INTERIOR 部屋を整えて、心地よく住まうために。
古布や民族衣装に宿る、手仕事の魅力に惹かれて。〈WONDER FULL LIFE〉主宰・大脇千加子さんの布と暮らし。October 28, 2026
服として身にまとい、日用品やインテリアとして暮らしを包み込む。テキスタイルは、私たちの毎日を支える存在です。&Premium156号「テキスタイルと暮らし」(2026年10月20日発売)より、〈WONDER FULL LIFE〉主宰・大脇千加子さんの住まいを紹介します。
テキスタイルの手仕事から、暮らし方を考える。
インドの古いブロックプリントやサリー。マハラジャが着ていたゴージャスな刺繍の衣装。アフリカのヨルバ人の織物や、シピボ族が泥で描いた幾何学模様の布。そんな古今東西の手仕事からインスピレーションを得たり、素材にしたりして、独自の手法で衣服やプロダクトを展開する〈ワンダーフルライフ〉。主宰する大脇千加子さんになぜ布に魅せられたかと聞けば、最初は美しい刺繍や織物の手仕事に惹かれたのだという。
「原始的な理由から作られた布が好きで。織る、刺繍するといった手仕事には、祈りが込められていたり、瞑想の作用があったりするんですよね」
また、インドのカディという手紡ぎ手織りの布は自由と独立運動の象徴でインド人の誇りが込められている。布を眺めていると、そこに文化や物語が想像できるところも心惹かれる理由だという。
「アフリカのおおらかさや、アジアの緻密さなど、その土地らしさが見えてくるのが面白い。また、昔は男性のみだった工房に女性が入り始めたとか、戦争で材料がないから古着を織り込んでいるとか、そんな時代背景も見えてきます」
職人の高齢化や消えゆく原料など、ものづくりの環境が厳しくなっていくなかで、古い布の多くは貴重なもの。資料として大切に保管しているのかと思いきや、「しまい込んで忘れてしまうのが一番もったいない」と大脇さん。
「布の蒐集は自分にとってのフィールドワークでもあり、暮らしの必需品でもある。これから生きていくのに、どう布を使い、どう衣服をまとうのか。そんなことを考えるために、古布や民族衣装を入手して生活の中で生かしながら学んでいます」
使い続けることで伝承できる技術もあるし、伝統に新たな視点を取り入れることで別のクリエイションが生まれることもある。改めて感じているのは手仕事にしかない魅力。
「これだけデジタルが発達すると、簡単に素敵に見せることはいくらでもできると思います。でも、手触りから感じる魅力や心に残る印象深さは、やっぱり手仕事だからこそ。すぐに結果を求められる効率主義の現代ですが、無駄に思える時間や手間からこそ、長く大切にしたいものが生まれるとも信じています。手間ひまかけて丁寧に作られたテキスタイルに触れていると、これから大切にしたいことや、どんなふうに暮らしていきたいのかを、改めて考えさせられるのです」

大脇千加子/Chikako Owaki〈WONDER FULL LIFE〉主宰
染めや陶芸、真鍮や織物など、さまざまな分野の国内外の作り手と協働しながら、プロダクトの制作やアートワーク、インスタレーションなど幅広く活動。
photo : Akiko Baba text : Shiori Fujii edit : Chizuru Atsuta












































