今、台湾でしたいこと。
歌手・俳優の和田彩花さんが教えてくれた、「台湾好きの、2泊3日旅プラン」。March 03, 2025
台湾好きのあの人はどんな旅をしてる？ アートや建築、歴史文化を巡ったり、屋台ごはんからスイーツまで豊かな食文化に触れたり。台北以外にも台中、台南へのショートトリップなど、6人の台湾通に、2泊3日を満喫する自分だけの旅プランを教えてもらった。
台南に残る古い文化から学ぶ〝温故知新〞。
台湾最古の都市である台南は建築や芸術、食など多様な国から影響を受けてきた古い文化が残る大好きな街。1日目は台南の隣にある嘉義の『國立故宮博物院南部院區（グオリーグーコンポーウーユエンナンプーユエンチュィ）』へ。碧玉で作られた「肉形石（ロウシンスー）」という作品があるのですが、その形は東坡肉（トンポーロウ）（豚の角煮）にそっくり！ これを見るためだけに訪れる価値があります。2日目は台南郊外にある安平へ。17世紀初頭、オランダが台湾に進出した際に防御要塞として建築したゼーランディア城『安平古堡（アンピングーパオ）』などの古跡が多く残ります。かつてイギリス貿易会社の倉庫だった『安平樹屋（アンピンシューウー）』は、今は廃屋となっていますが、無数のガジュマルの樹々に覆われた姿は神秘的で、息を呑む美しさ。台南には南国特有の植物が多く、『四草綠色隧道（スーツァオリュィスースェイダオ）』を観光船で巡ってマングローブ林を見たり、『裕成水果店（ユィツェンスェイグオディエン）』で新鮮なフルーツを食べたり、植物のパワーを全身で感じます。3日目はオランダ統治時代に建設された『赤崁樓（ツーカンロウ）』を見学。赤煉瓦造りの美しい建築は鄭氏台湾、清朝、日本統治時代と役割を変えて利用され、これまで台湾が経てきた時代の痕跡を見ることができます。ほかにも日本統治時代の警察署をリノベーションした空間で現代アーティストの作品を展示する『臺南市美術館（タイナンスーメイシューグワン）』にも足を運びたい。台南はあらゆる面で「古いものや文化を大切に残し、伝えていく」という精神が随所に息づいています。その姿勢には学ぶべき点が多く、訪れるたびに感銘を受けています。
My Taiwan Trip Plan和田彩花さんの2泊3日台湾旅プラン。
１日目
15：30
台北松山空港到着後、タクシーで台北駅へ移動。台北駅から新幹線・台湾高速鉄道に乗って嘉義駅に到着。
16：00
『國立故宮博物院南部院區』（嘉義）で「肉形石」を鑑賞（＊時期によっては台北の『國立故宮博物院』で展示されていることもあるのでHPなどで要確認）。
18：00
『林聰明沙鍋魚頭（リンツォンミンサーグオユィトウ）』（嘉義）で夕食。揚げた魚の頭と豆腐や白菜などを土鍋で煮た嘉義名物の鍋料理「沙鍋魚頭」を食べる。
21：00
嘉義市内のホテルに宿泊。
2日目
09：00
嘉義駅から電車で台南駅へ到着。
09：30
台湾最古のゼーランディア城『安平古堡』（台南）を見学。
10：30
『安平樹屋』（ 台南）でガジュマルに覆われた建造物を見学。敷地内にある台湾開拓史料蠟像館で開拓時代の史料を閲覧。
11：30
ランチに『金土產牛肉湯（チントゥーツァンニョウロウタン）』（ 台南）で牛肉湯を。生姜をたっぷり入れて、台湾の甘い醤油である甜油膏（ティエンヨウガオ）を加えるなど、お店の方が教えてくれるローカルな食べ方で。
13：00
台江國家公園内にあるマングローブ林『四草綠色隧道』（台南）へ。観光船に乗って緑のトンネルを巡る。
15：30
『裕成水果店』（台南）でドラゴンフルーツなど季節のフルーツを食べる。
16：30
デパート『林百貨店（リンパイフオディエン）』（台南）でお土産探し。日本統治時代に建設された歴史的な建築も楽しむ。
19：00
『度小月擔仔麵（ドゥーシャオユエタンツァイミエン）』（台南）で夕食。台南発祥の担仔麺（タンツァイミエン）を食べる。
21：00
台南のホテル泊。
3日目
07：00
ちまき専門店『劉家粽子 西門店（リョウチアツォン シーメンディエン）』（台南）で朝食。具だくさんで甘いタレがかかったちまきはボリューム満点。
08：30
台湾で最も古い学び舎『台南孔子廟（タイナンコンズミャオ）』（台南）を散策。
10：00
『安平古堡』と並び台南の二大古跡の『赤崁樓』（台南）を見学。
11：00
『臺南市美術館』（台南）で台南の現代作家の作品を鑑賞。
12：00
『集品蝦仁飯（チーピンシアレンファン）』（台南）でランチ。台南名物の鰹出汁で炊いたご飯にエビがトッピングされた蝦仁飯を食べる。
15：30
高速鉄道で台北駅着。台北松山空港へ。
和田彩花 Ayaka Wada歌手・俳優
1994年、群馬県生まれ。アイドルグループ「スマイレージ」「アンジュルム」のメンバーとして活動後、2019年に卒業。アイドル活動を続ける傍ら大学院で学び、美術やジェンダー問題など幅広く発信する。6月に台北でライブ開催を予定。
illustration : Harper Ouk(vision track) text : Yuriko Kobayashi edit : Chizuru Atsuta cooperation : Fumi Yoshida,Mari Katakura
