BOOK 本と言葉。

20代のときに、私の生き方を変えた本。『夜間飛行』/京都・大山崎町『Puolukka Mill』 が届けるベターライフブックス。May 14, 2026

This Week Theme20代のときに、私の生き方を変えた本。

Book of the Week『夜間飛行』サン=テグジュペリ 著 堀口大學 翻訳(新潮文庫)

20代のときに、私の生き方を変えた本。『夜間飛行』/京都・大山崎町『Puolukka Mill』 が届けるベターライフブックス。

 この作家の『星の王子さま』がとても好きだった。他にも小説をいくつか書いていると知り、その流れで『夜間飛行』を手に取った。

 読んで驚いたのは、この小説に書かれていることが『星の王子さま』が描いた、はかなさや無垢な感性とはまったく異なっていたことだった。

 序文で賛辞を寄せた作家アンドレ・ジッドがこう述べている「サン=テグジュペリは、人間の幸福は自由の中に存在するのではなく、義務の甘受の中に存在するのだという事実を明らかにした」と。

 この小説は責任や重圧についての話だった。誰よりも、速く、遠く、飛行機で手紙を運ぶ仕事によって、危険を冒すことによって、縛られることによって「幸福を得る」という逆説的な命題に感心した。この言葉を胸に僕はふらふらするのをやめて、結婚して、定職についた。たぶんその時、幸福になりたくなったのだと思う。

edit:Seika Yajima


BOOKSHOP Puolukka Mill

Puolukka Mill (プオルッカミル)
『Puolukka Mill(プオルッカミル)』は、「本と糸」の店。大阪と京都の境目、天王山のふもと、緑と水に囲まれた大山崎町にある。JR山崎駅、阪急大山崎駅から15分ほどの住宅街の中にある一軒家を改装。新刊、古本、毛糸や手芸用品、日用雑貨、洋服などを販売し、少人数で行うアットホームな編み物教室を運営している。店名は「Puolukka」(こけもも)とイングランドのソールズベリー(Salisbury)にある『Fisherton mill』というアトリエ&カフェにちなんで付けたもの。本担当の折小野和広さんは、小説家としての顔も持ち、2022年に『十七回目の世界』で京都文学賞優秀賞を受賞。2026年3月に、夏を待っている女性を描いた表題作『夏を待つ』(Puolukka Mill Books)を上梓。

instagram.com/puolukkamill

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