MUSIC 心地よい音楽を。

シンガーソングライター 大石晴子さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.4September 25, 2026

September.25 – October.1

Saturday Morning

Title.
Black Dog
Artist.
Arlo Parks
 数年前、フジロックのライブ配信を自宅から観ようとアクセスするとアーロ・パークスが演奏していて、その歌声に惹きつけられました。個性的なのに、まだ聴いていたい歌声に出合いました。そして歌詞について。母語が日本語である私が、その魅力を不足なく受け取ることは難しいですが、譜割りの心地良さもあり、素晴らしいことは十分に感じられました。また、他の言語に置き換えれば何か損なわれてしまうような繊細な作品であるだろうということも。
 日中も過ごしやすい気温になってきたので、土曜は午前中から散歩したいです。この曲を聴いて、少し遠くまで。
アルバム『Collapsed In Sunbeams』収録。

Sunday Night

土曜の朝と日曜の夜の音楽。
Title.
Parallel Night
Artist.
Seo Youngju
 音楽には、聴く人が抱えていた感情を引き出したり増幅させたりして、より明確にする働きがあると思います。悲しさや苦しさといった負の感情であったとしても、それが自分にとって大切なものであるということを確かめられるように。
 韓国ドラマ『誰だって無価値な自分と闘っている』で、映画監督を目指すファン・ドンマンは20年経っても芽が出ず、悪態をついて友人からも疎まれていく。彼が帰りのバスの中でひとり、作り笑いをする様子と、そこで流れていた挿入歌が印象的でした。このシーンを観ることや、この曲を聴くことは、私が私自身の不安に気付くきっかけになります。
 ハッピーな気分で締めくくる週末ばかりではないけれど。私をここに、より色濃く存在させる、音楽の力を頼りにしています。
アルバム『We Are All Trying Here (Original Soundtrack) Special』収録。

edit : Seika Yajima


シンガーソングライター 大石晴子

HarukoOishi
大阪府生まれ、神奈川県育ち。日々の生活のなかにひそむ感情の機微を、余白のある詩的表現と浮遊感のあるメロディーで綴るシンガーソングライター。2022年に1stアルバム『脈光』、2024年にシングル「サテンの月」「沢山」をリリース。

→ oishiharuko.com

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