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ぬか床とうまく付き合うための時期と場所。写真と文:塩山奈央 (暮らし家) #4April 24, 2026

ぬか床をうまく作るためには、始める時期も重要だったりする。

ぬか床が発酵するのに最適な温度は25℃前後。仕込みに適している時期は、平均気温が20℃を超え始める5〜6月頃がよいだろう。

まずは、菌を増殖させるために野菜くずを使って「捨て漬け」を3〜4回繰り返し、1週間ほどで本漬けができるようになる。

ぬか床とうまく付き合うための時期と場所。写真と文:塩山奈央 (暮らし家) #4ワークショップでのひとコマ。クズ野菜も一緒に混ぜちゃいます。
ワークショップでのひとコマ。クズ野菜も一緒に混ぜちゃいます。

気温が低すぎると発酵に時間がかかり、高すぎると過発酵になって菌が暴走してしまう可能性がある。

ただ、現代の気密性の高い住居だと、室内の気温が一定だったり、冬でもずっと暖かい場所があったりするかもしれない。自分の住んでいる環境によっても、仕込みの条件が変わってくることも頭に入れておいてほしい。

ちなみに、外の気温に関係なく一年中ぬか床がうまくできる裏技がある。ヨーグルトメーカーを25℃に設定して作る方法だと、約3日でぬか床のベースができあがる。実際に作ったことがあるが、菌はこんなにも律儀に応えてくれるんだなぁと、感心したほどだった。

そして、ぬか床が安定する「定位置」を見つけるのも、案外大事なことだったりする。我が家では、ほどよい温かさの冷蔵庫の横の棚が「定位置」となっているが、季節に合わせて「定位置」の微調整が必要な事もある。夏は、棚の上が暑くなりすぎるので下に移してみたり、冬は暖かい空気が上に上がりやすいので、棚の上のほうに置くなどするとよい。そんなふうに、温度を探りながら「定位置」を動かすのも、おいしく育てるポイントだ。

ぬか床は、育てる楽しみが大きな存在だ。我が家のぬか床は、一年中室内に出しっぱなし。15年かけて、ちょっとやそっとのことでは、びくともしないぬか床に成長した。

日々の暮らしの楽しみのひとつである、ぬか床育て。ぜひ挑戦していただきたいなぁ、と思う。


暮らし家 塩山奈央

塩山奈央
暮らしの中から生まれる様々なことを提案し続ける。暮らしにまつわる著書には、エッセイや料理本、手仕事、ぬか漬け本など多岐にわたる。ぬか床歴は20年ほど。味噌作り歴も20年以上の発酵食好きでもある。

instagram.com/shioyamanao

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