京都さんぽの定番&寄り道スポットガイド
『重森三玲庭園美術館』の鑑賞後に待つ、パン&ワインの幸せ。京都さんぽの定番と寄り道ガイド④March 08, 2024
本誌連載「&Kyoto」でおなじみ、現地在住のライター、コーディネーターの大和まこさんが案内する、京都旅で訪れたい14の定番と28の寄り道スポット。ここでは、『重森三玲庭園美術館』と周辺の寄り道スポットを紹介します。
定番④ 重森三玲庭園美術館
現在公開されている庭は1970年の作。中央に蓬莱島を配し、波をモチーフにした敷石がモダンな枯山水庭園だ。庭を眺める書院に吊るされたイサム・ノグチの照明も迫力がある。市松模様の波濤が印象的な襖を持つ茶室「好刻庵」も三玲によるもの。
▷京都市左京区吉田上大路町34 ☎075−761−8776 予約制 月休ほか木不定休 メール(shima753@hotmail.com)
にて10日先まで予約受付 見学料¥1,000 庭園、書院・茶室内部を外から見学。
コンプリートすれば眼福口福の吉田あたり。
節分祭で知られる吉田神社と京都大学のある吉田エリア。昭和の作庭家・重森三玲の旧邸を開放した『重森三玲庭園美術館』も吉田神社の南参道にあって、江戸時代の神官の家を譲り受けたもの。三玲の孫である重森三明さんの解説を聞きながら作品を鑑賞すれば、京都に残る他の庭も見に行きたくなるに違いない。
ところで予約制というハードルの高さは、確実に見ることができるという安心感でもある。美術館を勧めるときに水曜と金曜にと付け加えるようになったのは、すぐ近くにベーカリー『エンタ』ができたから。攻めた焼き加減ともっちり生地のバランスが絶妙なカンパーニュや、軽やかさのある山食など店主の吉原真由子さんが作るパンはどれも、ここだけの味。せっかく吉田に向かうなら、片方を逃すなんてもったいない。という結果の水曜と金曜なのだ。
そこから歩いて10分ほど。北参道のそばにはプラントベースの料理とナチュラルワインを15時から楽しませてくれる『タルジス』もある。「5回目にやっとプラントベースと気づいたお客さんもいました」と笑う、店主の木山武則さんが作る料理はメリハリの利いたワインを進ませる味わい。明るいうちからワインという幸せが待っている。
寄り道スポット
illustration : Junichi Koka