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陶芸作家・明主航さんの個展「廻 (み) る/Around」が『Vacant/Centre』にて開催。March 04, 2024

偶発性と廻(めぐ)りあわせ、不可視の存在に想いを馳せて。

明主航 明主 航 Vacant/Centre Vacant

東京都渋谷区『Vacant/Centre』にて、京都府亀岡市を拠点に活動する陶芸作家・明主航(みょうしゅ わたる)さんの個展「廻(み)る/Around」が開催される。

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明主 航「空く/Su-ku」展示風景 2023年 Vacant/Centre
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明主 航「空く/Su-ku」展示風景 2023年 Vacant/Centre

明主さんが近年精力的に取り組んでいる箱形の作品は、ローマ時代に作られた漆喰箱を「写す」ことに始まったという。それは人の手と遠心力によって形づくられたろくろの作品とも、手跡が残る手びねりとも違い、土・石・砂で出来た自然物や、長いときを経て発掘された遺跡のような、独特の風合いを醸し出している。

2023年、Vacant/Centreで行われた展覧会「空く/Su-ku」制作過程の様子。

箱型の作品や器のシリーズ〈白刻〉は「型取り」の手法を用いてつくられており、丹念な仕上げの工程に様々な偶発性を取り込むことで、ひとつひとつ全く異なる作品が生まれる。また、表面を釉薬で覆わないことにより、陶器に開く無数の微細な孔を塞がず、作品が「呼吸」している状態を作り出す。それは彼自身が作品の置かれる空間を意識し、そこに漂う「流れ」の一部となるように、と意図した心づかいの表れでもあるという。

土を始めとする素材、人、場所との廻(めぐ)りあわせ、大きな循環のなかにある存在に想いを馳せてつくられる作品たちは、この度どんな見立てにいざなってくれるのだろうか。

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明主 航「空く/Su-ku」展示風景 2023年 Vacant/Centre

会場となる『Vacant/Centre』は、代々木八幡神社近くに位置するアートスペース。原宿にあったプロジェクトスペース『Vacant』が2019年に閉場した後、2021年にオープンした。「多声性/Polyphony」をひとつのキーワードに、複合的な営みが相互に作用し、時の経過とともに醸成されていく「場」の構築を目指している。淡褐色を基調とした仄かな光を湛える展示空間は、明主さんの作品と呼応し、新たな景色を見せてくれそうだ。是非この機会に、足を運んでみては。

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明主 航
Myosyu Wataru 陶芸作家

1990年京都府生まれ。出身地の亀岡にて作陶を行う。近年の展示に『漆喰箱写し』(2022) tonoto/京都、『匣』(2022) 水犀/ 東京、『空く/Suku』(2023) Vacant/Centre/東京、『To Look Again』(2023) Atelier Éditions/LAなど。

Event Information"廻(み)る/Around" 明主航/Wataru Myosyu

会期:2024年3月15日(金)〜3月31日(日)※金土日のみオープン
時間:13:00〜18:00
会場:Vacant/Centre
住所:東京都渋谷区元代々木町 27-6

公式サイトはこちら

text : Yu Miyakoshi

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