井伊百合子と考える、これからのクローゼット。

黒を愛するクローゼットへ、贅沢をもう一着。<ザ・ロウ>のブラックコート。October 03, 2026

スタイルのある人のワードローブはどのように形づくられているのだろう。&Premium155号(2026年11月号)「あの人のクローゼット」より、スタイリスト・井伊百合子さんと考えた、新しい季節の装いに取り入れたいアイテムを紹介します。

Black Coatー<THE ROW>

<THE ROW>のブラックコート。
流麗なフォルムのAラインコートは、人が纏うことで美しさが一層引き立つ。ボリューム感とスマートな佇まいとの調和に、パターンメイクの秀逸さが光る。コート¥621,500、セーター¥250,800、パンツ¥205,700(以上ザ・ロウ/ザ・ロウ・ジャパン ☎03‒4400‒2656)

黒を愛するクローゼットへ、贅沢をもう一着。

 冬の訪れを待つように、私のクローゼットには黒いコートがいくつも並んでいます。人から見ればどれも同じに見えるかもしれませんが、着てみるとそれぞれ全く異なる魅力があるのです。〈ザ・ロウ〉の新作のコートは、纏ったときのシルエットが息を呑むほど美しい。オーバーサイズでありながら上半身はすっきり見えるパターンで、ただ大きなコートを羽織っただけのスタイルとは違い、洗練された印象です。ダブルフェイスのバージンウールとカシミヤの混紡素材をフェルト加工しているので、裏地がないデザインながらもしっかりとした質感でとても温かい。レザーのノットボタンやポケット裏のシルク使いなど、細部の凝ったつくりにも〈ザ・ロウ〉らしさが薫ります。誰かに向けた誇示ではない、自分のための贅沢とでもいうのでしょうか。そうした、纏う人の内側にだけそっと響くような美しさに出合うたび、やはり私はこうした服が好きなのだと実感します。

Yuriko E

雑誌や広告のスタイリングを手がけるほか、着物ブランド〈ザ・ヤード〉のアドバイザーを務める。黒の服が日々のユニフォームで、冬の装いには黒いコートが欠かせない。

photo : Local Artist styling : Yuriko E hair & make-up : Rumi Hirose model : Mariya Asakawa(CINQ DEUX UN) text : Marie Miyazaki

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