&EYES あの人が見つけたモノ、コト、ヒト。
旅は私を救ってくれない。思いつき、一人旅。写真と文:祷 キララ (女優) #4April 27, 2026
なんか、停滞してきたかも。
と感じた時、私は旅に出る。なるべくすぐに。
今の⾃分の延⻑線上にうっすら浮かび始めた未来を、急な⽅向転換で⽩紙にするのだ。
未知の⾵景、⾳、匂い、⼈や物と出合い続けるうちに、⼼は素直さを取り戻し、勇気と元気が湧いてくる。
ある⽇、舞台を観に⾏った帰り、悶々として重たい気持ちになってきた。よしっと思い⽴ち、少し無理をして箱根へ向かった。

箱根に着く頃には夜になっていた。どこにも寄らず、道中急いで予約した宿へ向かう。宿の下に着いた途端、胸がざわざわ切なくなって、ハッとする。
5年前、同じように悶々として箱根に来た。その時も、ここに泊まった……!
⾒覚えのある廊下を歩き、部屋に⼊って荷物を下ろす。妙な偶然。戻ってきたのか?⽌まっていたのか。進んでいるのか……。
カメラロールを5年分無⼼で遡り、温泉に浸かって、眠った。
翌朝。チェックアウトギリギリに⽬が覚めて、慌ただしく宿を出た。今⽇はたくさん歩いて何かに出会うんだ。この悶々とした⼼をほどいてくれる何かに。

箱根ガラスの森美術館へ向かった。
ポーラ美術館へ。
⼤涌⾕(地獄⾕)へ……。
⽇が暮れてきてもなお、私は何かを求めて彷徨っていた。
⼤涌⾕からの帰り道、バスが運休していて、⾏きにも乗ったロープウェイにまた乗ることになった。⼤混雑の乗り場を横⽬にどんよりとチケットを買いに⾏くと、駅員さんが声を掛けてくれた。
「⾏きにも乗られましたか?差額を⽀払ってもらえれば、往復の割引チケットに変えますよ!」
些細なことかもしれないけれど、その⼼遣いに、固まっていた私の⼼はふっとゆるんだ。
外を⾒ると、空の⾊が豊かだ。
しかしまだ何かが⾜りない。帰りの電⾞で気になっていた演劇の当⽇券を購⼊して、今度は有楽町へ向かった。2時間の観劇を終え、駅までの道を、歩く。
⼼は重たいままだった。
ああ。疲れた。家に帰ろう…。

翌⽇、写真家の蓮井元彦さんに会った。たくさん話をしたあと、⼀緒に馴染みの道を歩いたり⾛ったり踊ったりしながら写真を撮ってもらった。またねー!と別れて歩き出す頃、⼼は軽やかに動きはじめた。
帰り道、ふと⽴ち寄った家具屋さんで、とびきり素敵なソファに出合った。何ヶ⽉もソファを探し続けていた私は、少し迷って、思いきって購⼊した。
旅は私を救ってくれない。
でも、私を彩るきっかけを、⼼にそっと残してくれる。
そうか。私を救うのも、彩るのも、私じゃないか。
女優 祷 キララ













































































