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アーユルヴェーダを暮らしに。「運」を「動」かすための運動。 写真と文:久保直子 (ウェルネス&ビューティジャーナリストほか) #3December 18, 2025

これまでアーユルヴェーダに基づく日常のケアについてお話してきましたが、今回は、現代の視点から見た“運を動かす”ための運動についてお伝えしたいと思います。
私が日常的に運動を始めたきっかけは、「痩せたい」「スタイルをよくしたい」といった一般的な理由ではありません。主な動機は、「眠れないときに体を動かして疲れさせる」「体力をつけてメンタルを鍛える」ことでした。
不眠になると、体重増加や肌のターンオーバーの乱れ、記憶の整理不足、集中力の低下などを感じることがあります。こうした悪影響をできるだけ避けるために、運動して体を疲れさせる方法が自分に合っていると考えたのです。
よく「体と心は繋がっている」と言われますが、その言葉を日々痛感しています。そのため、「体と心のバランスを取るため」に運動を取り入れ始めました。
自分に合った運動を見つけることが大事。
では、どうやって自分に合う運動を見つけるのか? それは私にとって大きなテーマの一つでもありました。もともと運動は嫌いではなかったので、ジムに通ったり、ランニング仲間と走ったりしていましたし、美容ライターとして、ホットヨガや加圧トレーニング、ヨガなど流行りのものは、ひと通り経験しました。しかし、1年以上継続するのが難しいことが多かったのです。また、膝や関節を痛めたことがあり、続けることに消極的になっていました。体に負担をかけずに続けられる運動は何かと模索した結果、たどり着いたのが水泳です。
ジムに行った際にたまにプールで泳いでいたこともあり、ハードルが高くなかったことと、全身運動でありながら関節への負担が少ないことが大きな魅力でした。コロナ禍の時期には、ジムのマシンを使うことに抵抗があり、、「プールなら」と思ったことも、水泳に向かうきっかけとなりました。
また、社会全体の健康志向の高まりも後押しとなっていたように思います週3回を目安に続けているうちに、体が引き締まってきたことはもちろん、肌の調子が崩れにくくなったことに気づきました。泳ぐことはストレス解消の手段でもあり、マインドフルネスの時間でもあります。泳ぐことだけに集中し、「ゾーン」と呼ばれる深い集中の感覚を味わうこともあり、集中力をつけたいときにも行くようになりました。
こうして水泳は、単なる運動ではなく、体と心の健康を支える大切な習慣、私の「日常の一部」となったのです。

肌の状態、女性ホルモンのバランスにも影響が。
水泳を続けていると、肌を褒められることが増えました。ファンデーションを厚く塗らなくても整いやすくなり、下地だけでも自然な艶が出る日が多くなったように感じています。生理前後に敏感になりがちだった肌も、以前よりも安定し、メイクをする時間がさらに楽しくなりました。
「体が引き締まったね」と声をかけてもらえることも継続のモチベーションになっています。バストのアンダーサイズや、パンツのサイズも変わったことも大きな変化です。そして、女性ホルモンのバランスが揺らぎにくくなったことも実感しています。長年飲み続けている漢方の影響もあると思いますが、PMS(生理前症候群)が軽く感じられることも増え、気持ちの面でも落ち着いて過ごせる日が多くなりました。何かあれば「水に流そう」とプールに行き、ネガティブな感情をすべて洗い流すつもりで泳いでいます。
何より、泳いだ直後は血液の巡りがよくなり、体の内側からポカポカするのが気持ちよく、これを1度経験すると、なかなかやめられなくなります。

美容業界でも、運動と美肌の関係性に着目。
近年、〈ポーラ〉は美肌と筋肉の研究に着手し、体重当たりの体幹及び下半身の総筋肉量が多い人ほど、顔のシミが少ないという事実を明らかにしました。さらに、体の筋肉と顔のシミとの関係について、筋肉で生成される「マイオネクチン」という物質が血液成分として皮膚に運ばれ、シミのもとであるメラニンの生成を抑えていることが示唆されたとして、話題となっています。また、〈イプサ〉でも、骨格筋から分泌される「マイオカイン」に着目して、身体や肌への効果も期待した研究を進めており、運動と美肌の関係性は、より明らかになっていくことが期待されています。
これらの話を聞いて、驚きとともに「やっぱり!」という思いが湧きました。体への効果はもちろん、肌への効果についても明らかになったことで、自分のモチベーションがさらに高まり、継続への意欲も増しました。
今後さらに研究も進展していくと考えられ、体だけではなく、肌や心の健康のために運動を取り入れる人がもっと増えていくのではないかと思います。
日常の一部として定期的に続ける。
私がおすすめしているのは、基本的にはウォーキングや水泳などの有酸素運動です。
有酸素運動は、呼吸が深まりやすく、血液の循環やホルモン、栄養の巡りも促進します。そのため、肌、心、体の調子を整えられる大きな利点があります。
重要なのは、運動を「日常ごと」にすることです。例えば、私は、1週間のスケジュールを見ながら泳ぎに行く曜日の目安を作り、タオルや水着などの水泳セットを常に用意しています。また、水泳に行く際は、自宅であらかじめ水着に着替え、更衣室での時間を短縮するなど、自分が行きやすい流れを整えました。どうしても行けなかった場合は、次の週に回したり、泳ぐ距離を調整したりして、行けなかったことに罪悪感を持たせないようにしています。

自分に合った運動を続けることが大切。
私には水泳はフィットしましたが、ウォーキングやランニング、テニス、自転車……など自分に合った運動を選ぶことが大切です。最初は「鍛えるため」ではなく、「体を疲れさせるため」という気持ちで始めるのがよいと思います。私も水泳を始めたときは、自分の体を疲れさせることだけを目的にしていたので、水泳を始めた当初は手持ちの水着で気軽にスタートしました。自分がこれなら続けられる、という運動を見つけ、負担にならない範囲で、うまく日常に組み込んでみてください。
ウェルネス&ビューティジャーナリスト、植物療法士、アロマデザイナー 久保直子





























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