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東山『霊雲院』にて名庭に心を鎮める。京都さんぽ部部長の、 ひとりで過ごす京都、10のこと。April 04, 2024

&Kyoto

訪れるべき場所がまだまだ尽きない京都の街の魅力を紹介する特集「やっぱり、ひとりでも京都」。今年も、ひとり、京都を歩くなら話を聞いておきたい人がいます。創刊から10年以上にわたり本誌連載「&Kyoto」を担当し、「京都さんぽ部」部長として街の旬なエリアやスポットを紹介してきた、現地在住ライター、コーディネーターの大和まこさんです。本誌の企画「ひとりで過ごす京都、10のこと」のテーマに合わせて、私的にすすめたいスポットを教えてくれました。

小書院と茶室とを結ぶ「臥雲の庭」。繊 細な砂紋が美しく手入れされている。
小書院と茶室とを結ぶ「臥雲の庭」。繊細な砂紋が美しく手入れされている。

東山『霊雲院』にて 名庭に心を鎮める。

 東福寺塔頭の一つ『霊雲院』には、作庭家・重森三玲が手がけた2つの庭がある。一つは江戸時代に造られた庭を修復した「九山八海の庭」。須弥山を中央に九つの山と八つの海から世界が成り立つという仏教の思想を、砂紋の中央の遺愛石を須弥山に見立てて世界観を表現したもの。

 もう一つは寺号の霊雲をテーマにした「臥雲の庭」。流れる水や雲を石と白砂で表し、つかのま太陽に染まる雲を赤い鞍馬砂で描いた。雲や水の流れを描いた砂紋はモダンで、苔や木々の緑が空間を引き締める。三玲の感性に心打たれ、静かに庭と向き合うひとときが心地よい。


京都市東山区本町15‒801 ☎075‒561‒4080 拝観10時〜15時 不定休 拝観料500円 開門日時は確認を。


「京都さんぽ部」部長、ライター、コーディネーター。 大和 まこ

「京都さんぽ部」部長。ライター、コーディネーター。京都暮らしも、もはや25年目に。連載「&Kyoto」は2022年に100回目を迎えて継続中。京都の景色や、食べたもの、買ったものをInstagram(@makoyamato)で発信している。

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