MUSIC 心地よい音楽を。

シンガーソングライター 大石晴子さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1September 04, 2026

September.4 – September.10

Saturday Morning

Title.
Pekanpe Uk
Artist.
Umeko Ando
 このところ、言葉の少ない音楽を聴くことが増えました。囃子詞(はやしことば)のようなフレーズが繰り返されるこの曲も、聴いていて心地良いです。意味を離れて、独特な音の響きは肌触りになって、こちらをそっと刺激してくる。
 空いている電車に乗って、走行音を聞きながら移動する時間が好きです。この曲を流しているときも、それに似た時間が漂っている気がします。思考が整理されるような、掻き混ぜられるような。私が発明家だったら、世界を変えてしまうほど素敵なこと閃いたりして。
 予定のない土曜の朝に、ひと先ずコーヒーでも淹れながら聴きたいです。
アルバム『Ihunke』収録。

Sunday Night

土曜の朝と日曜の夜の音楽。
Title.
今度君に会ったら
Artist.
KAN
 小学3年生の頃、休み時間になると度々、担任の先生のところに行ってあれこれ話していた記憶があります。授業の質問というわけでもなく、例えば最近自分の身に起こったことや考えたことを、話すというか一方的に伝えていたように思う。いつも優しく聞いてくださった先生、お元気でお過ごしでしょうか?
 一方、今の私はというと、積極性は失われ、そのくせ良く思われたい願望は人一倍強く……自意識を煮詰めて焦がしたもの、という感じで何だかうまく話せない。では、変わらずあの頃のままだったら? 自分で作った歌を歌う、なんてこともせずに済んだかも知れません。誰かに話せなかったこと、話してみたいがきっとまた話せないであろうことが、自分の制作の根底にありそうです。
 1週間の終わり、この間のことや明日からのことに思いを馳せる夜、聴きたい曲です。曲の中の彼は、君にまた会えたのかな。最高のラブソングの一つだと思います。私も歌を作ろう。
アルバム『MAN』収録。

edit : Seika Yajima


シンガーソングライター 大石晴子

HarukoOishi
大阪府生まれ、神奈川県育ち。日々の生活のなかにひそむ感情の機微を、余白のある詩的表現と浮遊感のあるメロディーで綴るシンガーソングライター。2022年に1stアルバム『脈光』、2024年にシングル「サテンの月」「沢山」をリリース。

oishiharuko.com

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