MUSIC 心地よい音楽を。
シンガーソングライター 浮 (ぶい) さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.3February 16, 2024
February.16 – February.22, 2024
Saturday Morning
何年か前まで表参道にあった屋外フードコートのような施設でバイトをしていました。色々な飲食店舗があって、私はその中にある8席ほどの小さなスペインバルに立っていました。毎日お祭りをしているような、時間の流れがそこだけ違っているような不思議な場所です。シェアオフィスが隣接していたので、メンバーの方々が仕事の合間にふらっとコーヒーやお酒を飲みにきてくれるのですが、もちろん職種もそれぞれで、皆文化的だったので、色んな音楽を教えてくれました。2ndアルバムをリリースしてもらったレーベル〈Sweet Dreams Press〉も、そこで知って、憧れたのが始まりです。
そんなバイト中に教えてもらった音楽の中でも特に気に入ってずっと聴いている曲のひとつが、これです。鬱蒼とした雰囲気を感じながら、この曲のリズムに身を任せると気持ち良くてどこかへ飛んでいってしまいそうになるのですが、それだけじゃない、ハッとするような部分もあり私の心を掴んで離さない音楽です。さあ週末だ、と意気込みすぎず、自然体で過ごしたい土曜日の朝にぴったりです。
アルバム『Smile』収録。
そんなバイト中に教えてもらった音楽の中でも特に気に入ってずっと聴いている曲のひとつが、これです。鬱蒼とした雰囲気を感じながら、この曲のリズムに身を任せると気持ち良くてどこかへ飛んでいってしまいそうになるのですが、それだけじゃない、ハッとするような部分もあり私の心を掴んで離さない音楽です。さあ週末だ、と意気込みすぎず、自然体で過ごしたい土曜日の朝にぴったりです。
アルバム『Smile』収録。
Sunday Night
今でこそ、平日と週末の区別があまりない生活を送っていますが、10代の頃は学校に通う平日が憂鬱で仕方ありませんでした。毎日、毎週、毎月、同じ場所に通い、同じ人に会い、同じ場所に帰ってくることで、先が見えない状態になっていたんだと思います。だから、何かイレギュラーなことが起こる週末が救いでした。そんなせっかくの週末も、頭の片隅で月曜日のことを考えて落ち込んでしまったりするので、日曜日の夜が少しでも長くなるように、布団に潜ってずっとラジオを聴いていたことを思い出します。この曲が当時のラジオから流れてきたら、きっと安心して眠れるだろうと思って選びました。やさしくて切ない、穏やかで明るい、なんだか言葉にならない感情まで包み込んでくれるお守りのような音楽です。安心して眠れる音楽は、日曜日の夜に必要です。
EP『Stairs』収録。
EP『Stairs』収録。
シンガーソングライター 浮 (ぶい)
米山ミサのソロプロジェクト。2018年頃より、ガットギターの弾き語りで活動を開始。2020年、1st Album『三度見る』をリリース。2021年、コントラバス奏者の服部将典、ドラマー藤巻鉄郎とトリオ”浮と港”を結成。同メンバーにゲストを迎え、2022年に2nd Album『あかるいくらい』を〈Sweet Dreams Press〉よりリリース。以後、全国各地を巡り歌っている。Photo : Momoka Omote
