TRAVEL あの町で。
香ばしく軽やかで、品のあるふやき煎餅。 京都さんぽ部部長の、 新旧お土産帖。April 24, 2024
十分に街歩きを楽しんだなら、間違いのない土産を手に入れて旅を締めくくりたい。本誌連載「&Kyoto」の「京都さんぽ部」部長で、現地在住のライター、コーディネーターの大和まこさんが教えてくれたのは、寿司や菓子、雑貨、縁起物といった8つのジャンルの新旧いい土産。長きにわたり愛される定番から、歴史を引き継ぐ名品、老舗が手がける新ブランドのアイテムに、この数か月のうちに発売されたばかりのものまで、古都だからこそ生まれた古きと新しきの違いを味わえる品々。帰りの新幹線から旅の余韻に浸れ、家に帰れば楽しい時間を振り返りたくなる、充実のラインナップです。
香ばしく軽やかで、品のあるふやき煎餅。
日持ちして持ち運びやすく、京都らしい和菓子土産としてすすめたいのが、ふやき煎餅。もち粉や餅を使い焼き上げた、軽くて香ばしい煎餅だ。食感や意匠、表面に引く蜜にもそれぞれ店の個性があり楽しめる。
『青久』は老舗『末富』がプロデュースする、現代的な和菓子ブランド。ふやき煎餅を4種のチョコレートで包んだAoQのチョコふやきは、甘さ控えめのチョコを薄めに纏わせ、煎餅の香ばしさや食感を残している。
『鍵善良房』の濤々はもともと、2022年に閉店した『京華堂利保』の代表菓。武者小路千家家元・有隣斎宗匠のお好みだったことから『鍵善良房』が受け継いだ。砂糖蜜で渦の文様を描いたふやき煎餅で、大徳寺納豆を練り込んだこし餡を挟んだ一品。「レシピは受け継いだが、使う餡が違うため同じにはならない。そこが難しかった」と15代目の今西善也さん。試みを乗り越え完成した濤々は、祇園町で新たな歴史を刻む。
「京都さんぽ部」部長、ライター、コーディネーター。 大和 まこ
「京都さんぽ部」部長。ライター、コーディネーター。京都ライター歴も26年に。創刊時から続く連載「&Kyoto」は2024年に丸10年、120回目を迎えて継続中。京都の景色や、食べたもの、買ったものをInstagram(@makoyamato)で発信している。