京都さんぽの定番&寄り道スポットガイド
『みたて』のほかにも続々。うっとりする体験が待つ店へ。京都さんぽの定番と寄り道ガイド⑪March 15, 2024
本誌連載「&Kyoto」でおなじみ、現地在住のライター、コーディネーターの大和まこさんが案内する、京都旅で訪れたい14の定番と28の寄り道スポット。ここでは、『みたて』と周辺の寄り道スポットを紹介します。
定番⑪ みたて
店主の西山隼人さんと妻の美華さんが営む店では、折々の植物を通して、季節の愛で方を教えてくれる。2019年からは空間をモダンに一新し、予約を基本のスタイルに。といってもハードルは高くなく、一人一人にじっくり向き合うため。寄せ植えや木箱に京の風物を映した「京の木箱」などのほか、花一輪、枝一本から購入することもできる。
▷京都市北区紫竹下竹殿町41 ☎075−203−5050 12:00~17:00 火~木は予約制 日月休
店主たちの美意識が集まり続ける紫竹へ。
本誌での連載を長らく務めてくれた『みたて』は、千利休が見立てた茶道具で新たな価値を生み出したように、植物を通じて見えないものに価値を見いだし、新たな世界を見せてくれる花屋。京都や日本の様々な景色や風習のエッセンスを掬い取り、再構築して伝えてくれる。その美意識はいつも新鮮で、心響くもの。2013年に店を開くまでは、あまり馴染みのない場所だった紫竹も、折に触れ足を運びたい場所にしてくれた立役者だ。2017年には隣に店主・清水香那さんの琴線に触れた“ビューティフルシングス”を集めた『スターダスト』が登場し、’23年には『スターダスト』の新しいギャラリー『エルベレス』も加わった。けっして街中からのアクセスがいいとは言えないけれど、シックな店が揃う美しい場所になっている。
そこに新たに加わった注目店が『北山夏椿』。自然素材のアロマプロダクトを手がける〈フローラス〉、手仕事によるプロダクトをセレクトする〈ベルーリア〉、ニットウェアブランド〈ユリ パーク〉の三者が空間をシェアするギャラリーショップもまた、美意識が凝縮する場所に。
隣には蕎麦の名店『おがわ』。品よく香り高い蕎麦もまた美を感じさせるものだ。
寄り道スポット
illustration : Junichi Koka