小林 エリカ – 作家・マンガ家 | & Premium (アンド プレミアム)

作家・マンガ家 小林 エリカ


8月31日から、『ユトレヒト』のオンラインにて。 / August 30, 2021 小林エリカさんが旅先で見つけたコレクションが手に入る貴重なイベントが開催。

文房具からアンティーク小物まで。ロゴ入りのスペシャルポーチ付き。

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『&Premium』本誌で連載されていた「文房具トラベラー」
にて、愛用の文房具愛を語ってくれていた作家、漫画家の小林エリカさん。そんな小林さんが、ヨーロッパやアジア、北欧など世界各国を旅して見つけた文房具やアンティーク小物のコレクションを、テーマに合わせてセットにして販売する特別なイベント「小林エリカ/机の上からはじまるMy Journey」が開催。明日8月31日(火)の12時から、『ユトレヒト』のオンラインにて、販売される(スタート時間になり次第、サイトが公開されます)
https://utrecht.jp/

十年あまり、世界を旅して見つけた文房具たち。いま、なかなか旅へ出かけられない中、文房具を通して遠い場所を感じてほしい。そして再び誰かのもとへまた旅をしてくれたら嬉しいという想いを込めて、コレクションの公開を決めた小林さん。イベントに寄せた「正直、手放すのがおしすぎて、何度も逡巡しましたが、それでもやっぱりこれらの愛しい品々は、私の引き出しの奥底にしまわれているよりは、だれかの机の上にのるほうが、ふさわしいでしょう」というコメントからも、どれだけ大切にしてきたかが伝わってくる。

旅の香りを感じる特別な文房具との出合い通じて、遠いあの場所へ想いを馳せるイベント。この機会をお見逃しなく。

 

EVENT INFORMATION

-小林エリカ/机の上からはじまるMy Journey

日時:2021年8月31日(火) 12:00〜
https://utrecht.jp/
*スタート時間になり次第、販売特設サイトのリンクが公開されます


&STATIONERY / August 26, 2021 小林エリカの文房具トラベラー vol.09「金銀」

小林エリカ 文房具トラベラー
小林エリカ 金銀 文房具 トラベラー

 私には鴉の血が流れているのやもしれぬと思うほど、光物の魅力には抗いがたい。金銀キラキラがピカピカが好き。それが例え本物のダイヤモンドでなくたって構わない。私はとにかく輝くものが好きなのよ☆
 ひとくちに金や銀といえどもその差は無限大。ちょうどイヌイットが白の種類を事細かに見分けるように、私のような鴉人間は口うるさい。
 イソップ物語のガチョウが産む卵のような金色、古墳の中に眠る鏡のような銀色、野原一面に降り注ぐ太陽のような金色、海を泳ぐコハダの背中のような銀色、ほら、夜空を見あげたときの星の色みたいな、そんな色々が欲しいのよ。
 しかしながら、光を紙の上に定着させようというのは至難の業だ。輝きをペンやインクなんかの液体で再現しようというのがそもそも無謀というものである。とはいえ、それでもそんな我が果てしない欲望を叶えてくれる筋金入りの文房具たちがこの世には存在するのだ。その精鋭たちの放つ輝きを見るたびに、私はうっとりとその光に吸い込まれそうになる。

左/絵の具は〈吉祥〉の日本画材料顔料が好き。赤金もあり。中/友人から教えてもらったチェコ〈centropen〉の水性金銀ペンは発色も使い勝手も最強! 右/英国の〈WINSOR & NEWTON〉のインク壺シリーズの可愛さは無敵。小林エリカ フォルダ 文房具 トラベラー 金銀
左/絵の具は〈吉祥〉の日本画材料顔料が好き。赤金もあり。中/友人から教えてもらったチェコ〈centropen〉の水性金銀ペンは発色も使い勝手も最強! 右/英国の〈WINSOR & NEWTON〉のインク壺シリーズの可愛さは無敵。

edit : Kisae Nomura
※この記事は、No.10 2014年8月号「&STATIONERY」に掲載されたものです。


&STATIONERY / August 19, 2021 小林エリカの文房具トラベラー vol.08「フォルダ」

小林エリカ 文房具トラベラー
小林エリカ フォルダ 文房具 トラベラー

 デスクトップに散らばった書類やファイルがボーンという音と共にフォルダの中へみるみる収まってゆく様は、快感以外の何ものでもない。偉大なMac、そのフォルダの中へは、いくらだって何だって入るのだ。実世界の片付けもこれほど容易だったらどれほどよかろうに、と考えていたある日、私に必要なのはフォルダであるということに気がついた。油断すると鞄の中にカオスが形成されてしまう我が習性、しかしほら、フォルダさえあれば、こんなにすっきり!
 しかし、いままで相対したことのなかったフォルダという存在が、なんとも可愛い、その上便利じゃないか、というのが問題であった。故に我が手元にフォルダは増殖、果たしてどこに何をしまったかが思い出せないという不測の事態が発生中。
 気づけば私のフォルダ好きは仮想空間の中でさえ増長して、もはやマトリョーシカ状の入れ子構造を形成しはじめている。
 我がフォルダ問題、依然解決してはいないが、いつか私自身の習性がアップデートされるはず、と新規フォルダに手を伸ばしては決まって頭を抱えることになる。

左/鮮やかなカラーが可愛いアメリカのOfficeMaxの品。レターサイズ対応の大もアリ。中/日本が誇る紙製品、間伐材保存袋、その名もPEACEKEEPER。右/デンマークのインテリアブランド〈HAY〉は、紙製品も要チェック。 小林エリカ フォルダ 文房具 トラベラー
左/鮮やかなカラーが可愛いアメリカのOfficeMaxの品。レターサイズ対応の大もアリ。中/日本が誇る紙製品、間伐材保存袋、その名もPEACEKEEPER。右/デンマークのインテリアブランド〈HAY〉は、紙製品も要チェック。

edit : Kisae Nomura
※この記事は、No.9 2014年7月号「&STATIONERY」に掲載されたものです。


&STATIONERY / August 12, 2021 小林エリカの文房具トラベラー vol.07「学習帳/練習帳」

小林エリカ 文房具トラベラー
小林エリカ 文房具 トラベラー   学習帳 練習帳

 子ども向けの学習帳や練習帳に引かれたアルファベット書き取り用の三本線、淡い紫やブルーで引かれたグリッド。いくら大人になっても、ジャポニカ学習帳やツバメノートに思わずその目を奪われずにはいられないのは、きっと郷愁のせいだけではないはず。
 小学校時代の記憶をよみがえらせつつ、旅先のスーパーマーケットの子ども向けの売り場を覗けば、そこには3Dキャラクターやキラキラの表紙の帳面が幾つも並び、華やかなそれらを眺めるのもまた楽し。
 思い返せば、かつて学校での勉強が好きじゃなかったのは、強制配布された帳面が好みじゃなかった、という理由からなのではなかろうか。ちょうど遠足が嫌いだったのは、ダサイ体操服姿で街へ出かけなければならないのが屈辱的に思えた如く。子どもだからってなめてはいけない、媚びてもいけない、好みがあるんだ、敏感なのだ。
 いまになってようやくわかる。ほら、学習帳が可愛ければ、こんなにも思う存分学習できるわ、練習だってはかどるわ。帳面選びに余念が無い私、もはや三十六歳。

小林エリカ 文房具 トラベラー   学習帳 練習帳 左/香港の英語書き取り練習帳はクラシカル。裏面にはアルファベット一覧表も。右上/フランスはおなじみ、〈Clairefontaine〉のリングノート。方眼の微妙な色合いが◎。右下/アイスランドの子ども向け学習帳は渋くていいね。
左/香港の英語書き取り練習帳はクラシカル。裏面にはアルファベット一覧表も。右上/フランスはおなじみ、〈Clairefontaine〉のリングノート。方眼の微妙な色合いが◎。右下/アイスランドの子ども向け学習帳は渋くていいね。

edit : Kisae Nomura
※この記事は、No.8 2014年6月号「&STATIONERY」に掲載されたものです。


&STATIONERY / August 05, 2021 ROSE小林エリカの文房具トラベラー vol.06「ペーパーフラワー」

小林エリカ 文房具トラベラー
rose ペーパーフラワー 小林エリカ 文房具

乙女になりたい。お花やレースやリボンにうっとりしたい。たとえキッチンの花瓶が長らく空っぽであろうとも、殺伐としたデスクが目の前に待ち構えていようとも、乙女心を満たしてくれるのは、ガートルード・スタインのポエムのみならず、文房具屋のラッピング用品売り場の片隅にひっそりと咲くペーパーフラワーである。
 ところでいったいこの針金製の極小の花は何と言う名で、何の用途のものなのか? チョコレートやお菓子の袋の口を結んだりするものであろうか? そもそもなぜ文房具屋に並んでいるのか? 果たしてGoogle検索したところで何とも判然としない代物ではあるが、薔薇を何本もあわせて超ミニサイズの花束を作るも良し、手紙と一緒に封筒に入れるも良し、プレゼントに結ぶも良し、と私は大層愛用している。しかしながら文房具としての実用度はペンや鉛筆どころかコンパスや分度器に比べてさえ遥かに低いのであるが、でもだからこそなおいっそう愛おしい。
 乙女とは、無為にも等しい贅沢を愛でることができる心持ち♡

ペーバーフラワー 小林エリカ 文房具 トラベラー 左/ベトナムの古びた文房具屋の片隅で発見した薔薇の花。中/エストニアの古都・タリンの文房具屋で売られていたのは金属製のシールタイプ。右/渋谷PARCOの〈POV STORE Bangkokシテン〉にて入手したタイの花。
左/ベトナムの古びた文房具屋の片隅で発見した薔薇の花。中/エストニアの古都・タリンの文房具屋で売られていたのは金属製のシールタイプ。右/渋谷PARCOの〈POV STORE Bangkokシテン〉にて入手したタイの花。

edit : Kisae Nomura
※この記事は、No.7 2014年5月号「&STATIONERY」に掲載されたものです。


&STATIONERY / July 29, 2021 CUT小林エリカの文房具トラベラー vol.05「鋏 -はさみ-」

小林エリカ 文房具トラベラー
鋏 はさみ cut  小林エリカ文房具トラベラー

 料理人が包丁を研ぐのに抜かりがないように、鋏を使う人間たるもの一様に、日々その鋭さを保ち、紙に、石に、グー・チョキ・パーに、勝負に、挑むべきである。
 ……とはいえ旅先の骨董市で見つけた錆びた鋏に、祖母の家の引き出しに眠っていた花鋏に、その切れ味をも凌駕する可愛さを見いだし、魅了されてしまったときの悶絶ときたらない。しかし、切れない鋏は、鋏にあらず。
 というわけで、悩んだ挙げ句、大概は我が必殺技を駆使することになる。なんと普通の鋏ならアルミホイルを重ねて切るだけで、かなりシャープな切れ味になるのである。もちろん研ぎ師のところへ持ってゆくのも良かろうが、なにせ簡単なのがいい。せっせとアルミホイルを切りながら、光る鋏を見つめては、うっとり。
 磨けば光る、研げば切れる、鋏です。
 失敬、文房具にお洒落を突き詰めていたはずが、どうしたわけか私、いつの間にか重曹使って台所掃除的なテンション満載になっておりますが、愛には鋏には、なりふりなんて構っていられない。

上/オランダはアムステルダムの運河沿いの骨董品店で入手した品。中/パリの蚤の市の発掘品。友人からのプレゼント。下/刃物といえばやっぱりドイツでしょうの〈ヘンケルス〉。"可愛い”と"切れる”の夢の合体がここにあり!
上/オランダはアムステルダムの運河沿いの骨董品店で入手した品。中/パリの蚤の市の発掘品。友人からのプレゼント。下/刃物といえばやっぱりドイツでしょうの〈ヘンケルス〉。"可愛い”と"切れる”の夢の合体がここにあり!

edit : Kisae Nomura
※この記事は、No.6 2014年4月号「&STATIONERY」に掲載されたものです。


&STATIONERY / July 22, 2021 THIS IS A Ballpoint PEN小林エリカの文房具トラベラー vol.04「ボールペン」

小林エリカ 文房具トラベラー
文房具トラベラーボールペン小林エリカ

 旅先でボールペンを見つけることほど楽しいことはない。ベッドの枕元、電話の脇にメモパッドと一緒にひっそり置かれたそれが可愛いだけで俄然テンションが上がる。一時期アメリカの安モーテルのボールペンをコレクションしていたこともあったほど。日本の古き良き旅館なんかもイカしたオリジナルボールペンを備えていたりするから気が抜けない。観光地へ行けば土産物屋のご当地ボールペンコーナーは欠かさずチェック、スーパーで袋詰めになったオフィス用は意外と書きやすいのよ、と袋を握りしめ……。いやいや私書くことが仕事ですから、と言い訳を重ねてみても、我が文房具♡精神、一体全体どこから湧きあがり、どこへ向かうのか。宇宙空間でさえ縦横無尽に転がるペン先のボールのごとく、私にとっては極めて偉大な謎である。
 しかし、結局のところ、実際に使うボールペンは書いても消せる〈伊東屋〉のオリジナルフリクションボールえんぴつなのよね、な今日この頃。というわけで今回から大きな枠になった文房具トラベラー、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

上/「私はエスペラントで書きます」と書かれた品は、リトアニアのエスペラント(国際共通語)の世界大会で購入したもの。中と下/イギリス〈WHSmith〉のオフィス用ボールペン。駅などでダース売りされている品。
上/「私はエスペラントで書きます」と書かれた品は、リトアニアのエスペラント(国際共通語)の世界大会で購入したもの。中と下/イギリス〈WHSmith〉のオフィス用ボールペン。駅などでダース売りされている品。

edit : Kisae Nomura
※この記事は、『&Premium』No.5 2014年3月号「&STATIONERY」に掲載されたものです。


&STATIONERY / July 15, 2021 Calendar Card小林エリカの文房具トラベラー vol.03「はじまりはカレンダー・カード」

小林エリカ 文房具トラベラー

文房具と呼んでよいかは不明だが、北京のマーケットで自分の生まれた年のカレンダー・カードを見つけた。そうだ、確かに昔、父の財布の中なんかにはいつもカレンダー・カード(恐らくどこかのお店かなにかで貰ったやつ)が入っていたものだ。いまやたとえiPhoneに入れたGoogleカレンダーが手放せなくとも、マーケットでは別である。ポルトガルでも、古いカレンダー・カードを手に入れた。カレンダーには可愛いものがつきものとは万国共通らしい。

ポルトガルで見つけた猫ちゃん1993。
ポルトガルで見つけた猫ちゃん1993。
北京で見つけた猫ちゃん1978。
北京で見つけた猫ちゃん1978。

edit : Kisae Nomura
※この記事は、『&Premium』No.4 2014年2月号「&STATIONERY」に掲載されたものです。


&STATIONERY / July 08, 2021 Sketch Sketch Sketch.小林エリカの文房具トラベラー vol.02 「スケッチスケッチスケッチ。」

小林エリカ 文房具トラベラー

ちょうどスパイがポケットにピストルをしのばせるようにスケッチブックを持ちたいものだ。その機能性は勿論のこと、外見や肌触りが気に入らなければ気が乗らないし、バッグから取り出すときに格好もつけたい。値段が高けりゃいいってものでもない。たかがスケッチブック。されどスケッチブック。スケッチするとは、人生のある瞬間を共にすることであり、つまるところパートナー選びのごとく重要で……といくら書いても紙が足りない。

浮気心は〈Dressco〉と〈リトル・モア〉で。
浮気心は〈Dressco〉と〈リトル・モア〉で。
相棒は〈LIFE〉のバンクペーパー。
相棒は〈LIFE〉のバンクペーパー。

edit : Kisae Nomura
※この記事は、『&Premium』No.3 2014年1月号「&STATIONERY」に掲載されたものです。


&STATIONERY / July 01, 2021 I ♥Lettering Template小林エリカの文房具トラベラー vol.01 「I ♥ レタリング・テンプレート」

小林エリカ 文房具トラベラー

数ある文房具の種類の中でも、レタリング・テンプレートほど愛しいものはない。アルファベット、数字、ひらがな、大小様々に並ぶ文字たち。好きが嵩じて〈kvina〉でかつてオリジナルのテンプレートを製作したこともあるほど。旅先では未だ見ぬ幻のテンプレートを探し出すのが我が最大の楽しみである。大概埃をかぶって店の隅に置かれているか、100円ショップ的な店や露店で投げ売りされているのであるが、それを掘り出し、文字をなぞる行為の嬉しさよ。

パリの文房具屋で入手、丸文字も可愛い。
パリの文房具屋で入手、丸文字も可愛い。
アメリカ・NYの1ドルショップで入手。
アメリカ・NYの1ドルショップで入手。

edit : Kisae Nomura
※この記事は、『&Premium』No.2 2013年12月号「&STATIONERY」に掲載されたものです。


作家・マンガ家 小林 エリカ

シャーロック・ホームズ翻訳家の父と練馬区ヴィクトリア町育ちの四姉妹を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)発売中。2021年夏、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)が発売。

Latest Issue暮らしの中の、大人のスタンダード。2021.09.18 — 880円