MUSIC 心地よい音楽を。
今月の選曲家 haruka nakamuraSeptember 14, 2018
September.14 – September.20, 2018
Saturday Morning

目覚めると、森だった。
正確に言えば、
部屋の窓からの風景が全て森なのだ。
たまに滞在する森の中の一軒家。
鹿でも現れるのではないかと、
しばらくベッドで横になりながら緑を見つめる。
朝鳥があちらこちらで挨拶を交わしている。
秋の風が木々を揺らし、
木漏れ日がこの部屋にも流れ込む。
やがて、2階からアップライトピアノ
の音が聴こえてくる。
友人が弾く朝のピアノ。
ブラームスの間奏曲。作品118第2番。
本当は作品117のほうが聴きたかったけれど。
さらに弾いているのがグールドなら
天国なのだけれど、今は、
彼がゆったりと弾く作品118が、
この窓からの光景におそろしく溶け込んでいる。
ブラームスはこんな朝に、
この旋律を書いたのだろうか。
アルバム『Brahms Glenn Gould 10 INTERMEZZI FOR PIANO』収録。
正確に言えば、
部屋の窓からの風景が全て森なのだ。
たまに滞在する森の中の一軒家。
鹿でも現れるのではないかと、
しばらくベッドで横になりながら緑を見つめる。
朝鳥があちらこちらで挨拶を交わしている。
秋の風が木々を揺らし、
木漏れ日がこの部屋にも流れ込む。
やがて、2階からアップライトピアノ
の音が聴こえてくる。
友人が弾く朝のピアノ。
ブラームスの間奏曲。作品118第2番。
本当は作品117のほうが聴きたかったけれど。
さらに弾いているのがグールドなら
天国なのだけれど、今は、
彼がゆったりと弾く作品118が、
この窓からの光景におそろしく溶け込んでいる。
ブラームスはこんな朝に、
この旋律を書いたのだろうか。
アルバム『Brahms Glenn Gould 10 INTERMEZZI FOR PIANO』収録。
Sunday Night

車は夕暮れの高速道路を走っている。
家々のあかりが灯り出している。
今日は日曜日。おだやかに暮らす人々は、
夕べの食卓を囲む時間だ。
僕らは何処へ行くとも知れずただひたすらに、
日が暮れる高速を西へ西へと向かっている。
車内の会話はさっきのSAから皆無だ。
もう、1時間ほど経過しただろうか。
「昔、好きだったんだ」と彼が言い、
ずっとリピートしている、この曲のせいだろう。
車窓の向こうには夕焼けと街灯のコントラスト。
いつまでも終わらないような、
美しく物悲しい情景。
しかしひっそりと、確実に、
夜は訪れている。
永遠に繰り返される
この曲のリピートを終える頃、
僕らは何処かへ辿り着けるのだろうか。
アルバム『Ma Fleur』収録。
家々のあかりが灯り出している。
今日は日曜日。おだやかに暮らす人々は、
夕べの食卓を囲む時間だ。
僕らは何処へ行くとも知れずただひたすらに、
日が暮れる高速を西へ西へと向かっている。
車内の会話はさっきのSAから皆無だ。
もう、1時間ほど経過しただろうか。
「昔、好きだったんだ」と彼が言い、
ずっとリピートしている、この曲のせいだろう。
車窓の向こうには夕焼けと街灯のコントラスト。
いつまでも終わらないような、
美しく物悲しい情景。
しかしひっそりと、確実に、
夜は訪れている。
永遠に繰り返される
この曲のリピートを終える頃、
僕らは何処かへ辿り着けるのだろうか。
アルバム『Ma Fleur』収録。
音楽家 haruka nakamura

青森県出身。杉本博司「江之浦測候所」の映像音楽を制作。CITIZENの音楽を3シーズンに渡り務め、2018年、100周年記念の映像音楽を手がける。ミロコマチコ、柴田元幸とセッションを重ねる。現在は来年に向けて、新たに開始するバンド編成での音楽を準備中。