京都さんぽの定番&寄り道スポットガイド
9時オープンの『坂田焼菓子店』をスタートに、一日楽しい上七軒へ。京都さんぽの定番と寄り道ガイド⑬March 17, 2024
本誌連載「&Kyoto」でおなじみ、現地在住のライター、コーディネーターの大和まこさんが案内する、京都旅で訪れたい14の定番と28の寄り道スポット。ここでは、『坂田焼菓子店』と周辺の寄り道スポットを紹介します。
定番⑬ 坂田焼菓子店
手づくり市で評判となり、2015年に店を構えて以来ずっと人気店であり続ける。坂田さんが作る菓子の味のベースは、子どもの頃に母親が作ってくれた焼き菓子。たびたび訪れるカナダで、パイ専門店で働くなどして、レシピを進化させてきた。クッキーやスコーンの焼き菓子に加え、アップルパイなど季節果物のパイも。
▷京都市上京区今出川通六軒町西入ル西上善寺町181−1−1−B ☎075−461−3997 9:00〜15:00(売り切れ次第終了) 月火休
朝からでも昼からでも楽しみの尽きない界隈。
いい焼き菓子店は京都に何軒もあるけれど、『坂田焼菓子店』が素晴らしいのは味はもちろん、朝の早い時間から営業していること。焼き菓子店には珍しい9時開店。訳を尋ねると「街中から離れてるから、観光の人も朝一番で来てもらったら、いろいろ巡りやすいかなと思って」と、店主の坂田保子さんの気配りによるものだった。画家の今井麗による包装紙も素敵だし、現代美術家の加賀美健のエコバッグも可愛くて、つい足を運びたくなってしまうのだ。
辺りは北野天満宮からも近い上七軒。花街の一つで、石畳の通りも風情がある。その中ほどにある『グリル彌兵衛』の洋食も界隈の楽しみ。店主の山村敏夫さんは老舗フランス料理店で修業を積んだ料理人。開業前から仕込んで注ぎ足し使うデミグラスソースも、クリームよりも鳥取産のカニ身が多いクリームコロッケも、どれもが品よく、さすが花街洋食と感嘆する。ランチは種類や機会が限られるもののそれも惹かれる並び。ディナータイムに合わせて足を運べるなら、『坂田焼菓子店』から上七軒や北野天満宮を巡り、15時開店の『セカンド ロイヤル ショップ』へ。思う存分レコードの世界に浸ったのちに『グリル彌兵衛』へ向かうのがベストコースだ。
寄り道スポット
illustration : Junichi Koka