京都さんぽの定番&寄り道スポットガイド

わざわざ伏見に行ったなら、人形『丹嘉』と食の土産を。京都さんぽの定番と寄り道ガイド⑩March 14, 2024

本誌連載「&Kyoto」でおなじみ、現地在住のライター、コーディネーターの大和まこさんが案内する、京都旅で訪れたい14の定番と28の寄り道スポット。ここでは、『丹嘉』と周辺の寄り道スポットを紹介します。

定番⑩ 丹嘉 創業は寛延年間 (1748~1751年) で、8代目の大西貞行さんまで受け継がれている。稲荷山の土で作った土人形で祈願したことに始まるという伏見人形。全国で90種類以上ある土人形で、伏見人形の系統を引かないものはないといわれるほど、土人形の元祖でもある。伏見稲荷の眷属である狐から饅頭喰、招き猫、福助と、どこかユーモラスなデザインと鮮やかな彩色が特徴だ。 ▷京都市東山区本町22−504 ☎075−561−1627 9:00~18:00 日祝休

定番⑩ 丹嘉

創業は寛延年間(1748~1751年)で、8代目の大西貞行さんまで受け継がれている。稲荷山の土で作った土人形で祈願したことに始まるという伏見人形。全国で90種類以上ある土人形で、伏見人形の系統を引かないものはないといわれるほど、土人形の元祖でもある。伏見稲荷の眷属である狐から饅頭喰、招き猫、福助と、どこかユーモラスなデザインと鮮やかな彩色が特徴だ。

▷京都市東山区本町22−504 ☎075−561−1627 9:00~18:00 日祝休

伏見稲荷から脇に抜け、工芸と和菓子とパンと。

 朱塗りの千本鳥居で知られる伏見稲荷は今、国内外から押し寄せる観光客で大賑わい。観光モードの店も多いけれど、よく見れば実は魅力的なさんぽのシーンが潜んでいる。
 ここでの定番は『丹嘉』。桃山時代末頃から作られ始めたという伏見人形の、今も残る唯一の窯元だ。古いものは江戸から受け継がれる型を使って作るという土人形は、どこかユーモラスなデザインと鮮やかな彩色が特徴。伝統的な意匠から新作まで、連れて帰りたくなるものが見つかる。ショーケースに並ぶアーカイブをじっくり見学できるのも、窯元へ足を運んだご褒美。
 界隈の最寄りはJR稲荷駅と京阪本線伏見稲荷駅。駅から『丹嘉』への道すがらに風情を漂わせる『稲荷ふたば』にも立ち寄らずにはいられない。『出町ふたば』初代の暖簾分けで、昭和8(1933)年に祇園で創業。昭和30(1955)年からは現在地へ場所を移し、以来、伏見の銘水を使い昔ながらの菓子づくりを続ける。素朴な味は気取らないおやつにぴったりだ。
 もう一軒欠かせないのは、2023年に伏見稲荷駅の目の前に越してきたベーカリー『エイト』。モダン空間に並ぶパンは捻りがきいていて迷うこと必至。界隈で見つける普段着の京都を楽しみたい。時間を。

寄り道スポット

エイト
ハード系からキッシュなどの惣菜系、おやつパンまで幅広い世代の心を摑むパンが揃う。▷京都市伏見区深草一ノ坪町29−4 ☎075−645−7131 8:00~18:00 月休ほか不定休
エイト
ハード系からキッシュなどの惣菜系、おやつパンまで幅広い世代の心を摑むパンが揃う。▷京都市伏見区深草一ノ坪町29−4 ☎075−645−7131 8:00~18:00 月休ほか不定休
稲荷ふたば
餅は滋賀・甲賀産の羽二重もち米を石臼で杵つき。豆大福や紅大豆の紅大福が名物。▷京都市伏見区深草稲荷中之町55 ☎075−641−3612 9:00〜18:00 木休ほか不定休
稲荷ふたば
餅は滋賀・甲賀産の羽二重もち米を石臼で杵つき。豆大福や紅大豆の紅大福が名物。▷京都市伏見区深草稲荷中之町55 ☎075−641−3612 9:00〜18:00 木休ほか不定休

Kyoto Strolling Guide京都さんぽの定番&寄り道スポットガイド。

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illustration : Junichi Koka


「京都さんぽ部」部長、ライター、コーディネーター。 大和 まこ

「京都さんぽ部」部長。ライター、コーディネーター。京都暮らしも、もはや25年目に。連載「&Kyoto」は2022年に100回目を迎えて継続中。京都の景色や、食べたもの、買ったものをInstagram(@makoyamato)で発信している。

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