Small Circle of Friends – ミュージシャン | & Premium (アンド プレミアム)

ミュージシャン Small Circle of Friends


February 25, 2022 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/Small Circle of Friends vol.4

February.25 – March.03, 2022

Saturday Morning

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Title.
Friendly Man
Artist.
The Free Design
夜明けとともにザ・フリー・デザインの美しい声で目覚めたらならば、今日1日がきっと心地よい。スモールサークルオブフレンズのサツキとアズマで2月の「土曜の朝と日曜の夜の音楽」を選ぶ最終回です。
ならばそれはスペシャルであってほしいから、最高な音で目覚めよう。サンディ、エラン、クリスのデドリック兄弟による三人の声は完璧なコードの積みでハーモニーは朝日のようです。日本でのザ・フリー・デザインはギターポップのジャンルにカテゴライズされているけれど、もともとクリスが音楽を専攻し学んだことはジャズやクラシックの要素に昇華され、アカデミックな音像はそう一括りには語れないような奥深さを感じます。だけど、近寄りがたいという音楽性ではなくてポップで耳にも体にも馴染み、朝は四人目の兄弟のように一緒に歌うと土曜日を心愉しく過ごせそうです。
初めて聴いた時はタイトルのままに聴いていたけれど、リリックを詳しく読むと今も昔も変わらない人間の愚かさを歌っているように思えます。だから発売した1971年から時を経て、いまこの時代であっても心に響きます。
さあ今日1日を、大好きな友や新しい友に逢いに行く土曜日を、そして新しい未来を始めよう。
(ムトウサツキ)
アルバム『One By One』収録。

Sunday Night

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Title.
Make A Rainbow
Artist.
Benny Sings
コロナ禍のこの2年と数ヶ月は、こんなに「会う」ということが、困難になる日が来るとは思わなかった。会うということだけでなく、全ての普通が普通にできなくなる日が来た。
だけどいろんな危機が来る日も来る日もやって来ても、世界はきっと平和へ向かいどうにかなるさとこの歌を聴いていると心優しく眠れるのです。
オランダの虹の色は日本と同じ7色らしい。でもベニーは12の色12枚の新しい葉と歌う。喜びと希望に満ちた歌に聞こえるけれど、〝12〞はもしかするとネーザーランドの12の州から来ているんじゃ無いのかな? と思っている。いつか〝12〞についてもベニーに聞いてみたいな。
さあ美しい明日の朝の太陽を浴びるために、眠ろう。ベニーも歌っているように、きっと明日は明日こそは良い日になると願って、毎日を暮らし続けます。
Benny Singsの世界一のファンより(サツキ調べ)。
おやすみなさい。
(ムトウサツキ)
アルバム『I Love You (Live At The Bimhuis) 』収録。




『&Premium』特別編集
『&Music/土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ 』 好評発売中。

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ
音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 小西康陽、青葉市子、七尾旅人、長田佳子、テイ・トウワ、中嶋朋子……、 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付きです。 詳しくはこちら


February 18, 2022 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/Small Circle of Friends vol.3

February.18 – February.24, 2022

Saturday Morning

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Title.
Running On A Rainy Day
Artist.
Paul White
昨夜の深酒により頭痛を伴いつつ目覚めた朝には、その〝後悔〞を洗い流すような音楽を聴きたい。ポールホワイトはダニーブラウンをはじめとした〝ちょっと変わったラッパー〞と多く仕事をする〝ちょっと変わったヒップホッププロデューサー〞と目されているが、その根底にはサイケデリックミュージックがある。けして〝重く、暗く〞なることなく、ひたすら〝軽く、明るい〞。さらには希望さえ感じる、そんなサイケデリア。
荒いリバーブ、ディレイの粒子が、タイトル通り雨粒みたいに降り注いで、その中を走っていく。身体に残っていたアルコールもすっかり抜けきって、爽快な朝がやってくる。イメージって大事。(アズマリキ)
アルバム『Shaker Notes』収録。

Sunday Night

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Title.
Pling!
Artist.
Shuggie Otis
リズムボックスとエレピ、ちょっとだけオルガン。感情の起伏はあれど、あくまで淡々と演奏する様は、まるで〝夜〞のようだ。
シュギー・オーティスの名盤一人多重録音作品。ブルースギタリストとして世に出たけれど、このアルバム、特にこの曲に関してはそのイメージを感じない。そもそもギター入ってないし。オーバーダブされたホーン奏者、ハープ奏者の演奏もごくごく控えめ。曲の中盤から後半にかけて盛り上がりそうな予感もしてるが、その〝予感〞をスッと引っ込めてしまう。ほら、だって、日曜の夜だから。もう寝なくちゃ。(アズマリキ)
アルバム『Inspiration Information』収録。




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February 11, 2022 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/Small Circle of Friends vol.2

February.11 – February.17, 2022

Saturday Morning

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Title.
Look Out For Youself
Artist.
Wunder
こんなにロマンティックなのに、ダイレクトに語りかけてくる音の粒が、朝の光に照らされて、または雨の日には雨粒のように降り注ぐ。朝のルーティンの傍に響き、身体中にまとわり、脳を巡り、歩くごとに床に蒔かれた音を踏みしめるかの如く。そんな朝は毎日だって愉快で幸せです。
ドイツのエレクトロニカや音響が注目されるきっかけになったと言われているヨルグ・フォラート(a.k.a.ヴェクセル・ガーランド)ヴンダーですが、当時とんでもないものを聴いたような感覚になり私は「彼の衝動的な感情に巻き込まれたんじゃないのか?」とさえ思うほどの音の渦に、夢中で聴いていたことを思い出します。
もちろん「とんでもないもの」とは「圧倒的にその音にやられた」ってことなんだけど、その感じた「衝動」は意外にも彼のインタビューの言葉「様々なサンプリングを組み、結構な早さで完成したからあまり満足していない」と読んで、ファーストインプレッションは間違いではなかったんだなと思い至りました。
今の私だから言えることだけど、多少整理されていない状況でもクリエートしたいと思う欲求がエモーショナルになることは往々にしてあると思うし、そんなふうに作った作品を後に『今思えばとっちらかってて嫌だな』と思うのもわからなくもない。
でもその時の彼でしかできない音だったのだから、ダイレクトに響き1998年の作品でありながら今でも聴いている証しなんだと思うのです。
その後ヴンダーことヨルグ・フォラートは、ヴェクセル・ガーランド名義でも「Dreams Become Things」「S.T」などアコースティックでオーガニックな美しいアルバム作品をリリース。近年はリミキサーとしても活躍しています。
彼が今はどう思っているかわからないけれど、あのヴンダー名義の作品は悔しいほどのセンスだったんだな。そう思うと「Look Out For Yourself」がアルバム1曲目だなんて、ちょっと意味深です。いや今思うとね。
(ムトウ サツキ)
アルバム『Wunder』収録。

Sunday Night

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Title.
Nikes
Artist.
Frank Ocean
月の美しい夜、遠くに狼が鳴いているような草原の小屋でひとり眠れず「Nikes」を聴く。ふと横を見るとその狼は静かに歩き寄って来て傍に座りこちらを優しく見守る。仲間の狼の遠吠えを彼方に聴いていると、知らぬ間に眠りについた。翌朝「あれはフランクだったんじゃないだろうか」と、きっと思うんだ。
すでにこのアルバムについての素晴らしさは、いろんなところで書かれているし私がいうまでもなく、キックだとかスネアだとか、もちろんリリックの素晴らしさだとか、その作り自体を解体し、説明することよりも、美しく佇む音をただただ聴くのです。なかなか彼の言葉で語られない制作や自身の身の回り事は謎が多いし、知りたくなる気持ちはわからなくもないけれど、もう謎のままでいいと思う。
ただひとつ面白いエピソードがあって、フランク・オーシャンがオッド・フューチャー時代の話で「タイラー・ザ・クリエイターやアール・スウェットシャツと出会いオッド・フューチャーはクルーだけど、みんな”自分でやるんだ”ってメンタリティがあったからそこに惹かれたんだ」という言葉を書いた記事を読んだ時、彼のその時の感情や孤独、想いが込められているのだと感じ、オッド・フューチャーとの出会いは彼にとって大きな転機になり、その後の見事な仕事はいうまでもなく今に至るのです。
「みんな”自分でやるんだ”ってメンタリティ」孤独なようで自由。私たちも変わらない心持ちで毎日制作しています。
そんなことを考えながら今夜も眠りにつくのです。遠くに狼の彼の鳴く声を聴きながら。
うぉーん。うぉーん。。
(ムトウ サツキ)
アルバム『Blonde』収録。




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&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ
音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 小西康陽、青葉市子、七尾旅人、長田佳子、テイ・トウワ、中嶋朋子……、 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付きです。 詳しくはこちら


February 04, 2022 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/Small Circle of Friends vol.1

February.04 – February.10, 2022

Saturday Morning

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Title.
Yours Truly Rosa
Artist.
The Singers Unlimited
休日の朝。ベッドでウダウダしながら、その時間を堪能したい。まっさらな空間に〝今日という一日〞をどう描いていこうか? 思い巡らしている時に聴く音楽は〝完璧なもの〞でなければならない。自分にとって。
ザ・シンガーズ・アンリミテッドの音楽には心地の良い抑制された感情を聴き取れる。どの曲も凡庸と華やかさの絶妙なバランスがある。特にこの曲の完璧なバランスは、聴くとちょうど新しいノートの1ページ目を開いた時のような、そんな〝まっさら〞な気持ちになります。(アズマリキ)
アルバム『Eventide』収録

Sunday Night

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Title.
Why Like This?
Artist.
Teebs
ティーブスの画家としてのその作風はそのまま彼の作る音楽そのものであり、「ティーブスってどんな音楽?」と問われれば「この絵のようだよ」と答えるだろう。
特に初期のスリフトショップの格安コーナー、もしくは中古レコード店の「ご自由に持って行ってください」コーナーから集めたLPジャケットをキャンバスに使い、その上からペイントする作風はまんま「音」にも現れている。
自身が弾くカシオトーンのメインフレーズの上から、何層にもわたってレイヤーするサンプルは、時にラフに積み上げられていたり、過剰なリバーブが掛けられていたり、危なかっしい感覚も持ちつつ最後には完璧な曲が出来上がっている。そこに〝繊細さ〞さえ感じられる。
おそらくこれらは個人のパーソナリテイーによるもので、誰にも真似できない音楽。
そして必ず最後には心をえぐられるような感動がやってくる。(アズマリキ)
アルバム『Ardour』収録。




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音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 小西康陽、青葉市子、七尾旅人、長田佳子、テイ・トウワ、中嶋朋子……、 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付きです。 詳しくはこちら


ミュージシャン Small Circle of Friends

ムトウサツキとアズマリキの二人組。1993年、United future organizationのレーベル〈Brownswood〉よりデビュー。以来、17枚のフル・アルバムをリリース。2005年にはインストゥルメンタルに特化したサイド・プロジェクト「STUDIO75」をスタートし、英国の人気DJ、ジャイルス・ピーターソンもラジオ・プログラムにてプレイするなど、世界的な評価を得た。アーティストのトータルプロデュースからbeat製作も多数。最新は、BASI、maco marets、kojikojiなど。最新作は2021年12月にリリースした12枚目のアルバム『cell』。2020年の春から冬にかけて、自分たちのスタジオ「studio75」に篭ってレコーディングした、〝今〞の感情をストーレートに表現した。サツキはSustainableな衣料を目指す「75Clothes」も展開。音と服で毎日を暮らす。

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