京都さんぽの定番&寄り道スポットガイド

『かみ添』の紙ものに、ギャラリー、漆器…西陣クラフトさんぽ。京都さんぽの定番と寄り道ガイド⑫March 16, 2024

本誌連載「&Kyoto」でおなじみ、現地在住のライター、コーディネーターの大和まこさんが案内する、京都旅で訪れたい14の定番と28の寄り道スポット。ここでは、『かみ添』と周辺の寄り道スポットを紹介します。

定番⑫ かみ添 グラフィックデザイナーとして活躍した後に、唐紙の老舗『唐長』で修業を重ねて、2009年に独立した嘉戸さん。10年前には「中心地から離れているぶん落ち着きがあるこの場所を選んだ」とコメントを残している。カードや便箋などの紙小物の制作から、現代美術家らアーティストのコラボレーションによる作品づくりまで、活動の幅は広い。▷京都市北区紫野東藤ノ森町11−1 ☎075−432−8555 12:00~18:00 月休ほか不定休

定番⑫ かみ添

グラフィックデザイナーとして活躍した後に、唐紙の老舗『唐長』で修業を重ねて、2009年に独立した嘉戸さん。10年前には「中心地から離れているぶん落ち着きがあるこの場所を選んだ」とコメントを残している。カードや便箋などの紙小物の制作から、現代美術家らアーティストのコラボレーションによる作品づくりまで、活動の幅は広い。

▷京都市北区紫野東藤ノ森町11−1 ☎075−432−8555 12:00~18:00 月休ほか不定休

手仕事の美に見とれるクラフト巡りを西陣で。

 遡ること10年前、連載「&Kyoto」の1回目に紹介したのは鞍馬口通だった。西陣の北西にあるこの界隈は、風情を残しながらも新しい動きが出始めた時期。『かみ添』はそのときにも登場してもらっているから、とびきりの定番といっていい。店主・嘉戸浩さんが一枚ずつ手で摺りあげる唐紙のなかでも、和紙を白く染め、そこに木版で白い紋様を摺りあげる白い唐紙は、凛とした美しさと温もりを兼ね備える。余計なものを削ぎ落とした町家の店で、便箋など、使うたびに心弾む日用の作品を手に入れる。それは暮らしていても京都らしいと、ため息が漏れる瞬間だ。
 さて10年経って改めて歩けば、当時はなかった『うめぞの茶房』ももはや定番。ヴィンテージを扱う『ダイアログ』も登場した。なかでも注目を集めるのは1本北の建勲通のギャラリー『kankakari』だ。大正15(1926)年に建てられた雑穀問屋の京町家を自らの監修で改修したのは店主の鈴木良さん。ふとここが京都であることを忘れるような静けさが満ちる空間で、現代工芸や古物の展覧会を開く。
 路地の中にひっそりとある、漆器を扱う『ギャラリーやなせ』も見逃したくない存在。上質ながら気負うことのない、塩梅のいいセレクトが魅力。

寄り道スポット

ギャラリーやなせ
中村好文がリノベーションを手がけた町家で、瀬戸晋、加藤那美子らの漆器を揃える。▷京都市北区紫野南舟岡町61−28 ☎075−468−1627 12:00~18:00 火~木休ほか不定休
ギャラリーやなせ
中村好文がリノベーションを手がけた町家で、瀬戸晋、加藤那美子らの漆器を揃える。▷京都市北区紫野南舟岡町61−28 ☎075−468−1627 12:00~18:00 火~木休ほか不定休
カンカカリ
年に10回ほどのペースで開催される展覧会。内容で雰囲気は一変する。▷京都市北区紫野下築山町15 ☎なし 展示期間のみオープン、詳細はInstagram@kankakari_で。
カンカカリ
年に10回ほどのペースで開催される展覧会。内容で雰囲気は一変する。▷京都市北区紫野下築山町15 ☎なし 展示期間のみオープン、詳細はInstagram@kankakari_で。

Kyoto Strolling Guide京都さんぽの定番&寄り道スポットガイド。

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illustration : Junichi Koka


「京都さんぽ部」部長、ライター、コーディネーター。 大和 まこ

「京都さんぽ部」部長。ライター、コーディネーター。京都暮らしも、もはや25年目に。連載「&Kyoto」は2022年に100回目を迎えて継続中。京都の景色や、食べたもの、買ったものをInstagram(@makoyamato)で発信している。

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