具に加え金属加工や張りぐるみの家具も手がけ、時代を超えて使い続けられる家具を生み出している。

→ fredericia.com/ja-jp

text : Sanae Sato

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